あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「甘い罠商社マンが出張ホストで転落!」
 コンビニでバイトをしている希美(常盤貴子)のもとへ、「ここで買った競馬雑誌が1週遅れで大損した。弁償しろ」という客がやって来た。困り果てる希美だったが、居合わせた大野(陣内孝則)が、損害賠償を請求することは出来ない、と助けてくれる。希美は、いつも自分を見ていてくれる大野への好意が膨らむ。

 そのころ、希美の親友・いずみ(菅原禄弥)の元恋人で、救い様のない女好きの卓巳(豊原功補)が、出張ホストクラブに入会していた。登録料40万円を払い、一人の女性客から月15万円を貰えると聞いて、「天職」と歓喜する卓巳だった。実際、最初の客は若くて美人の客(国本真子)。卓巳は、大いに期待し、大野コンサルティングに以前の案件の報酬を払いに行った。千春(深津絵里)が「また、変なことやっているのか」と問うと、「ビジネスだ」と自信たっぷりに答える卓巳。希美は千春に「あなたのところへいつか来そうね」と不吉な予言をする。

 店か卓巳にあてがわれた太った次の客(町野あかり)は、前の客とは大違い。うんざりしてサービスもままならないまま、別れたが、なんと、店から「大事な顧客だったのに、お前が粗相をするから、脱会した上に慰藉料まで請求された。損害賠償しろ」と電話が入ったのだ。

 警察に駆け込んだ卓巳だったが、刑事は「たちが悪いクラブで捜査中だが、しっぽを出さない。民事不介入なので、今は弁護士にでも相談しろ」とつれない。卓巳は、希美の想像どおり、大野コンサルティングに駆け込んだ。  千春は「あんたのようなバカ、相手にしたくないけれど、仕事だからやるのよ」と言い放つが、どうも風邪気味で調子が悪い。そこへ、大野が代わりを買って出てくれた。希美同様、千春も大野の心配りに好意を広げるのだった。  大野は、店へ電話を架けた。「賠償金は払えん。これ以上脅せば、告訴するで」。凄む大野に、店は気おされてしまった。  そんなころ、風邪を引いてしまった希美は、千春とともにアパートで休んでいた。話題は大野へのあこがれ。だが、優太(山下智久)が作る玉子酒に酔いが回り、そのうちキスを始めるのだった。あきれ果てる優太。  さて、卓巳の一件はそれで落着したわけではなかった。京子(篠原涼子)の手には、青少年育成条例違反の案件が握られていた。容疑者は卓巳。卓巳が相手した少女が、家出中の中学生だったことが発覚したのだ。会社から警察に連れ出された卓巳は、あっさりと逮捕されてしまった。

 希美は、いずみにこのことを話すが、いずみに復縁の意思はなかった。

 また、大野のもとへ弁護士の生田(小林聡美)から手紙が届いた。行政書士の仕事を逸脱している、という。大野は、深くためいきをつき、大好きな「鉄人28号」のおもちゃで遊び始めるのだった。

<第8回> 「暴力夫に気づかれないで離婚する方法」
 希美(常盤貴子)と千春(深津絵里)が、カッコいいサラリーマン二人組に「ナンパ」された。4人で行った店は、大野(陣内孝則)がかつて面倒をみたことのある陽平(鶴見辰吾)・冴子(中島ひろ子)夫婦が切り盛りする小料理屋で、千春は二人と顔見知りであった。2人の子供を持ち、仲良さ気に見える夫婦だったが、幼い頃から両親を失って苦労した希美は、冴子の首筋にある痣ー家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)の痕跡ーを見逃さなかった。果たして、店がうまくいかず荒れる陽平は、ことあるごとに、冴子を殴り付け、冴子は生傷が絶えなかったのだ。  それを知った千春は、冴子のために離婚手続きを行おうとしたが、大野(陣内孝則)は「夫婦のことに首を突っ込むな。行動すればクビ」と千春を制止しようとする。それを聞いた希美は「『助けて』も言えないような弱い人間を助けられないなら、法律家なんて無駄な職業」と言い放ち、千春も「クビにするならしてみなさいよ」と、陽平をだまして、離婚届を書かせるなど、離婚手続きを強引に進めようとする・・。

