CLAMP TALK : 岡村靖幸


TK in Talking with OKAMURA.



岡村:
これからはやっぱり、そのずっと休んでた期間ていうか、レコーディングしてただけの期間ていうのは、人に会ったりもしてなかったしすごく閉鎖的だったんですけど。今、いろんな人に会ったり、あと小室さんと会ったりとか、電話番号を教え合ったりとか。もういろんな人にあっていろんな想いしたり。悔しい思いしたり「ああ、小室さんいつもヒットチャートに…ううっ、悔しい」とか思いしたりとか。「羨ましい」とか「モテモテだろうな」とか思ったりして。そういう思いを今まではそういう思いをしてるのに、どっか自分のフィルターをパシッと切ってたんだよね。本当は思ってるはずなのに「俺は悔しくないんだよン」っていうフィルターを買ってきて、全部排除してたんですよ。でも、そうすると最悪の人間になってくんですよね。本当はそういうこと思ってるクセにそういうフィルター通すと。あの、最悪の人間になってって。で、そのフィルターをある日壊して。やっぱり悔しいものは悔しい、羨ましいものは羨ましいっていうふうに思えるようになったら自分も成長して、じゃあ悔しいからどういうふうにしようとか、羨ましいからじゃあ僕はどうすれば羨ましいという気持ちが減るかなと思えるようにやっとなってきて。で、そういう気持ちがあるっていうことはやっぱり成長してくっていうことだから、やっと普通になれたなとは思ってるんですけど、最近は。

tk:
俺ね、あの、どこだっけ?日音スタジオじゃないや、音響スタジオで、昔の銀座のね、築地のね。で、やってた時に岡村君の方がバンドでレコーディングしてた時に俺、なんかの用事でいかなきゃいけなくて、いったことあって。その時に30分ぐらいいたんだよね。その時に何の曲かはぜんぜんわかんないけど、途中からリズムが倍っていうか、リズムが、ドラムが倍になってテンポがあがったふうに聞こえるアレンジだった曲があって。で、俺、今までそんなのやったことなくて、その時もけっこうビックリしたのね、その瞬間。だから、今こうやってバッと話をしてて何回か思い出すと、俺まあ、スタートしたのは早いわけじゃん、俺のが。で、音楽のまあ、そういう業界でやってるのも曲を作り出したのも、もしかしたら俺の方がぜんぜん何年も先だったりするのかもしれないけど、なんかちょっとしたショック、電気のちょっとビビッとくるようなのは、今数えても四つ五つポンポンとすぐ出てくんのね。まあ、そんなには会ってないけど。あとなんか、自分で『EYES』の時はアレンジしたじゃない1曲かなんか。ストリングスアレンジ?あれなんかもけっこう、そういうことをやるっていう奴がいるんだって、デビューしてなくて、とかっていうことのショックだったりとか。そういうのがパパパッと浮かぶ人なんだよね。そういう音の部分とかの印象っていうのがあって。すぐそういうのはいろいろ思い出す。けっこうパッパッパッと今、うん。だから、やっぱりそれをどっかで提示しといてくんないと結局、出なかったら聞けないわけだから。なんかすごく思ってたよね、そういうのはね。俺はちょっとその、まあハッキリ言ってそこまで岡村君の詞をずっと前から読んでたとかっていうわけじゃないから、詞がそれでどうなってどうなったかっていうのをここで今、分析とか出来ないけどね。でもまあ、少なくとも嬉しいなと思うのは、その今言った音の部分、サウンドの部分とかっていうのがまたそうやって、その部分さえ解決できれば出ていけるっていうのだけでも、けっこう僕の中ではいいことだなって思う、それはすごく。

岡村:
僕はね、もう小室さんに関しては、多分いろんな人がよく知らないで。僕ほら、ずっと前小室さんに会ったことあって、それを知らないでいろいろ聞いてきたりとか。あと、印象を言ったりする人がいるけど、僕がまあ大体いう場合はやっぱりすごい男らしい人っていうふうに大体いってんですよ。多分ね、俺が知ってる中でも多分、ベスト3に入るぐらい印象としてはもう本当に男らしい。僕自身が例えばエピソードでいうと、楽曲とか作ると大体あげた瞬間に後悔するんですよね。

tk:
あ、そうなんだ。

岡村:
「ああ、やんなきゃよかった」って。「自分で歌えばよかった」って。

tk:
ああ、ああ、はい、はい。

岡村:
まあ、そういうエピソードもありますけども、本当に印象として大体「あ、スゲぇ男らしい」とか思って。

tk:
なるほどね。そうか。なんか今日はちょっと恐ろしい時間のなんか、振幅があるね。いったりきたりが怖いぐらいね。あまり、ここまで会わないでこの番組でいきなり話す人もいないのね。

