2時プロジェクト、毎週水曜日は…
名店の料理人に「旬の食材」を渡したら、どんな「おいしい料理」を作ってくれる?
きょう、12月9日に旬真っ盛りなのは…「下仁田ネギ」。
太さは一般的な長ネギの2倍以上!
火を通すと甘みが増し、血行を良くするといわれる成分が生成されるため、冷え性に悩む方におすすめの食材です。
そんな下仁田ネギを求め、永尾亜子アナウンサーが向かったのは群馬・下仁田町。
今回ご協力いただいたのは…この地で60年ネギ栽培を続ける、御年83歳の堀口房邦さんです。
堀口さん:
「これがウチの畑です。ここで採れるのが一番おいしいですね。土が硬いんですよ。こういう方が、身が締まった甘いネギができるみたいです」
冬の降水量が東京の4分の1ほどしかない下仁田町は、その乾燥した気候と硬い土壌がネギの育成に適しているんだそうです。
永尾アナ:
「下仁田ネギは、今が旬なんですか?」
堀口さん:
「そうです。2~3回霜が降りると、甘くなるんですよ」
<今が旬!おいしい下仁田ネギの見分け方 ①>
寒くなって霜が降りると、地上に出ている部分が凍り細胞が壊れ始めます。
するとネギは生き延びようと土の中にある白い部分が青い部分の栄養を取り込み、甘みが増すんだそうです。
そのため、青々とした葉よりも、枯れた葉の方がおススメ!なんだそう。
さらにもう一つ、おいしい下仁田ネギの見分け方が…
<今が旬!おいしい下仁田ネギの見分け方 ②>
堀口さん:
「ネギの葉っぱに甘い蜜が出るんですよ」
永尾アナ:
「水滴のように見えましたが、蜜なんですね。…うん!本当に甘い!」
永尾アナいわく「はちみつのような甘さにびっくり!」とのこと。
蜜は、甘みの詰まったおいしいネギの証なんですね。
ここで、永尾アナが下仁田ネギの収穫を初体験!
永尾アナ:
「ちょっと枯れているものがいいっておっしゃっていたんで、それを選ぼうかな~。これとかどうかな?枯れてるし、太そう!」
永尾アナ:
「あっ!抜けました。堀口さん!どうですか?私が収穫した…」
堀口さん:
「まあまあかねえ」
永尾アナ:
「まあまあ…(笑)」
少し辛口評価(?)でしたが、その後もお手伝いさせていただき、次々と収穫。甘みと栄養がパンパンに詰まった旬の下仁田ネギを手に入れました!
次においしく調理してもらうために…東京・渋谷区へ。
向かった先は、名店「ロス・レイエス・マーゴス」。
先日発表されたミシュランガイド東京2021で、ビブグルマンとして5度目の掲載を果たしたスペイン料理の名店です。
今回料理を教えてくれるのは、野坂寛シェフ。
永尾アナ:
「こちらの食材を、おいしく調理していただきたいと思うんですが…」
野坂シェフ:
「すごいですね!めちゃめちゃ太いです。相当甘いと思いますよ!」
この下仁田ネギの良さを、ひと目で見抜いてくれました!
さて、今回のメニューは?
野坂シェフ:
「今日はフラメンカエッグを作ります。フラメンコの衣装がきらびやかなように、いろんな色の野菜が入ったイメージです」
フラメンカエッグとは、色とりどりの野菜をトマトソースで煮込んだスペイン南部・セビリアの郷土料理。
今回、用意する材料は…
材料(4人前)
下仁田ネギ…2本
卵…2個
ベーコン…100g
パプリカ(赤・黄)…各1/2個
グリーンピース…40g
ニンニク…1かけ
トマトソース…80g
白ワイン…適量
パセリ…適量
塩・こしょう…適量
野坂シェフ:
「まず、この下仁田ネギを下ごしらえしたいので直火で焼きます」
永尾アナ:
「そのまま焼いちゃうんですか!?かなりワイルドですね!でもおいしそう~」
ご自宅で焼く際は、青い部分を切って魚焼きグリルを使うと、火の粉や煙が出ないそうです。
永尾アナ:
「けっこう焦げてますけど、大丈夫なんですか?」
野坂シェフ「大丈夫です。真っ黒がいいんです!」
水分が出てくれば、中まで熱が通った証拠。グリルでもしっかりと確認できます。
野坂シェフ:
「これをまず食べていただいて」
永尾アナ:
「これを?いただきます。…とろとろで甘い!こんなに甘くなるんですか!?お砂糖かけてるんじゃないかっていうくらい甘いです!」
野坂シェフ:
「この甘味を使って、うまくスペイン料理に変えていきたいと思います」
続いて食材をカットしましょう。
パプリカ、ベーコンを1㎝の角切りに。パセリとニンニクはみじん切りにします。
下仁田ネギは一口大の大きさにカット。青い部分も使うことで彩りが鮮やかになります。
野坂シェフ:
「中に入れるものと、飾りで周りにも使いたいので…」
飾りとして使う部分を、細切りにして分けておきましょう。
ここから、フライパンで具材を炒めていきます。
野坂シェフ:
「ベーコンから炒めます。普通はニンニクから入れたりすると思いますけど…」
永尾アナ:
「後から入れるんですね」
炒め物をする際は、ニンニクを最初に入れて油に香を移すのが一般的ですが、今回はネギの風味を生かすため最後に入れるんだそう。
パプリカ、グリーンピース、ネギを加え、炒めます。
野菜とベーコンのうま味が出ているので、味付けは塩コショウ・白ワインとシンプルに。
トマトソースを入れて、少し煮詰めます。そして…
最後にニンニクを投入。
野坂シェフ:
「最後に、さっき言っていたニンニクを。ちょっとニンニクがほっこりする感じで、甘味をたたせたい。最初に炒めるととんがった感じのニンニクになってしまうので」
ニンニクに火が通ったら耐熱容器へ移します。ここで野坂シェフのワンポイント!
野坂シェフ:
「こうやって真ん中に空間をあけてネギを置いて、卵を落とします。土手のような感じで」
ネギで土手を作り、卵が流れないようにすることで、完成した時の見栄えが良くなるんです。
最後にパセリをふりかけ、220℃のオーブンで5分加熱したら完成です。
永尾アナ:
「うわ~、おいしいそう!」
野坂シェフ:
「ネギが土手になっているでしょう」
永尾アナ:
「ちゃんと守ってくれてますね。卵がちょうど半熟、トロトロでいい感じにできてます!」
永尾アナ:
「うーん、おいしい!!ネギとろっとろです。甘くて香ばしさもあって、口の中にものすごく広がりますね」
名店シェフが教えるスペインの郷土料理「フラメンカエッグ」。ぜひご自宅で挑戦してみてくださいね!