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<第10回> 「対決」
 警察から釈放され、部屋に戻った塔子(松嶋菜々子)。そこにはワインのラベルの裏に書かれた久松(及川光博)のメッセージを読み終えた英器(竹野内豊)がいた。英器からボトルを差し出され、読むうちに、血の気が引く塔子。そんな塔子に英器は、男達を死に追いやったのも、苑恵(木村多江)や七海(片瀬那奈)を殺したのも塔子の仕業だったのではないかとたたみかける。
 「なら、私から離れなさいよ。同じ目に遭うわよ」言い返す塔子。だが英器は塔子から離れられない。「今、俺が言ったこと全てが間違いだと言って欲しい」と絞るような声で訴える。それが英器の本音だった。
 すると塔子は、これまでの男達とのことをすべて話し始めた。桧山(谷原章介)のこと、柴田(山路和弘)のこと、そして久松のことを。皆、塔子を狂おしく愛し、生命保険を解約した後、この世から去っていった・・・。
 両親を含め、自分の愛する人がことごとく消えてしまうことを恐れる塔子は、英器に言う。「お願い、あなたまでいなくならないで」「生きて欲しい。生き抜いて、私を愛して欲しい」。その訴えに打たれ、塔子を抱き締める英器。
 翌日、英器は桧山の仕事仲間の稲本(樋口浩二)の元を訪ね、桧山のネガフィルムを見せて欲しいと頼んだ。塔子以外の桧山の交友関係を洗うためだった。稲本は桧山のことを、プライベートな写真を仕事用のカメラで撮ったりはしないと言ったが、それでも英器は食い下がった。
 やがて、目が疲れてきた頃、英器の目に一枚のネガフィルムが飛び込んできた。そこには一人の人物が写っていた。
 英器は激しい衝撃に襲われる・・・。

<第11回> 「愛するということ」
 英器(竹野内豊)は生命保険を解約した。これで英器が殺害される条件は整ったわけだ。保険証券を燃やしながら英器は塔子(松嶋菜々子)に「やり直しの出来ない人生で、人間は何を拠り所にして生きていけばいいんだろう?」と尋ねる。「私には・・・あなたしかいない」という塔子の言葉に英器は塔子を抱きしめた。
 一方、倉本管理官(遠藤憲一)は、江木塔子が恋人が命を金に換算して自分に差し出したときに殺意が芽生える異常性格犯罪者であるという見地から、現行犯逮捕を目指していた。烏城(仲村トオル)は歯痒い思いで捜査会議を見つめるしかない。
 やがて英器の元に犯人から連絡が入る。「始めるぞ。」
 英器が、そして塔子が相次いで車をスタートさせる。警察の覆面パトカーも一斉に追跡を開始した。その包囲網の中には、烏城や月子(内田有紀)の姿もあった。
 町田南署の捜査本部には英器と塔子の車の現在位置が刻々と入ってくる。
2台の車はルートは違うものの、久松(及川光博)が死んだ金沢へ向かっていた。


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