岡村:
あ、そうなんですか。

tk:
歴代ではもちろん一人しかいないと思うけど。昔、会ってどうのとか。昔の古い時代から活躍してて今に至ってる人は何人もきてくれてるけど。それっていうのはなんか、メディア通してだったりとかなんかの時点でしかやっぱり知らないわけだから。そういう人達とはぜんせん違うような、不思議なちょっと時間の経過があるね、そこらへんはね。あまりないでしょ、だってこういうアーティストがあまり日本に存在しないわけだからさ、それだけ時間を開けるっていうか。

岡村:
そうですね。

tk:
今ちょっと思ったけど、それを待ってるレコード会社もすごいね。

岡村:
そうですね。

tk:
ちょっとそれは今すごいなと思ったけどね。

岡村:
ありがたいことだと思います。

tk:
今、ちなみにいくつになったの?

岡村:
もう30なんですよ。

tk:
え?もう30になったばっかでしょ?

岡村:
はい。

tk:
いやぁ、それはいつまでたっても差は変わらないわけだから、俺なんてもう37だからね。

岡村:
あ、そうなんですか。

tk:
今年、もしかしたら11月になったら38かもしんない。

岡村:
あ、そういえばさっき楽屋で話してたんですよ、28〜9ぐらいに小室さん見えるなぁつって。

tk:
俺、38だと思うんだよね、今年だよね。

岡村:
羨ましいですね。

tk:
羨ましい?

岡村:
はい。あの、あれですか?あの、ちょっと聞きたかったこととかいくつか聞いていいですか?

tk:
はい、もうどんどん聞いてください。

岡村:
あの、ナンパとかしたことあります?

tk:
昔ってこと?

岡村:
いや、今でも。

tk:
今はないよ、そりゃ。

岡村:
昔はありましたか?

tk:
昔は…TMネットワークやってたころは、だから会ってた頃も…。

岡村:
してました?

tk:
いつ会ったんだっけ?TMの。

岡村:
えぇと、『Come on Let’s Dance』の前後です。いや、違うわ。そんなのよりぜんぜん前だわ。

tk:
その前だよね。

岡村:
ええ。

tk:
あ、だって武道館に出た時に…。

岡村:
あ、違うわ。TMネットワークの2ndぐらいの時に会ってますわ。

tk:
2ndぐらいの時かな?

岡村:
うん。1stがなんかあの、なんつうんですか?あの、鰐っていうんですか?鰐のようななんか表紙で、2ndは顔が出てて。で、僕がエピックいったばっかりの頃、エピックソニーっていうとこに行くと、TMネットワークのビデオか流れるわけですよ、玄関で。

tk:
『1974』とかそういうやつ?

岡村:
はい。

tk:
そうだね 。じゃあ、ぜんぜん初期だよね。

岡村:
そう。間奏になるとクラシカルになったりとかして、「ああ、スゲェな」とかいう印象があったんですけど。

tk:
もう初期ですね。なんか(ナンパ)してたね、地方とかね。

岡村:
本当ですか。

tk:
あの、木根がまだ表に出てなかったから、宇都と二人でやってた頃だから、ビジュアル的に。してたね。

岡村:
そうですか。

tk:
それこそ札幌とかディスコとか多かったじゃない。

岡村:
はい。

tk:
してたけどダメだったね、ぜんぜん。

岡村:
そうですか。今はどうですか?自分から「好きだ」って言います?

tk:
ん?誰に対して?

