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<第7回> 「恐るべき抱擁」
 塔子(松嶋菜々子)の元に送られてきた携帯電話がなる。 
「この携帯電話が送られてきたことは、決して誰にも言うな」「周りを騙すんだ。お前の愛するあの男も騙すんだ」あまりのことに、棒立ちになる塔子。その声はボイスチェンジャーによって声質を変えられていた。
 父の仕事を手伝うため、実家に戻った正午(金子賢)は、七海(片瀬那奈)の部屋からスペインを背景とした久松(及川光博)と七海の2ショット写真を見つける。今年の3月に久松と七海はスペインで会っていた。正午は疑惑に支配されていく。
 後日、山中の地層で化石発掘をしていた塔子のもとに英器(竹野内豊)が現れた。もう塔子を疑うことはやめたと言う英器に塔子は軽く微笑む。
 英器は塔子を家まで送り届けた。だが別れ際、塔子は部屋の鍵をかけなかった。その時、英器の中で何かが弾けた。部屋に飛び込み、塔子を抱きしめる英器。二人はベッドを共にし愛し合った。しかし心の中では、お互いに対する疑念が未だにくすぶっていた。
 そして表の覆面パトカーの中には、英器を尾行していた月子(内田有紀)が必死に傷心と戦っていた。
 翌日、バー・アイスストームで英器と塔子が飲んでいるところに、烏城が現れる。事件の全貌がつかめたと言う烏城は、明日から捜査本部が再開されると2人に話す。
 そして保険調査のためにある解体工場を訪れた英器は、何者かに襲われ、鉄屑と廃材の下敷きになった。目の前に現れた人物は・・・。

<第8回> 「悲劇」
 正午(金子賢)が重要参考人として町田南署に連行された。
 その晩、いつものバーで英器(竹野内豊)が飲んでいるところに烏城(仲村トオル)が現れた。烏城は真の狙いを英器に語る。
 「誰かが江木塔子を犯人に仕立てあげようとしている。犯人の目的はただ一つ。江木の人生を徹底的に破壊することだ」
 塔子以外の人間を逮捕すればきっと犯人は動き出すと烏城は睨んで正午を逮捕したのだった。そして「江木塔子は一人の男に愛され、幸せを掴みかけている。気をつけてくれ。柴田や久松の二の舞にならないように」と続けた。解体工場で殺されかけた恐怖を思い出す英器。しかし英器は「塔子の無罪が証明されるのなら喜んで囮になる」と言う。英器と烏城の間には一種の「絆」らしきものが生まれかけていた。
 丁度その頃、七海(片瀬那奈)は誰かと電話で話していた。
 翌日の夜、英器は塔子(松嶋菜々子)の部屋を訪れた。「桧山や柴田との関係について教えて欲しい。俺も塔子の5年間を一緒に背負いたいんだ」と言う英器。塔子もその気持ちに応え、これまでの五年間を語り出す。愛すれば愛するほどに、お互いの大切なものを奪い合っていった桧山との、そして柴田との恋愛。英器にはそんな塔子が無性に愛おしい。
 一方、町田南署の取り調べ室で正午が烏城に訴えていた。
「妹に連絡をお願いできますか。差し入れに来ると言って、もう二時間もたっています」
 「妹さん・・・?」眉をひそめる烏城だった・・・。

<第9回> 「犯人は君だ」
 七海(片瀬那奈)殺害の容疑で、月子(内田有紀)に身柄を拘束された塔子(松嶋菜々子)。塔子の後を尾けてきた英器(竹野内豊)は塔子は死体を発見しただけだと主張するが、月子にその言葉は届かない。
 塔子は町田南署の取調室で、殺害現場へと導いた携帯電話のことを烏城(仲村トオル)に話す。しかし、ゴミ入れに捨てたという電話は発見されなかったと月子が報告に来る。
 別室で取り調べを受けていた英器は、塔子を信じたい思いでいっぱいだった。しかし、塔子から千枚通しを突きつけられたこと、解体工場で襲われた直後に塔子が現れたことを思いだし、英器の心は揺れる。
 早朝、釈放された英器は聞き込みに回った。七海は前日、誰かを呼び出すような電話をしていたらしい。
 推理を巡らしながら、七海が殺害された公園へ足を運んだ英器。そこに烏城が現れる。烏城によると警察に通報してきた声はボイスチェンジャーで変えられ、性別も年齢も特定できないものだった。塔子の拘束時間は48時間、送検が決まればさらに3週間の拘留となる。「こうなったら俺たち二人でやるしかない」英器と烏城は真相の追及をしようと決意する。
 一方、塔子は厳しい取り調べに耐え続けた。そして48時間の取り調べの後、本庁からの命令で塔子は釈放されることになった。
 その頃、塔子のマンションの鍵を手に入れた英器と烏城は手がかりを探すため部屋を物色していた。烏城は塔子が釈放されたとの連絡を受け、塔子を迎えに行く。
 一人部屋に残った英器の目に棚に飾ってあったワインのボトルが飛び込んできた。そこで英器が目にしたものは・・・久松からのメッセージだった。


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