CLAMP TALK Vol.3 part.2
FROM This week's CLAMP TALK : 井上陽水 Part 2
and so on
- 小室
- そんなことは考えてますけど。あの、じゃあ、音楽の話ばっかりじゃなくて、車の話でも。僕が最初にお会いした頃、車の免許を。
- 井上
- 取ったばっかりでしたかね。
- 小室
- 1年ぐらいですかね。若葉マークとれたとかって話をされてたと思いますが。
- 井上
- イメージとしてね、小室さんの運転は、一言で言えば「飛ばす」って感じなんですけどね。まあ、実際には見てませんけど。免停になったって話も、お聞きしましたし。まあ、それだって、25回駐車違反した末の免停じゃないわけですからね。だから、イメージがあるから、小室さんみたいな世代の人は、音楽もそうですし、運転もそうですけど、メカに強いっていうかね。でもね、速く車で走るってことは、ただメカに強いだけじゃなくて、ある種、生死を別ける部分もあるわけじゃないですか。
- 小室
- そうですね。
- 井上
- で、そういうところまで踏み込んでる感じがね、素敵だなと思ったんですよ。僕の簡単な印象では、メカに強いってことは、つまりは修羅場に踏み込まないって短絡的な思いがあったんですけど。自分が免許を取ってみて、「修羅場にも踏み込む可能性のある生活をしてるんだな」と思って。「お、これはなかなか、あなどれない」って思ったんですけどね。それでずいぶんびっくりしましてね。
- 小室
- 最近、僕も出てますけど、陽水さんも車のコマーシャルのイメージがありますから、とにかく安全運転で。シートベルトはピッと締めて、ハンドルは9時15分だか、10時15分の角度で持って、みたいな印象しかなかったので。それで陽水さんと車のお話をいろいろした時、僕は僕で、ちょっと印象が違ったんですよ。
- 井上
- そうですか。
- 小室
- 陽水さんも楽器が好きで、ずっと弾いてたわけでしょ? その先に今がある、みたいな。
- 井上
- 僕が、なぜミュージシャンになったかっていうと……。その前に3年間大学の浪人してたんですけども、親父が歯医者やってたので、まあ、なんとなく歯医者にならなきゃいけないのかな、と思ってたんですけど。でも、心のどっかに歯医者になりたくないって気持ちがあったのかもしれないですね。とは言っても、何になりたいわけでもなくてね。
- 小室
- 歯医者さんになってたら、その声で耳元。
- 井上
- 「痛く無いよ〜」って。
- 小室
- って囁かれたら、痛くないですよ。
- 井上
- それでね、この頃、思うんですけど、実は今でも何にもなりたくないんじゃないかな、と。何にもなりたくないけど、それでね、食べていくのは大変ですから、とりあえず音楽やってるような気がするんですよ。まあ、基本的には、「音楽家だ」って胸張ってる感じもないですし。といって、レーサーになれなくて、悔しいとかもないわけですし。何にもなれなかったらいいのにな、とは思うんですよ。本当に。
- 小室
- なれなかったらいい、ですか.
- 井上
- あの、さっきの、なりたい仕事って、ミュージシャン以外には何があるんでしょうね。例えば、映画監督とかね。指揮者とかね。昔だと連合艦隊の艦長とか。まあ、いろいろあるんですけど。ただ、僕がいろんな人の話を聞いた感じだと、ミュージシャンというのは特別ですね。映画監督もミュージシャンに憧れたりね。逆にミュージシャンが映画監督に憧れることもあるけど、やっぱりミュージシャンは特別みたいですよ。それは、僕に言わせると、性がすごく関係してると思うんですけど。
- 小室
- 性が関係して?
- 井上
- やっぱり音楽って、ほら、直接的じゃないですか? もちろん直接的な映画もあるかもしれないですけど、なんせ音楽って、すごくセクシュアルな感じしますね。
- 小室
- はい。
- 井上
- セクシュアルだからどうのって話になると、ストリップで踊ってる女の子の方が、ミュージシャンよりもっとすごいことになるんですけど……。とにかくミュージシャンといっても、ドラマーとかべースとかキーボードとか、いろいろですけど、その中でもヴォーカル、歌を歌うってことに憧れている人が多いみたいですよ。
- 小室
- それは圧倒的じゃないですかね。
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