CLAMP TALK : 織田哲郎


TK in Talking with TESTURO ODA.



tk:
あの、ちょっと視聴者のためにチラッとだけお話すれば、作曲家の織田哲郎君ていうところにですね、焦点、スポットを当てると、すごいんですよ。

織田:
いやいや。小室先生、何をおっしゃる。

tk:
本当に。ちょっとこれ、これだけはちょっと二人だけでね、なんかとっておきたいところもありますけど。この二人はすごいですよ、本当。自慢話ちょっとなっちゃいますけどね。この二人合わせたら、枚数でいったらもう、驚異的ですよ。日本の国内でいったら。そこはいいじゃないですか、二人だから。話しましょうよ、少し。

織田:
ええ?

tk:
知られざるっていうことはないと思うけど、でもやっぱり知らない人多いですよね。

織田:
やっぱり基本的にほら、本当にこういう商売だとすごく変なところと言われるんだけど、やっぱり人にあんまり顔とか名前とか知られるのが好きじゃないのね。で、特に顔を知られるのが好きじないっていうのが、一番テレビとか出たくないっていうのがあるのと。

tk:
まああの、記号じゃないけど、織田哲郎っていう名前はもうすごいやっぱり必ず潜在的に目にしてますよね。みんな、音楽ファンていうかね。例えばカラオケで歌ったりする人だって、なんか見てるよね、絶対。

織田:
そうだね 。

tk:
そういう意味では名前は記号化はしちゃってるかもしれないね。

織田:
そうだね 。

tk:
で、織田君が人にも提供しつつも自分の歌で100万枚って出したのも、当然ぜんぜん先じゃないですか。あれ何年前ですか?4〜5年ぐらい?

織田:
4〜5年前だよな。

tk:
あの時も「すごいな」と思ってたもんね、僕、見てて。「あ、いったよ、いったよ」でもう。あれ?っと思ったらもう100万枚とかいってたもんね。

織田:
俺もだから、自分でもびっくりしたもんね。

tk:
なんかグッグッグッといきましたよね。

織田:
うん。本当、正直にすごい嬉しかったし。やっぱり、それが一番嬉しかったのは、ある意味ではほら、それまですごく「俺の音楽は俺のためだけにやるんだ」っていうのっていうのはほら、それを支持してくれる周りっていうのも当然いるけれども、やっぱりそうやって商業的に自分の曲が100万売れたっていうのを素直に周りのスタッフとかがすごく喜んでくれるのがすごく嬉しかった。

tk:
わかります。すごくわかりやすくしてあげられたっていうとこありますよね。あの、音楽は評価してくれててもね、やっぱりそういうものってね、サッと見えますからね。それが合致したわけですよね、そこでね。

織田:
そうだね 。

tk:
あれもね、いいなって思ってましたよ。羨ましいなって思ってたしね。

織田:
あ、そう?

tk:
この人もう、すごいいろんなことやってんですよ、記録を。そうやって作ってんですよね。

織田:
いやいや、いやいや。

tk:
ここだけの話になっちゃうんですけど、さっきので、ここだけの話じゃないけどね。

織田:
ぜんぜんここだけじゃないよ。どこがここだけやねん?テレビで言うといて。まあ、コンプレックスじゃないだろうけど、やっぱそのなんていうんだろうな?そっちの部分で気が済んでくと、なんか気の済み方が早いんじゃないかっていう気が自分でするんだよね。
高校の頃ってじゃあ、何やってたの?

tk:
キーボードのほうがなんか上手く弾けたから。だからプログレのほうがいいっていうんでプログレいって。

織田:
やっぱプログレいったよね。そうだよね 。そらそうだよね。

tk:
で、イエスとELPと、まあ当り前だけどキーボードだったディープ・パープルやって。やっぱりね、あの、オールマンとかさ、あっちはキーボード上手いんだよね。ピアノの人とかにしてもみんなけっこう上手いじゃない。

織田:
なるほどね。

tk:
リトルフィートとかってメチャクチャ上手かったから。ああいうのは弾けなかった。せいぜいコピーできるのはパープルとかイエスぐらいだったから。で、結局あそこらへんやってて。もうそこでけっこう一番やりたいものから退いて。で、キーボードになってっていう形だったわけ。さらにそこでやっぱり、あの頃フュージョンだったっけな?クロス・オーバーなのかな?

