「あいのり募金」をご存知ですか?
[2007年8月1日更新分]
西山仁紫プロデューサー(フジテレビ バラエティ制作センター)緊急コラム
あいのり学校エチオピア校
ラブワゴンで世界を旅していると、あまりにもたくさんの人が貧困と闘っていることを思い知らされます。年間1500万人もの人が飢餓が原因で亡くなっているんですね。「貧しい国の人は怠けていて働かないから?」「子どもを作りすぎるから?」「干ばつなど気候の問題なのでしようがない?」・・・そうじゃないんです。一番の原因は、貧しい人はいくら頑張っても報われないという経済システムができあがっているからなんですね。そしてそれは、私たち先進国の人間が作り出したもの。私たちの豊かな生活は、貧しい人たちを踏み台にして成り立っているんです。
番組を通じて世界の現状に接していると「平等っていったい何だろう?」って思います。
「平等」って素敵な言葉だけれど、すべての人が平等な社会は、残念ながら幻想なんですね。人種も違う、性別も違う、顔も性格も能力も違う。人はひとりひとり皆違うのに、「人類はみんな平等」というのは現実的じゃない。
どこかの国が掲げている「自由と平等」というスローガンも、よく考えてみるとこんなおかしい表現はない。人間を自由にすれば、皆勝手なことをやってどんどん格差ができ、平等ではなくなってしまう。市場主義経済を推し進めた国では、現実にどんどん貧富の格差が顕著になっているわけですから・・・。
反対に、本当にすべての人を平等にしようとすれば、自由を束縛するしかない。「自由」と「平等」は決して共存できないのかもしれません
こうして考えると「平等」って本当に難しい。でも、すべての人が平等な社会は無理だとしても、私たちの力で、少しだけでも「平等」に近づけることはできないでしょうか?貧しい人たちだって、人間として最低限の尊厳を取り戻し、健康で夢のある生活を送る権利はあるはずです。
3年前始めた「あいのり募金」。皆さんのご支援のおかげで、この秋には5校目の「あいのり学校」がネパールに開校する予定です。 現在あいのり学校で学んだ子どもたちが将来、その国の未来を変えてくれるのではないか、そして「世界の格差」を少しでも縮めてくれるのではないか、と願っています。そうなれば、地球に住む私たち人類が、ほんのちょっとだけ「平等」になるかもしれません。
これからも番組が続く限り、世界中にあいのり学校を作っていくつもりです。
文:西山仁紫(フジテレビバラエティ制作センタープロデューサー)