白線流し

★staff comment

僕が「白線流し」で思い出すのは、やはり連続ドラマの撮影の時。当時、園子と同じ高校3年生だった酒井さんは、学校と仕事の両立で本当に大変そうでした。松本にずっと滞在していたため、その日の授業のノートを友達にFAXで送ってもらいながら一生懸命勉強していた姿が印象的です。テストになると、撮影が終わると東京に帰り、学校が終わるとまた松本に戻ってくる…という生活を繰り返してました。そんな酒井さんを含め、若い彼らが半年も松本に拘束状態だったわけですから、7人にとっては精神的にも大変だったと思います。でも、それがスタッフや松本の方たちとの交流にもつながり、「白線流し」がいい作品になったプラスαの要素なのかなとも思います。今も7人と松本の方との会話を聞くと、地元の人かと錯覚するくらいですから(笑)。

今作では渉と園子が再会する飛騨高山のシーンでクランクインしたんですが、「本番」の声ですぐ渉と園子に"なる"2人を見て改めて驚きました。直前まで、世間話をしながら笑っていたのは長瀬くんと酒井さんだったのに、瞬間的に渉と園子に変わるんです。それは他の5人も一緒で、ずっと見続けている僕でもすごいなと感じます。前作からだって2年の間があるのに、それもしっかりと埋まっている。みんな時間を飛び越えて役になるんだなって思いましたね。もちろんお芝居なんですが、みんなあまりに自然すぎて芝居じゃないような気がする。ドラマなのに、渉や園子たちの人生のドキュメンタリーを見ているようです。

「白線流し」にたずさわって10年。僕にとって、この出演者とこのスタッフにめぐり会えたことは最高の財産です。家族のようで、仲間のようで、お互いがわかり合えて気を使わずにいられる場所。それが「白線流し」ですね。

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