もう一人の自分を目にした人間は死期が近いと言われている—依子は陽一に囁くと、秘密を守るために圭以を始末するよう悪魔の決断を迫った。
　弓月を呼び出した陽一は、もう会っていないという圭以と弓月の間に愛があることを感じ、ついに圭以に手をかけようとする。
　その寸前、圭以が目を覚ます。圭以は陽一と新婚旅行で行ったアラブの思い出を語る。砂漠に残った足跡を見て、二人でこれから生きて行くと決心した。「あなたの過去の秘密が何であろうと、私はあなたの妻。一緒に乗り越えて行こう」と訴える。
　弓月は圭以の住む横浜を離れて、南の島で恩人の諭吉の漁船に乗っていた。ある日、偶然目にした古い新聞に、信じられない記事を見かける。