白線流し

★staff comment

大変だったのは、東京に帰れなかったこと。連続ドラマの撮影期間は約6ヶ月。通常1クールのドラマの倍の撮影期間なのに、なぜか1日の撮影時間は変わらなく、毎日びっちりのスケジュールだったので、ほとんど家に帰れませんでした。撮影が終わったあとの食事とお風呂が楽しみで、特にお風呂は24時間入れる場所があって、どんなに寒くても、どんなに疲れててもお風呂があるぞって思いながら頑張ってました(笑)。でもそれが、結果的に芝居、景色ともに素晴らしい作品につながったのでとても満足しています。 そして、その滞在期間が「白線流し」には欠かせない、松本の方々との交流につながったんだと思います。お願いしたわけではなく、自主的に「寒いでしょ」と温かい豚汁を差し入れしてくれたり、役者のスタンバイ用に部屋を提供してくれたり、自家製の野菜を持ってきてくれる方もいて、地元の方の温かさに何度も励まされました。「白線流し」は、松本の方々に愛されてできた作品でもあるんです。

あれから10年が経ちましたが、キャスト、スタッフともに2年おきに会っているせいかあまり実感がなかったのが正直な感想です。今回で最後になると聞き、改めて10年という時間を考えてみると、いつも変わってないなと思っていた7人もやっぱり変わっていて。当たり前だけど、ちゃんと大人になってるんですよ。会話にしてみても高校生の頃はあそこのご飯が美味しいとかそんな話ばかりだったのに、今はスケジュールの話やたまに「人生とは?」なんて話題になったりもする。芝居に関しても、言葉には出さなくてもすべてがわかっていて、彼らの「白線流し」に対する思いが強くなっていることが伝わってくるんです。それが10年の歴史なのかなって思いました。
「白線流し」最後の作品。もちろん本作だけでも充分に楽しめますが、時間に余裕がある方は、ぜひ連続ドラマからの作品を見てほしいです。そして、彼らの成長、変化を存分に楽しんでください。

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