<第9回> 「嫌がる夫と緊急離婚!届出は24時間OK」
 その日は、希美(常盤貴子)の28歳の誕生日。なのに、またまたやっかいごとが起こった。暴力夫の陽平(鶴見辰吾)から冴子(中島ひろ子)母子が希美のアパートに逃げてきたのだ。希美は、すぐに千春(深津絵里)のアパートに相談に行った。千春は、この離婚事案で大野(陣内孝則)と意見が対立し、大野コンサルタントに辞表を書いている最中だった。千春から「誕生日おめでとう」の言葉ももらわずに、希美は千春を引っ張り出し、事務所へ急いだ。  大野に向かって希美は言った。「奥さんは、あの人と別れて幸せになりたい、って言ってました」。大野は千春の名前を呼んだ。「今度は偽造ではなく、ちゃんと離婚させるんだ!

 ワシらは、彼女から『別れたい』という未来への希望が言われるのを待つしかなかったんだ」  大野たちは、冴子を陽平のもとへ連れて行き、離婚協議書、離婚届を作ることにした。もちろん、陽平は拒む。しかし、裁判になると不利であり、親権を取れるというので、渋々判を押した。どのみち、大野たちが使った「離婚届不受理申し立て」をすれば、なんとかなると踏んでいたのだ。

 千春は希美を連れ、その足で役所に向かった。午前3時。離婚届は24時間受け付ける。一刻も早い方がいいと千春は考えたのだ。

 その朝。希美のアパートでは、冴子母子が朝食を食べている。希美が、それを見ていると、優太(山下智久)が、「誕生日おめでとう」と缶切りをプレゼントしてくれた。胸に抱きしめ幸せな希美であった。  一方、陽平は、不受理申し立てを提出するため役所に向かったが、離婚届はすでに受理されており、後の祭り。怒りに狂った陽平は、冴子たちのいる希美のアパートへ乗り込んだ。冴子を殴り付けたうえカッターナイフを突きつけ、子供を返せと迫る陽平。とうとう押し入れに隠れた美帆(佐久間李奈)を見つけ、連れ去ってしまった。

 そのころ、希美のバイトする喫茶店「イン・ザ・レイン」で、大野コンサルティングのスタッフは、やっと朝食にありついていた。そこへ希美宛てに冴子からの電話が入る。「美帆ちゃんが連れて行かれたって!?」

 千春と希美は早速、アパートへ戻る。そこでは冴子が、「なぜ助けないの、いつからそんな自分勝手な子になったの」と大輔(松崎駿司)を殴り付けていた。千春はつとめて冷静に「至急告訴状を作って警察に行こうと思います」と冴子を促した。

 親権は陽平に渡ったが、監護権は冴子が握っていた。大野が策を弄したのだ。親権は、子供の代わりに何かの判断をする権利で、子供を手元で育てる権利は監護権なのであった。たとえ親といえども、監護権者の許可なく子供を連れ去れば罪を問われるのだ。警察は、親子夫婦のことだろうと、乗り気ではなかったが、千春の強硬な押しと冴子の「あの子を取り戻して」という懇願に負け、重い腰を上げた。陽平はあっさりと刑事たちに連行され、美帆は冴子の手に戻った。  だが、冴子は、変らず大輔を「今度はなぜ、あんたが私を困らせるの」と折檻する。希美が、見かねて言う。「冴子さん、大輔君も美帆ちゃんも、ちゃんとあなたのこと信じている。3人で幸せになってよ」。  希美は、「イン・ザ・レイン」で、優太から貰った缶切りで缶を開けながら、千春に言った。「私分かったの。人を信じれば幸せになれる、というのは嘘じゃないんだけど、それだけじゃ駄目。自分で道を切り開かなきゃいけないのよね」。千春は混乱しつつも「あんたは、開拓者。私は騎士よ。開拓者は愛され、村長になれるのよ……」  さて、優太は優太で女難から解放されつつあるようだった。お気に入りの春菜(香里奈)が合コンの席にやってきて「私の男なの」と宣言したのだ。

 そのころ、千春は大野から行政書士としての越権行為を説経されていた。「依頼のないまま仕事して、意地の悪い女弁護士から突っ込まれたらどうする気だ」。と、そこへ、生田弁護士(小林聡美)からプレゼントが届いた。それは「湖のマリモ」だった。


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