NONFIX過去放送した番組

「オタク」
辞書を引くと「ある事に過度に熱中していること。また、熱中している人。」とある。
メディアにたびたび登場する彼らは、その容姿や行動から、いつも奇抜さ、奇妙さが目立つ。
彼らは、本当は何を考えているんだろう。
ある日突然興味がなくなることってあるんだろうか?
その時、彼らに何が残るんだろう?そんな疑問から、私はオタクを追いかけた。

まず私は、オタクの祭典と言われるコミックマーケットに足を運んだ。
アニメやマンガ、ゲームを題材にした同人誌を売り買いするマーケットだ。
3日間で約55万人もの人が集まる。東京ドームの集客数の10倍以上だ。
ものすごい熱気の中、私はある事に気が付いた。それは、女性の人数が多いこと。
彼女達に話を聞くと、面白い発見があった。自分達の事を腐女子と呼び、男性同士の恋愛を扱った同人誌を買っている。いわゆる「ボーイズラブ」や、「やおい」と呼ばれる作品だ。興味を持って調べると、市場は120億円もあった。

なぜ男性同士の恋愛マンガにそこまではまれるの?
腐女子って、何が腐ってるの?
腐女子のその先に何があるのか、見つけようと思った。

同人誌を10年以上書き続けている逢月ゆうやさん

彼女が書く同人誌はやおいと呼ばれるジャンル。
既存のマンガやアニメのキャラクターを想像で恋愛させるという。
では、なぜ男性同士じゃなきゃいけないんだろう?

大学生の佐々木まりなさん(21)

1日2作品もボーイズラブを読むという筋金入りの腐女子。
ボーイズラブは、男性同士ゆえのタブーを乗り越えようとする純愛を描いている。そこに“萌え”を感じるのだそうだ。

都内でコンサルティング会社の事務をしている酒巻絵美子さん(27)

西洋の男子高をイメージしたカフェを企画。お店の主役は男子高校生を演じるウェイター。酒巻さんは彼らを使い、お客の妄想をかき立てようと、細部にわたって演出する。
彼女の思いはお客に伝わるのだろうか?
オープンまでの舞台裏に密着した。

結婚しても、ボーイズラブを読み続けるというよりこさん(32)

よりこさんがボーイズラブを読み始めたのは中学の頃だが、高校に入ってから結婚するまで、読まなくなった期間があった。
その理由を尋ねると「読まなくなったのは、恋愛してたから。」だと言う。
よりこさんの結婚観を探ると、腐女子の生き方が見えてきた。

ゆうやさん、佐々木さん、酒巻さん、よりこさん。
腐女子といっても当然、環境も考えも違う。
半年間の取材を通し、彼女達の未来に新しい生き方を見つけた。