霧に棲む悪魔
圭以は心魅かれていた弓月への想いを断ち切り、御田園との結婚を決めた。
やがて人々の祝福を受けて、二人の結婚式が教会で行われる。華やかな式の喧噪に紛れて、人影が忍び込む。影が追ったのは幸せの笑顔に輝く圭以の姿だった。
その日、龍村家の顧問弁護士・木島が圭以を訪ねてくる。圭以の亡き父と御田園が二年前に交わした婚姻の覚え書きについて、御田園側の弁護士・影山が異論を唱えてきたという。取り決めでは、婚姻後、御田園が龍村姓を名乗ることになっていたが、夫婦の姓を夫の名字にすること、御田園にとって不公平な相続条件を改めることなどが、影山の要求だった。同席していた晴香は、白い女が警告していた「人の姿をした悪魔」の正体に思い当たる。
式当日にもかかわらず、圭以は夫となった御田園と連絡が取れなくなる。影山の主張に動揺する圭以は、心細さからふと弓月のことを思い出す…。
やがて人々の祝福を受けて、二人の結婚式が教会で行われる。華やかな式の喧噪に紛れて、人影が忍び込む。影が追ったのは幸せの笑顔に輝く圭以の姿だった。
その日、龍村家の顧問弁護士・木島が圭以を訪ねてくる。圭以の亡き父と御田園が二年前に交わした婚姻の覚え書きについて、御田園側の弁護士・影山が異論を唱えてきたという。取り決めでは、婚姻後、御田園が龍村姓を名乗ることになっていたが、夫婦の姓を夫の名字にすること、御田園にとって不公平な相続条件を改めることなどが、影山の要求だった。同席していた晴香は、白い女が警告していた「人の姿をした悪魔」の正体に思い当たる。
式当日にもかかわらず、圭以は夫となった御田園と連絡が取れなくなる。影山の主張に動揺する圭以は、心細さからふと弓月のことを思い出す…。