NONFIX過去放送した番組

富士山のふもとに広がる広大な森“青木ヶ原樹海”。


ほぼ山手線内の面積に匹敵する規模のこの森は、ある時からずっとネガティブなイメージを持たれ続けてきました。
しかし、この森をそんなイメージにとらわれずにフラットな目で見ながら歩いてみれば、そこには一体どのような風景が広がっているのでしょう?


青木ヶ原樹海は、平安時代中期に起きた富士山近郊の山の噴火をきっかけに流れ出た膨大な溶岩の上に形成された森。
およそ1200年の時を経て、少しずつ堆積した土壌の上にツガやヒノキなどの針葉樹が繁茂するようになったのですが、今後は少しずつブナやナラなどの広葉樹の森へと移行していくと言われています。
つまりは、広葉樹の森=普通の森へと移行するプロセスにある若い森が、
青木ヶ原樹海で、このような針葉樹に覆われた森は国内にここ以外存在しないのです。



そんな森を、2014年の夏と秋、20歳の女優・清野菜名(せいの・なな)が歩きました。
苔むした森に立つ針葉樹を見上げながら、遊歩道を外れれば迷ってしまいそうな空間を歩き進む中で、
彼女はそこに生きる動植物のにおいを嗅ぎ取っていきます。
森の中に突如現れる広大な風穴の内部にも入り、一年中0℃くらいの温度に保たれている不思議を体感する中で、
若い森が生き続けている空気を体感していくのでした。
青木ヶ原樹海の中でなりわいを得る人たちとの出会いも通して、
この特別な森にかけがえのない思いが芽生える―
番組を見る人にもきっと、彼女が抱いた実感のいくらかは伝わっていくに違いありません。

■出演・語り 清野菜名
■ディレクター 西原孝至
■構成・演出 浅井裕太郎
■編成企画 村上正成
■プロデューサー 藤原努(ホリプロ)