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2008年度番組活動トピックス

『グレートジャーニー』15年の旅で見た環境破壊

[2008年4月4日更新分]

『グレートジャーニー』プロデューサー 髙橋和男緊急コラム


探検家・医師関野吉晴さん(59)
© YoshiharuSekino
(2008年3月21日放送)
ドキュメンタリー番組『グレートジャーニー』は、アフリカで人類が生まれ南米まで拡散したルートを逆方向から10年がかりで遡るという探検家・医師、関野吉晴の旅です。

ルールはひとつ、動力に頼らず自らの腕力と脚力のみで(時には動物の力を借りて)移動すること。1993年12月から始まったこの旅は、昔ながらのやり方で自然と暮らす人々との出会いを紡いできました。

アマゾンのマチゲンガの人々、森で暮らす裸族ヤノマミの人々、極寒のアラスカで暮らす海洋民族、極東シベリアのチュクチの人々など、厳しい自然の中で暮らす人々ほど物に執着せず気持ちよく歓待してくれました。そういった彼らの優しさに、私たちはいつも驚かされます。一方、地を這うように移動するこの旅は、残念ながら“地球が壊れていく”現実を目の当たりする旅でもありました。

南米ボリビアにあるポーポ湖。1990年に関野が訪ねた時は琵琶湖の4倍もある湖で10万羽のフラミンゴが暮らす楽園でした。ところが僅か4年後の1994年に再訪すると生命の痕跡はなく完全に枯れた大地と化していて、漁師たちは井戸を掘って暮らしていました。


ポーポ湖 1994年
© YoshiharuSekino

ポーポ湖 1990年
© YoshiharuSekino


ポーポ湖 1994年
© YoshiharuSekino
ペルーのチチカカ湖は生活排水のためアオコ(藻)が発生し、水面は全面が緑色に変色していました。





ポーポ湖 1994年
© YoshiharuSekino
モンゴルは雪害と乾燥により草が枯れ、牛、羊、馬などの家畜が死屍累々としていました。




レバノンではレバノン杉の森が伐採により消滅し、文明が滅びる歴史を目の当たりにした旅でした。今、ようやく裸の大地に植林が始められています。

『グレートジャーニー』の新シリーズ『日本人の来た道』でも数々の現実を目にしました。サハリンでは石油パイプライン建設のため森林が伐採され、毛皮を獲ってひっそりと暮らしていた人々の生活が壊されていました。今回の旅では、メコン河の上流・中国の雲南省だけでも14のダムが建設され、又、流域全体で森林が伐採された影響もあり、魚が獲れなくなっていました。漁のシーンを撮影するつもりでしたが全く叶いませんでした。

こういった地球環境破壊の現実を、私たちは番組の中で声高でなく旅の移動と共に伝えて来ましたが、それはまさに関野氏の“動力に頼らず自らの腕力と脚力のみで移動する”『グレートジャーニー』だからこそ見えたのでしょう。

この15年間私たちを優しく歓待してくれた、厳しい自然の中で生きる人々の現在を思わずにいられません。

文:髙橋和男(フジテレビ『グレートジャーニー』プロデューサー)

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