NONFIX過去放送した番組

【企画趣旨】

 憲法が発布されてからおよそ60年。長い歴史を経て憲法は現実との間で徐々に整合性が取れなくなってきた、と言われて久しい。今、戦後初めて国会レベルで改正論議が進行。各政党も今年から来年に掛けて改正案を続々と発表する予定だ。新聞各紙の世論調査でも多くの国民が改正を支持している。

 今回、憲法の置かれた現状や憲法そのものを見つめる事で、少しでも多くの視聴者に憲法を考える機会を提起できれば、という考えのもと、シリーズで幾つかの条項に迫る事にしました。そもそも条項の裏にはどんな思いがあったのか?どんな事実があったのか?政治に無関心と言われる世代のディレクターは今をどう見るのか?何が議論になっていてどんな意見があるのか?教科書的な番組に終わらせないように様々な手法、角度から色々な考え方を提起し、議論のきっかけになれば、と考えております。

【番組内容】

 共働きのディレクターが妻の余りの強さに男女平等について考え始める。
 そもそもこの男女平等について憲法に盛り込んだのは誰なのか? どんな理由なのか?
 歴史を紐解くと、ベアテ・シロタ・ゴードンさん(81歳・NY在住)がその生みの親だった。アメリカでさえ女性の権利が弱かった時代、何故彼女はこれを盛り込んだのか?
 戦前、子供時分に日本で暮らした経験のあるベアテさんはお手伝いさん・沢辺美代さんから日本の女性について話を聞いていた。女性に権利は全く認められていなかっただけでなく男にかしずく存在でしかなかった立場、家父長制度の末端をささえる位置づけでしかなかった日本の女性のために、20代前半の彼女は男女平等を盛り込んだ。曰く「感情で書きました」。沢辺さんの家族の証言を通して当時のベアテさんの心情を探る。
 改憲派の意見は「今の家族崩壊は憲法24条にある。日本の家族を立て直すためにも今の憲法では足りない」。改憲派の目指す理想の家族像とは?
 24条の裏に隠された秘話を探る歴史ドキュメント。