NONFIX過去放送した番組

94年にロシアからの独立を目指して始まったチェチェン紛争。すでに10年の内戦状態は泥沼化し、自爆テロを行った女性は42人に上る。

「なぜチェチェン女性が自爆テロリストになるのか?」
自爆未遂した女性の極秘インタビューが、知られざる彼女たちの素顔を明らかにする。
告白するのはザレマ・ムジャーホエワ(25歳)、現在はロシア国内の収容所に暮らす、生き残った元自爆テロリストである。

チェチェン女性が自爆テロを行う理由は「イスラムの聖戦」でも「殺された家族の復讐」でもない。貧しい封建的な社会で生きる場所を失った「絶望の選択」である、とザレマは語る。恋愛や家庭、借金など些細なトラブルが、女性を社会的に抹殺する。「一族の恥」とされた者は家族からも見放される。武装勢力はこうした女性を見つけ出し、洗脳してテロに利用してきた。

「天国に行けば幸せになれる」と信じる不幸な女性。一方で一族の男たちが受け取る命の代償は1,000ドルに過ぎない。女性テロリスト誕生の背景には、チェチェン社会の女性の立場が色濃く反映している。
ザレマは「不幸な女性が無くならない限り、女性の自爆テロは続く」と訴える。

番組では、ザレマの裁判映像とインタビュー、チェチェンの現地取材、ゲリラ活動の実態を描き出す未公開映像などを織り交ぜ、女性の立場から見たチェチェン紛争の「もう一つの真実」を描く。

■制作会社
ラーニングビジョン
■プロデューサー
小澤眞人
■ディレクター
奈加充