FNNスーパーニュースWEEKEND(土曜・日曜 17時30分~18時00分放送)
『地球に優しい焼酎作り』(遠藤玲子のNEWSコンシェルジュ)
(2007年7月21日放送)
7月にはいって焼酎メーカーが次々と値上げしています。そんななか、あるメーカーはエコロジカルな工夫によって、値上げを回避しているそうです。そのエコロジカルな工夫とは?
焼酎値上げの原因は、原油高による燃料費や、原料価格の上昇などがありますが、最大の理由は・・・これまで焼酎かすは、東シナ海などの『海』に投棄するケースが多かったのですが、海洋汚染防止法が今年4月に改正されて、船舶からの廃棄物の投棄が原則禁止されたのです。
焼酎1本を作るのに約2本分の焼酎かすが出るのですが、これを海に捨てずに処理しなければならなくなりました。焼酎かすは95%が水分、原料のかすなどが5%と、水分が多いのでやっかいなのです。
そんななか、今までどおりの値段で販売するメーカーが。ここでは、早くから焼酎かすの処理施設を作ってきたので、新たに費用負担が増えることはなく、今回値上げを回避できたのです。
さらに、その処理技術がとってもエコロジー。焼酎作りの「発酵」の過程では、麹菌によって熱が出ます。その発熱を逆に利用して、焼酎かすの大量の水分を飛ばすという仕組みなのです。しかも、こうして乾燥された焼酎かすは、家畜のエサとしてリサイクルされているのです。
この処理システムは、現在、九州で約20社の酒造メーカーが採用しており、今後、さらに広がりが期待できそうです。