白石は潜入捜査でずいぶんいろんな格好をされてますね。
そうですね(笑)。白石も頑張って捜査してるなと思ったり、自分もチームの一員なんだと改めて感じることができて素直に嬉しいです。やはり格好がいろいろ変わるので印象に残るらしく、いつもより周りの人からも「見てるよ」と声をかけられます。役者としても嬉しい限りですね。
1話につき2回くらいは変装しますよね。
僕は役を演じるうえで衣装をわりと大事にしている方で、前シリーズから白石の普段着はあえて少しくたびれた感じのするものを選んでいたんです。今回もそこは変わりませんが、なにせ衣装チェンジが多くて。シーンごとに「今回はこれです」と、次から次へといろんな衣装が出てくるので少しドキドキしてます。見ている方にも受け入れてもらえていればいいのですが(笑)。
前シリーズから1年経って、白石を再び演じてみていかがですか?
白石が人間として熟成しているように感じます。一方で、動きが多いぶん前シリーズより多少若返っている感じもあります。前シリーズで白石の基盤は作っているので入り込みやすかった部分はありますが、逆に時間が経過しているのに、前のまま演じてもおもしろくない。部署が変わり、瀧河など仲間も変わり、新しい現場になっているわけだから、またその中で一生懸命にやっている感じを出せればいいなと思っています。
白石と磯村の新しいコンビもおもしろいです。
なんだかいろいろ言われるんですよ。白石も負けじとツッコミ返してますけど(笑)。前回の師匠(竹林匠)との年齢差を感じさせないゆったりとした絡みも好きだったんですが、今回もまたおもしろいコンビネーションを出していければいいなと思っています。
捜査対象が"未解決事件"から"現在進行形"に変わったせいか、展開や映像のスピードが速くなっているように感じます。演じられて変化は感じますか?
確かに映像はスピーディーですが、それは監督のセンスや編集技術で、現場は意外と普通のスピードで流れているように思います。逆に前作は、セリフなど「もっと速く」と常にテンポアップを求められていて、演じるうえでは苦労しましたから(笑)。そういう意味では、今回は完全に芝居に打ち込める環境にあります。
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白石を演じるにあたり、大切にしていること、軸にしていることはありますか?
扱っている事件が"現在進行形"なので、とにかく捜査に走らなくてはいけない。自分たちが動くことで事件が未然に防げるかもしれないわけで、防がなくてはいけないという使命感は大切にしています。それゆえに、以前はベランダで盆栽に水やりをしたり、机で爪を切っていたようなほのぼのした動きはなくしました。もしかしたら現場にこだわってきた叩き上げの白石は、若い頃はこんな熱い勢いのある刑事だったのかなと思いながら演じます。捜査部分では中年のワイルドさを出しつつ(笑)、捜査指令が出る前の署内のシーンでは少しホンワカした雰囲気が出せればいいなと思っています。
「絶対零度」の現場に戻ってきたなと感じたのは、どんな時ですか?
スペシャルの時に4係のみなさんと会った時ですね。わずか1年しか経ってなくて、芝居的にはあまりブランクも感じなかったけど、みんなと会った時は同窓会のような懐かしさがありました。「さあ、これからまた楽しい日々が始まるぞ!」ってウキウキしましたから。もちろん、撮影ですから楽しいことばかりではないし、前シリーズだってきついなと思ったことはたくさんあったはずなんですが、不思議と終わってしまうといい思い出しか残らないんです。というか、すべてがいい思い出に変わるんですよ。だから今回も現場に入る前は楽しみで楽しみで。今また楽しいばかりではない現実と直面してますけど(笑)。でも、現場はみなさんと楽しく過ごせています。
今後、こんな扮装やこんな場所に潜入捜査したいという希望はありますか?
現実では絶対に無理であろう、暴力団の事務所など刑事ドラマならではのスリリングな場所に潜入してみたいなという気持ちはあります。映像にも展開にも相当な緊迫感がありそうですよね。逆に、キレイな女性に囲まれるような場所も素敵ですね(笑)。3話で行かせていただいたメイド喫茶は実際に見たのも行ったのも初めてでかなり驚いたし、おもしろかったんですが、そうやって自分の知らない世界を知れるのは潜入捜査の醍醐味の1つですね。純粋に僕も楽しみにしています。
中原さんが感じる、この作品の魅力を教えてください。
今のクールに限らず刑事ドラマはたくさんあるけれど、「絶対零度」には「絶対零度」にしかない独特の空気感と魅力を感じてます。一番はもちろん女優・上戸彩が、桜木泉という人物をとても魅力的に演じていること。そして、桜木をはじめ登場人物みんなが素敵に描かれていて、現場も仲良しの中にもなぁなぁにならずメリハリをしっかりつけてやっていること。そういう1つ1つのことが積み重なって、大きな魅力になっているように思います。この先、間をおきながら何年でも続けていける作品になればいいなと思います。白石の定年の話もいいですよね(笑)。
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