#134 スタッフからのメッセージ
■コルシカといえば栗。栗といえばコルシカと言うくらい、コルシカ島と栗は切っても切れない関係です。というのも、栗は昔からコルシカ島に住む人々にとって主食とされてきたものだからです。険しい山々が連なるコルシカ島は平地が少なく、裕福な土地ではなかったため、小麦栽培が難しい土地でした。しかし、山の中にはたくさんの栗の木が自生していました。そこで小麦の代用としてこの栗を乾燥させ、粉にしたものを食べていたのです。これをパンにしたり、クレープにしたりお粥にしたりと、実に様々な料理を作ってきました。それは徐々に小麦の代用品ではなく、立派な一つの食材としてコルシカ島を代表するものとなったのです。今では栗の粉を使った製品も数多く作られています。一番人気はクッキー。フランス本土では殆ど見かけない栗粉のクッキーは島の中でしか味わえないものなので、お土産には最適とのこと。味の方は甘さ控えめでちょっと固め。ほんのりと栗の甘さが伝わってくる素朴な味。そして、次いで人気のマロングラッセは私が今まで食べた中で一番美味しいものでした。栗の真髄ともいうべき栗の味、甘さがはっきりと分かる味。栗の美味しさを改めて感じました。
しかし、商品になっている栗の人気があるのは勿論のこと、島の人々はやはり栗粉を使って料理を作るのが一般的。スーパーやパン屋さんなどで町の人々は栗粉を買って行きます。今回作っていただいたプレンダは栗粉と水さえあれば出来てしまうとってもシンプルなもの。これだけで果たして美味しくなるのか?と不安のスタッフを他所に栗工場の方は「最高に美味いから待っててくれ」とかなりの自信。料理が始まると、鍋を火にかけ水を少しずつ加えながら力を入れて練っていきます。「力を入れて練らないと美味しく仕上がらないんだ」とおっしゃる皆さん。そんな力入れなくてもいいんじゃないか?と思われるほど、最初は机の上で練っていたのが、そのうち床に下ろし、全身の力を使って練るわ練るわ、30分以上は練っていたのではないでしょうか。すると、栗粉がもちもち、つやつやしたプレンダに出来上がったのです。栗のほのかな甘い香りが部屋中に広がり、食欲をそそります。このプレンダは目玉焼きとコルシカ島特産ブロッチュチーズ(#131参照)を添えて頂くのが定番。そして傍らにはワインを…。撮影が終ると、皆さんはギターを取り出し、コルシカ島に古くから伝わってきた歌を披露してくださったり、日本語を教えてくれよ、と言われたりしてとても充実した時間を過ごさせていただきました。

[0]もどる

(C)フジテレビジョン