織田:
ああ、クロス・オーバーね。

tk:
クロス・オーバーだね。今度、そっちでも。

織田:
ああ、ああ。

tk:
すごい。

織田:
上手かったよね、確かに。

tk:
メチャクチャ上手い人出てきて。これはかなわないと思ったし。

織田:
だから、俺も本当ね、それでギターは捨てざるを得なかったの。だってほら、まず、同じ高校に北島ケンジがいた時点で「あ、ダメだ」って。もうほら、それから俺、パタッと人前でギター弾かなくなっちゃったのね。

tk:
あ、そうなんだ。

織田:
さすがに「あ、こういうのがギタリストって言うんだ」って。もうほら、しばらく本当に弾かなかったね。

tk:
メチャクチャびっくりしたもんね、見た時。

織田:
上手かったよね、あいつは。

tk:
なんか遠巻きに見てたもん、北島ケンちゃんのこと。遠巻きにしてたっていうか。

織田:
そうか。北島ケンジバンドのキーボードもやってたんだよね。

tk:
1〜2回、トラでね。

織田:
あ、トラなんだ。

tk:
とてもメインにはなれない、もちろん。メインの人は誰だったんだろうな?あの時。

織田:
誰だろうな?コゾウじゃなかった?

tk:
あ、やってたね。やってたかもしれない。あと誰ですか?マライア系統の人ですか?笹路さんとかもやってましたよね?それはレコーディングの時?

織田:
レコーディングだけでしょ。

tk:
まあ、とにかくそういう人じゃない、でも。とんでもないし。

織田:
やっぱあの頃はほら、ミュージシャンっていうのはすごく、そういう技術的に上手いことっていうのがね、大事だったじゃない。俺、本当、フュージョンっていうのは今でも嫌いなんだけどさ。あれのせいで俺はギタリストになれなかったっていうさ。最近やっぱり楽器って、ある意味じゃ打ち込みっていうのがこんだけ一般化しちゃえば、もう上手いことの価値っていうのがあんまりなくなっちゃったからね。もう個性っていうことになってきてるからさ。

tk:
そう考えるともう、逃げの歴史ですね、僕なんかね。それでキーボードいって今度、それが弾けないから結局コンピューターいったわけだから。

織田:
あ、なるほど。

tk:
コンピューターででもフュージョンの人たちのテクニックまでには、まだ打ち込みもいってなかったからダンス系の簡単なさ、シークェンサーだけでできる周期リズムしか作れないほうにいったんだもんね。

織田:
まあでも、それは悪く言うと逃げかもしれないけど、やっぱり良く言うとその場その場の客観的な判断が出来てんだよね。

tk:
まあね。どんどん引いてますね、そういう考えてみると、本当に。

織田:
まあ、それでヴォーカリストってさ、バンドの中で一人だけエンターティナーなわけじゃない。でも、バンドは音楽をやってるんだよね。俺はそっちのほうがいいの。「なんか淋しいなぁ、俺」って感じなんだよね、歌を歌ってる時ってさ。俺だけ客商売で。で、やっぱり客商売のほうが向いてるヴォーカリストって世の中いるじゃない。やっぱり、ああいう人ってね、だからすごいなと思うんだけど、俺は憧れたことは一回もなかったんだよ。だから、例えばストーンズで言えば、俺はミック・ジャガーなんて最高のエンターティナーじゃない。でもミック・ジャガーになりたいって一回も思ったことない。俺はキース・リチャーズが好きだと。俺は楽器が好きなんだけど、なんかとりあえず北島なんかとバンド組んじゃったから、俺ギター弾けねえから「歌はやっぱり俺が一番うまいだろう」っていうさ。それはあったよね。

tk:
いやもう、あの、ケンちゃんの最初のソロアルバムとか、本人から聴かせてもらったりしたこともあるわけでしょ。「歌、誰?これ」とか言ってたもんね。

織田:
あれは本当、面白かったよね。

tk:
「すごいね、いるんだね、本当にこういう人たちが」って。聞いたら同じ年だったりとかするわけじゃない。学年的にもさ。びっくりしたもんね。「もうこれはダメだよね」って。三多摩地区の方がテクニック的にもね、やっぱり全体的なクォリティはね、まあ、低かったと思う。

織田:
そう?

tk:
やっぱり落ちたと思う。あそこらへんは何ていうの?環八のへんていうの?

織田:
なんだろうね? いわゆる目黒・世田谷。

tk:
目黒・世田谷関係だよね。都立高校のへんの。

織田:
そうそう。

tk:
あそこらへんにはかなわなかったね。

織田:
だから、なんかほら、世田谷あたりはそういう意味じゃやっぱり、根が真面目っていうか。だからクロス・オーバーだフュージョンだっていうのが流行出すと、ヒュッとそっちにいった連中がすごく多かったんだよね。

tk:
多かったね。じゃあ、織田君みたいに歌の人がそんなにいなかったの?ああいうふうにツェッペリンじゃないけど。

織田:
うーん?歌はやっぱり下手だったよね、みんなあの頃は。そういう意味じゃ、やっぱカラオケの影響ってすごいよね。確実に今、やっぱり日本て世界で一番、国民のレベルとして歌の上手い国でしょ。

tk:
そうね。

織田:
あの頃はやっぱり、ギターとかはけっこう上手いやつがやってるバンドでも、ヴォーカルはツェッペリンのオクターヴ下げて歌うとかさ、平気でそういうバドあったからね。

tk:
それはもう、当り前でしたね。俺たちもアマチュアのコンサートでヴォーカルを聞く耳を持ってなかったもんね。

織田:
そうそう、そうそう。

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