<第4回> <第5回> <第6回>


<第4回>
 病室で寝ているはずの美咲(須藤理彩)がボイラー室で死んでいるのを安藤(岸谷五朗)は発見した。その時、病室の美咲は、久美子(野村佑香)を振り切って逃げ出した。安藤と久美子は中庭に佇む美咲を見つけたが、美咲は安藤に襲い掛かってきたが、突然苦しみ始め、絶命する。美咲は中庭に咲いていた花の花粉に対して強度のアレルギーだった。本当の 美咲なら決して近づくことはない。本来ならあるはずの腕の傷もなかった。ということは、ボイラー室の死体が本物の美咲だろうか。しかし、死体はすでに消えており、安藤は刑事たちに証明のしようもなかった。
 安藤は夏美(吉本多香美)に「美咲が産み落とした子供が、あの偽の美咲ではないか。謎のディスクの目的は、呪いで妊娠させて生まれ変わることではないのか」と推理を語る。
 葬儀会場近くに舞(矢田亜希子)がやって来た。舞は「ディスクは山村貞子が再生の念を刻み込んだに違いない。テープもディスクもどちらも簡単にコピーが作れる。ディスクを取り戻してくれ」と安藤に懇願した。
 一方、対立する科学者・笠原の妻の焼死を“予言”した「ノストラダムス研究家」河合(升毅)はテレビ局のディレクター高村(及川麻衣)のインタビューを受け、「死者が蘇る」と不吉な言葉を発した。
 夜になって久美子のもとへ不審な電話が架かってきた。「美咲の死の真相は挟戸村へ行けば分かる」と電話の主はそそのかした。挟戸村は「死者再生の儀式」が行われる村だった。翌朝、久美子は村へ向かう。その話を登校してきたクラスメイトに聞き、困惑する安藤。あわてて夏美に連絡を取る。
 夏美は、その村についてデータ検索してみた。すると、その村では、1ヶ月前にある屋敷の離れから出火し、同時に5人の死体が発見されていた。法医学の研究者・織田(田辺誠一)に尋ねると、4人は死因が分からぬほど焼けただれ、一人は心臓麻痺、さらに火事の原因はパソコンのショートだと教えてくれた。夏美の上司・陸田(内藤剛志)は「君が動けば動くほど被害者が増える。君の知らないうちに、その誰かに手を貸しているんだ」とたしなめる。
 村を探索する久美子は、死者再生の言い伝えのある神社の境内で急に倒れてしまう。倒れている久美子を発見した遺伝子農学者・今西の連絡で安藤が迎えに来る。今西は、自分の研究を二人に紹介する。彼は稲のDNAを解析し、遺伝子組替えで強い種を作るイネゲノム研究の権威であった。
 二人が帰途につこうとしていると、村に夏美も訪れる。夏美は「この村がディスクの出所ではないか。1ヶ月前にグリーンタワービルと同じ事件が発生していた」と言う……。

<第5回>
 死者蘇生の儀式が行われるという挟戸村の神社で、安藤(岸谷五朗)と夏美(吉本多香美)は、村人に拉致されてしまった。小さな小屋に監禁されるが、何とか逃げ出すことに成功する。小屋から出た夏美は、杉崎家の庭に立つ泥まみれの竹雄(問田憲輔)を見つけ、悲鳴を上げる。死んだはずの竹雄が生き返ったのか?その時、村人に気付かれた二人は必死で車にたどり着き、発進させる。
 ドライブインで一息つく二人。夏美は、蘇生儀式にはトリックがある、と考える。クローンではないか、と言う安藤に「クローンは元の年齢に達するのに同じ時間かかる」と否定する夏美。安藤は、死んでしまった息子のことをつい思い出してしまう。夏美は科捜研に調べを頼むが、死体は本物だったことが分かる。ただ、竹雄は、ある轢き逃げ事件で、一緒に死んだ4人に脅されていたフシがあることも明らかになる。なにか裏があると踏んだ夏美は、村の科学者・今西(陰山泰)に相談しようと言う。
 そのころ、「リング事件」の生き残りである舞(矢田亜希子)は、科捜研に夏美を訪ねた。もちろん夏美は不在で、対応に出たのは陸田(内藤剛志)であった。舞は仕方なく陸田に話し始める。
 「実は大島に葬られた山村貞子の遺骨が入った、墓が暴かれ、持ち出された。誰かが封印を解いたのだ。そこを知る者は、事件関係者しかいない」と訴える舞。「つまり警察関係者ですね」と応える陸田。その顔は謎の笑みを浮かべていた。
 一方、今西の研究所に着いた安藤と夏美は、留守のためそのまま中に入った。そこには、不思議な研究資料が残されていた。稲が半年で10世代も交配されているのだ。写真資料に、稲の苗に手をかざす今西の姿が写っている。そこへ現れた今西。今西は落ち着いて言う。「死者が生き返ることは信じられませんが、事実です。科学では説明できないことがあるのです。早く東京に戻りなさい」と諭す。その時、暗闇に人の気配が。銃を持つその男と格闘になる。今西が銃を取り上げる。安藤が組み伏せると、その男は竹雄であった。竹雄が、今西に向かって「あの死体のことをしゃべったのか」と問い質そうとした瞬間、今西は竹雄を射殺してしまうのだった……。

<第6回>
 「呪いのディスク」を開けようとするテレビの生番組が始まった。が、パスワードを打ち込んだ瞬間にテレビ局のパソコンがすべてダウンしてしまった。安藤(岸谷五朗)と夏美(吉本多香美)は、テレビ局に押しかけディスクを取り戻そうとするが、すでに紛失したと言われる。なぜ、テレビ局はディスクの中身を放送しようとしたのか?安藤は貞子がすでに生まれ変わっているのではと感じていた。夏美はこれらの謎はすべて、封印されていた廃屋の研究所にあると思い、研究所に向かう。
 そのころ、ノストラダムス研究者・河合(升毅)は、予言によって妻を“殺さ”れたと信じ込んでいる物理学者・笠原(大河内浩)に銃で「いつか殺す」と脅されていた。
 研究所を訪ねた夏美は、入り口で不思議な少女を見掛ける。その少女の後を追い近くの小学校の中に入ると、月のような黒字に白い円を描いた子供の絵がずらりと飾ってある。教師によると4ヶ月前、一斉に子供たちが描いたと言う。医大の織田(田辺誠一)に相談に行くと、同時期に失踪した少女が治療の折、描いた絵と同じだった。その少女は、夏美が研究所で見た少女だった。
 安藤と夏美は、その少女の家を訪ねた。母親によると、その少女の名は亜美(大島優子)で、双子の妹・里美(大島優子・二役)はショック死による死体で発見された.、亜美は記憶を失ったままらしい。さらに、研究所の血まみれの部屋に残されていた人形は里美のものと分かった。
 亜美に話を聞こうとするが、人形を抱きしめるだけで答えようとしない。しかし、すこしずつ震え始めた亜美は、「突然出てきた。誰も止められない」とがくがくと震え叫んだ。その時、テーブルのコップが動き、棚の絵が落ちてきた。その絵を見た安藤は息を飲んだ。それは「井戸」の絵であった。「月」と思ったのは、底から見上げた井戸の絵だったのだ……。


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