岡村:
好きな人ができたら。

tk:
ああ、言いますよ、もちろん。

岡村:
ああ。

tk:
言いますっていうか、もう今は非常になんていうの?プライベートとパブリックのPの境がないから、ぜんぜん。

岡村:
あ、本当に。

tk:
まあ、なくなっちゃってる状況だから、そこらへんはもう、俺が知ってることはみんな知ってるみたいな状況になっちゃってるから。

岡村:
あ、本当に。

tk:
俺は言ってるけど。

岡村:
わかりました。

tk:
それはもう、やってますね、ちゃんとね。だからまあ、そこらへんになんってくるともう、今やっぱり自分の中でやっぱり一番そこらへんが深い。深さでいったら、その音楽とかの深さっていうのはもう、喋ってればどれだけでも深いところまでも喋れるじゃない。結局、それぐらいまで情報も知識も能力もさ、もうデータに入っちゃってるでしょ。だから、いくらでも止めどなく話しもできるし、説明もできるし。ただ、そういった恋愛とかっていうのは止めどなく説明できない。どこまでいってもやっぱり自分の中でなんかアドバンテージがいつもない感じだから。

岡村:
「バッキャロー!」とか思う時あります?

tk:
うーん?あるね、それはね。

岡村:
あ、そうですか。はい。

tk:
あの、世の中それだけあった期間中さ、女の子もずいぶんファッションもなんかライフスタイルも変わったと思うんだよね。

岡村:
あれとかどう思います?コギャルとヘアヌードはどう思います?

tk:
ヘアヌードはなんとも…。コギャルに近いっていうことでしょ?だから要は。

岡村:
ううん、そうじゃなくて。

tk:
じゃなくて?

岡村:
今、雑誌とか開くとみんな毛出してるじゃないですか。「OK、OK」と思いつつ、「うーん、あんまり見せるなよ」とも思うじゃないですか。「うそ?見せたの?」とか思う時もあるじゃないですか。それについてどう思いますか?

tk:
…どう思うか?…うーん?

岡村:
いろいろ考えるでしょ、だって。なんにも考えないですか?

tk:
…うーん。ヘアヌードに関してはなにも思わないね。

岡村:
本当に?コギャルはどうですか?

tk:
コギャルは結局そうだなぁ、あれはなんか武装じゃん、一つの。

岡村:
はい。

tk:
女の子のさ、茶髪にしろ格好にしろ、いろんな全てにしろ。あれはだから、自分が昔のなんかワザと自分をセクシーに見せるための道具と同じみたいな。ああいう鎧っちゅうか、ああいうのを付けりゃあだいたいある程度みんな同じに見えるじゃない。だから、武装して見せるわけでしょ、さっきのその「セクシーよ、セクシーよ」っていうような部分だと思うけど。

岡村:
本当につまり、ポイントとしてセクシーなんですかね?

tk:
いや、あの、違うんじゃないの?それはだから武装で。

岡村:
あ、やっぱそうなんですか。今、いいこと聞きました。そこのポイントなんですよ。つまりその、家に帰ってでも本当にセクシャルな人間でね、本当にセクシャルライフを送ってるのかっていうわけじゃないっていうことを言ってるんでしょ?

tk:
じゃないと思う。だから、ああいう髪の毛取るわけじゃないと思うけど、まあ、それを脱げば、それを取ればすごくなんか、なんていうの?無味乾燥な娘だったりするかもしれないし。

岡村:
はい。

tk:
だから、ほとんどそれが一つのね、公式に乗っ取ればセクシーっていうの?コギャル=H。さっきのじゃないけど、その「Hできるよ」みたいなイメージになれるわけでしょ。で、なって、でもそれを拒んだりさせなかったり逃げたりすることで、その女の子の価値を出そうとしてるわけじゃん。

岡村:
あ、そういうことなんですか。

tk:
無意識に出そうとしてると思うから。だから本当はなんでもない女の子でも、それで自然と価値が出るふうに思わせちゃうんでしょ。

岡村:
なるほど。

tk:
だから、もしかしてらそのディスコのお立ち台で立ってる娘の方が潔いかもしれない。敢えて言えば、もうちょっと意識が強いかもしれないね。

岡村:
あ、本当に。

tk:
自分から敢えてそういうふうにさ、前向きにセクシーさを出すっていう意味では出してるのかもしれないけど。

岡村:
いやね、僕、どうしてそういうこと聞くかっていうと、小室さんがね、ベルファーレとかたまに週一ぐらいにプリンスみたいにいってて、で、見てて、「あの娘、Come on」つって「君、デビューさせよう」って「今晩、僕のホテルにCome on。OK、君、デビュー」っていてうようなね、プリンス伝説みたいなことがね、行われてるのかと思ってね。

tk:
もう、やめてよ、そういうこと言うの。

岡村:
よく聞くじゃないですか、プリンスの話しでそういうの。

tk:
うん。

岡村:
でね、小室さんファミリーにね、そういうセクシーなギャルとかたくさんいるから、そういうもんなのかな?と思ってたんですよ。プリンスとかも言うじゃないですか、プリンスのグランドスラムっていうディスコがあって、そこでずっとよく踊ってた子で気になる子がいて、で、その子を特訓させてデビューさせたりとか。で、小室さんもそういうのあるのかなと思って。

tk:
でも、言い方を変えれば紙一重なのかもしれないけど、それが本当にあることないことっていうのは別にそう見えてもそれは仕方ないなと思うけど。そういうふうに思う人も世の中にはいるんだろうね。それはいるだろうから。

