ここまで演じてこられて、いかがですか?
扱う事件が未解決から進行形になったことで、ストーリーが事件解決に重きを置くようになり、説明セリフが増えましたね(笑)。そのことで感情面や個々のパーソナリティー部分が見えづらくなってしまわないように、説明セリフを言うのにも口調や声のトーンなどに気を付けています。きちんと意識していないと、セリフの量ばかりに気をとられて感情のこもっていないただの言葉となり、口先だけのやりとりになってしまうので"温度のある会話"になるように心掛けています。
今回、高峰は泉たち潜入捜査班とは別行動の捜査が多いですね。
それぞれの役割分担がしっかり分かれていて、それぞれが与えられた任務に全力を注いでいる。実は、今回は高峰が捜査に出ることが少なくなって暑いロケを免れて涼しいスタジオでの撮影ばかりかなと少し期待していたんですが、さすがにそんなに甘くはなかったです(笑)。捜査が別行動なので、捜査班のセットでみなさんと会うと「久しぶり!」なんて挨拶が出ることも。そうやって捜査班に戻った時に何だか妙に嬉しかったり、安心したり、いいチームだなと思えることが素敵だなといつも感じています。
現場の雰囲気はいかがですか?
私は北大路欣也さんとご一緒させていただくことが多いんですが、北大路さんはいつも周りに気を配ってみんなに話しかけてくださるんです。おかげで、ほどよい緊張感を保ちつつもリラックスできる心地のいい現場になっています。あと、昨日メイクルームで中原丈雄さんと杉本哲太さんがセリフのイントネーションを確認し合っている姿を拝見して、改めて考えると大先輩であり、大ベテランである方々のそんな光景を間近で見られるなんて、すごく贅沢な現場だなと思いました。
メイクルームや捜査班のセットからは、いつも楽しそうな笑い声が聞こえてきます。
笑い声が大きすぎて怒られそうになることもあります(笑)。みなさん本当に楽しいんですよ。私が思うに、セリフが多ければ多いほど本番直前や合間の"みんなの笑顔度"が高い気がします。リラックスのためなのか、みんなで変顔したりもします(笑)。
|
1|2 |
|
見ていると上戸さん&山口さんの女性コンビがツッコミ役となり、男性陣はいじられ役になっている気がします(笑)。
あれ、そうですか(笑)?やはり役柄と同じように強く凛とした女性でありたいなと思って、現場でも実践してるんです。あくまで役柄で、ですよ(笑)。
そんな高峰が、5話で今までにないほど感情を露わにした姿が印象的でした。
とても迷ったシーンでした。前シリーズとは作品としてのテイストが変わっている部分がありますし、その中で高峰としてどういう感情表現が最良なのかを考えました。高峰としてどこまでプライベートな部分を見せるのか、作品としてどこまで感情を表現すべきなのかは判断が本当に難しかったです。最終的には監督を信じ委ねることになりますが、母親として自分の子供への愛情がありつつも、どこかで一線を引いてギリギリのところでふんばる刑事としての強さも崩さないようにしたつもりです。
山口さんが感じるこの作品の魅力、また演じるうえで大切にしたいことを教えてください。
いろいろな事件と直面していると、"正義"や"正しいこと"ってなんだろう?と思うんです。もちろん警察として犯罪は許してはいけないし、犯罪者であり悪を捕まえることが仕事で、みんなそこに向かって必死で動いているんですが、5話の前島さんのように心の傷を抱え込みながら自分の正義を貫こうとした結果が罪を犯してしまったケースがあると、その罪が本当に悪なのかわからなくなりますよね。きっと正義や正しい答えは1つじゃないのかもしれません。少し大げさな表現かもしれませんが、事件解決後の問題提起と言いますか、ドラマが終わってもそうやっていろいろ考えさせられるのが「絶対零度」の変わらぬ魅力だと思います。高峰を演じるうえでは、どんな時も胸を張って凛として立っていたいという気持ちの一方で、正義や悪とはなんだろう?と揺れる気持ちも大事にしたいと思っています。
物語は後半へ突入しますが、高峰として今後の希望はありますか?
私もみなさんと一緒に潜入捜査してみたいです!3話で中原さんと小林高鹿さんがオタクファッションでメイド喫茶に潜入している姿が本当におもしろくて…。その後もいろいろな扮装をしていますが妙にハマっていたので私も扮装もしてみたいなと。どうせやるなら思い切った扮装がいいですよね!たとえばメイド喫茶のメイドとか(笑)。
|
1|2 |
|