絶対零度〜未解決事件特命捜査〜

Interview vol.9
長嶋秀夫役 北大路欣也さん
ここまで演じてこられて、いかがですか?
この作品にたずさわるまで、実際に未解決事件を専門に扱う部署が昨年末に警視庁にできて、精鋭が集まって事件に取り組んでいらっしゃるということを知らなかったので、影で大変な苦労をされているんだと感心しました。さらに、普段ニュースで事件を見ている時には見落としがちだけれど、被害者遺族や関係者の方もいらっしゃるわけで、世の中にはいろんな人生を背負っているんだなと新たに確認できました。特命4係は、そういった迷宮入りしそうな事件を再捜査して、被害者遺族の悲劇を消えないようにしてあげることに全身全霊をかけて働いている。その姿はとても共感します。
特命捜査班において、長嶋の役割はなんだと思いますか?
自分が前面に出ることはなく、メンバーに絶対の信頼をおいて任せています。時々、様子を見ながら軌道修正しつつ捜査に参加している形ですね。
北大路さんは、長嶋はどのような人物だととらえていますか?
劇中でのセリフにもありましたが、長く刑事をやっている人には多かれ少なかれ心の傷がある。長嶋にとってはそれが「杉並事件」で、発生当時に解決できなかったことを背負ってきた人なんです。捜査一課での出世できる道を自ら絶って、捜査が継続できる道に回った人なので、表には出さないけれど熱いものを感じますね。
演じるうえで意識されていること、大切にしていることはありますか?
桜木は刑事らしくない刑事で、事件を素人というか刑事ドラマですし、描かれる事件自体が非常に重いものが多いですが、僕はあえてそこを超えた"人の働く姿"をしっかり見せられればいいなと意識していました。もちろん事件解決までの経緯も大事ですが、個性あるメンバーたちがどう事件とかかわっていくのかもしっかりと見せたい。たとえば、不真面目にみえて中身は熱いとか、のんびりしているようにみえて芯が強いとか、そういう個々のスタイルがうまく出るといいなと思ってました。働いてる姿は人が生きている姿であり、それが最終的には事件の悲しみを解き放つきっかけになればいいなと。長嶋個人としては、いつも自然体でフワっとした柔らかい雰囲気を意識していました。自然体に見せるというのは今まであまり経験がなく、僕には難しい芝居でした(笑)。
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