絶対零度〜未解決事件特命捜査〜

Interview vol.6
倉田工役 杉本哲太さん
倉田工はどのような人物だととらえていますか?
特命捜査室は創設されて間もない部署。当然、それまではみんなそれぞれ違う部署にいたわけで、クセのある面々を束ねまとめるのが倉田の係長としての仕事だと思っています。特に桜木に関しては間違った方向に進みがちなので、彼女の良さを生かしつつも正しい方に導いていこうとしていますね。桜木とは厳し過ぎず、優し過ぎず、長嶋室長とはまた違った距離感であり関係性を出していければいいなと意識しています。
厳しさと優しさを使い分けているんですね。
倉田を多面的に見せたいわけではなくて、状況や対する人によって対応が変わるのはごく当たり前のことだと思うんです。最初に監督とも倉田にもいろんな面があっていいんじゃないかと話して、大筋のキャラクター設定以外はふり幅の中でいろいろ演じています。
倉田の長嶋、白石、桜木とそれぞれ接し方の違いがおもしろいです。
白石さんとの関係性は本当に微妙ですね。所轄時代の先輩が今の部下って、倉田としても非常にやりにくいと思います。しかも、敬語はやめましょうと言ってるのに使ってこられたりしたら、そりゃあもう…本当に困っちゃいます(笑)。ただ、その戸惑い感もおもしろく映ればいいなと思ってるんです。ほかにも塚本に頼みごとをするシーンでは、倉田は塚本を喫煙室に呼び出すんですね。彼はたばこを吸わないし花粉症だから喫煙室の空気でやや弱らせてっていう、そんなちょっとずるがしこい一面もありました(笑)。
倉田は桜木泉をどう見ていると思いますか?
桜木は刑事らしくない刑事で、事件を素人というか普通の人に近い感覚で見られることが最大の強みなんです。4係が扱っているのは未解決事件で、それはつまり本職である刑事がすでに徹底的に捜査をしても解決できなかったということ。そこにピュアである彼女でしか発見できない“何か”があるかもしれない。だいたいが的外れだったり、とんちんかんだったりするけど(笑)、それでも桜木の視点で新しい面からの光が見えたり、これまでの捜査の定説や決まり事がくつがえるようなことがあるかもしれないと期待してるんです。もちろん本人の前では期待してるなんてことは言わずにひたすら叱咤してますけど、本当は頑張ってもらいたいなと願ってますね。基本的には上司と部下ですが、室長が父親のような存在だとしたら、倉田は親戚のおじさん的な感覚で見ているのかもしれません。
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