岡村:
僕なんかもそう思ってました。Hするとかじゃなくて、とりあえずベルファーレで「OK、この娘デビューできる」とかいうのをお立ち台の中からけっこうすごく気になる子とか輝いてる子を見つけたりするっていうのも一つの方法じゃないですか。だから、そういうHするしないじゃなくて。

tk:
ああ。あの、もう探し出し方は僕はもうそういう探し方は今してないと思う。

岡村:
あ、本当に。

tk:
あの、アピールの仕方っていうのが、さっきの鎧と一緒でそれも同じなんだよね、俺の中では、アピールの仕方っていうのはね。だから、もっと本当違った「これは思い付かないだろう」ってていうのを持ってる人じゃないと、ここまで届かないような状況になってるから。

岡村:
そうですか。で、まあ、ベルファーレ行くとですね、セクシーな女の子がたく さんいるわけですよ。で、胸の大きい子がいれば小さい子もいるし。胸の大きい子はやっぱりそれを意識して踊ってるわけですよ。

tk:
あ、そうなの?あ、やっぱりそうか。

岡村:
はい。そうするとジーッと見るわけですね。で、それを見て「OK、OK」と思って見てるでしょ。で、もうすごく気がそっちにいく時があるんですよ。もう顔が (目を見開いて)こんなになるぐらい気になってる時あって。で、その時ふと気付くんですよ、「あ、でも、脂肪じゃん」って思って。「ただの脂肪じゃん」と思って。「なんで俺、ただの脂肪にこんなに(目を見開いて)なってるんだろう」って思って、「自分の気持ち、こんなに持ってかれてんだろう」って思って。「ウワァーッ」ってある時気が付いて。「でも、僕だけじゃない。巨乳ブームとかいって、みんな心を持ってかれてるはずだ」って気が付いて。で、ただの脂肪の塊じゃないですか。それになんでこんなに気持ちを持ってかれるんだろう?と思って答えは出てないんですけどね。

tk:
まあ、それはそうだね。そこまで深くは思ってないんだけど、みんなは男の人で若い人は毎日思ってるんだろうね、それは。

岡村:
はい。

tk:
きっとね。夜、寝る前はそう思って寝ちゃって、朝、起きたらまた思って。学校か仕事、仕方なく行ってっていうふうな繰り返しをしてるだろうね。

岡村:
ただの脂肪なのにね、不思議ですよ。

tk:
あの、まあ、それは恋愛に通ずるかもしれないけど、そこだけは一番やっぱり僕のなかで今は深いから、そういう話しはすごい好きだよね。

岡村:
あ、本当に。

tk:
だって、僕もわかんない部分だから。音楽の話しはわかって話せて。さっきも言ったけど、話していけちゃうから。理論がわかってっちゃうっていうか、ある程度まではね。いくら「音楽ってすごいよね」とか話しをしていても、でもある種、説明できるところあるから。女の人のこととか恋愛はいくら話し込んでも結局、わかり合って帰らないでしょ、多分。これで夜ずっと話ししてて、何日もそういう話しばっかしてても。

岡村:
そうですね。

tk:
「じゃあ、よくわかったね、それじゃあ」っていうことでは帰れないよね。多分、「よくわかったね」って帰っても、もしもそこでまた女の子、女性となにか出来事があったり話したりとたとたん、次の日また大きな疑問を持ち帰ってくるでしょ。多分そうだよね。まあ、それはすごく未だに一番わかんないことだよね。あの、前、こんな話しはしなかったね。

岡村:
はい。

tk:
ぜんぜんね。

岡村:
はい。

tk:
より解放された感じなのかな?岡村君は。

岡村:
いや、だから、知りたいことはたくさんあったんですよ、小室さんに対して。だから聞いてたんだと思います。

tk:
もっときっとでも、たくさんあるんじゃないの?

岡村:
いや、ありますよ、小室さんについては知りたいことがたくさん。

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