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東日本大震災から2年
報道特別番組と連動し「心のケア」をテーマに緊急市民シンポジウムを開催

[2013年3月12日更新分]

スペシャルコラム

余り知られていないが、1995年の阪神淡路大震災では2年後に孤立死や自殺を含む震災関連死が増えた。ガレキは撤去され、見かけの復興は進むが、被災者にとって失われた家族は永遠に還らず、住居も仕事もままならない。そんな中で、悲しい結末となったのだ。


「緊急シンポジウム・
21世紀のこころのケアを考える」
(フジテレビ22階フォーラムにて)
司会は島田彩夏アナ
東日本大震災は行方不明者が多く、今だ死に直面できていない方が多い。更に範囲が広汎な上に、耐え忍び、ガマンをすることを美徳とする土地柄から心のメンタル・クリニックに罹る方が少ないという。こうしたことから、阪神淡路大震災以上に2年目から犠牲者が増えると警鐘を鳴らす識者は多い。
フジテレビと日本トラウマティックストレス学会(JSTSS)は予想される悲劇を少しでも食い止めようと今回、緊急の市民シンポジウムを共催した。

冒頭フジテレビの笠井信輔アナが発災直後から現場に入り、体験した悲劇について講演。そして、自らがPTSD的な症状を体験し、それをカミングアウトするまでの葛藤の日々を語った。会場の参加者からは嗚咽が漏れた。

笠井信輔アナによる
イントロダクション講演
自らの症状を記録した
貴重なムービーを紹介


第一部ディスカッション風景
(左から加藤寛先生と福地成先生)
「みやぎ心のケアセンター」の福地成さんは仮設住宅等への巡回訪問を続け、心を病みながらそれを耐え忍んでいる方に耳を傾ける、地道な医療活動を報告された。自ら診察の門を叩こうとしない方をどうやってケアしていくか、大変ご苦労な仕事だと感じた。


第2部ディスカッション風景
(左から前田正治先生・堀有伸先生・
小西聖子先生)
南相馬市に唯一残ったメンタル系の病院「雲雀ヶ丘病院」の堀有伸さんは慢性化したうつ病患者の治療に取り組む中で、薬物療法が有効でない領域での「人と人のかかわり」の大切さを強く意識するようになったという。また「みんなのとなり組」というNPOを立ち上げようとしておられ、住民らと一緒になってメンタルヘルスの問題に取り組んでいる。精神科の範疇を超えた活動で、大変な労力が要る仕事と推察した。

また、「兵庫県こころのケアセンター」の加藤寛さん、「武蔵野大学」の小西聖子さんはともに被災者をケアする側の「支援者」のこころの問題を取り上げた。確かに、消防、警察、自治体職員、医療関係者などは職務として不眠不休で、支援に従事し、その過程で甚大な辛苦を経験された。一見忘れられがちな、こうした「支援者」のケアが大切で、それがきちんと出来ないと、「被災者」の支援も十分できないことがよくわかった。


前田正治・JSTSS会長
更に「日本トラウマティックストレス学会」の前田正治会長は「曖昧な喪失」という概念を提示された。今回の津浪で行方不明になったまま、帰らない肉親。その「死」に直に向き合えないがために、「死」に直面した方とは違った「曖昧な喪失」感に苦しみ、悲しむ方が多いという。こうした方のケアはどうするべきなのか新たな課題が浮上した形だ。


総合討論
とかく報道というポジションでは、新しい局面に関心がいく。見た目の復興話に取材が傾きがちだ。しかし、依然、多くの被災者・支援者が苦境にあり、適切な手当がなされるべきだということ、また顕在化していない被災者・支援者の大きな問題も横たわっていることが今回のシンポジウムで明らかになった。
本当の「復興」に向けて、まだまだ課題は多く、報ずべきテーマは多いと実感した。

また、このシンポジウムと関連して、地上波でPTSDに関する2時間のドキュメンタリー番組「0311、知られざる心の闘い」を制作、筆記療法やトラウマと向き合う療法等を通してこころの病から立ち直ろうとする方々を描いた。(2012年3月6日13:30~15:30放送)
更に、0311当日にはBSプライムニュースでも心のケアをテーマに前述の小西先生や堀先生を招いて徹底討論した。

文:岡田宏記(フジテレビ 報道局)

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