ザ・ノンフィクション
半グレをつくった男 ~償いの日々…そして結婚~
半グレ集団——暴力団には所属せず、犯罪を繰り返す集団。警察庁は「治安を脅かす新たな反社会勢力」と位置づけている…“最凶”の半グレ集団と呼ばれ、中国残留日本人の2世・3世を中心に結成された「怒羅権(ドラゴン)」の創設メンバーである男は今、東京の下町で静かに暮らしている。
「相手を殴ってどんどん興奮して最後に日本刀で腕切り落として、それでも怒りが収まらずに首を切り落とそうとして、やっぱり切れなかったんだよね。硬くて…」19歳で逮捕された時の話を穏やかな顔で話す男、汪楠(ワン・ナン)は、47歳になった。
現在は、受刑者や出所者を支援する活動を行なっている。それは汪楠の過去の罪への償いでもあるのだ。非道の限りを尽くした末に逮捕され、13年を刑務所で過ごした汪楠を救ったのは、1冊の本をめぐる裁判官の言葉と塀の外から届く手紙。汪楠は過去の罪を悔い、更生を誓う。
出所した汪楠は、全国の受刑者に本を送る活動を始め、出所者の「第二の人生」を支援する活動を続けている。しかし、日本国籍を持たない汪楠は、就労することが許されず、受刑者支援の活動資金は、常に足りない状況だ。
そんなある日、汪楠が面倒をみていた出所者が、活動資金を持ち逃げしてしまう“事件”が起きる…それは、汪楠の婚約者が工面し、寄付してくれた大切な「50万円」だった。活動資金を失い、窮地に陥った汪楠の前に、持ち逃げした男が意外な形で姿を現すのだが…
「相手を殴ってどんどん興奮して最後に日本刀で腕切り落として、それでも怒りが収まらずに首を切り落とそうとして、やっぱり切れなかったんだよね。硬くて…」19歳で逮捕された時の話を穏やかな顔で話す男、汪楠(ワン・ナン)は、47歳になった。
現在は、受刑者や出所者を支援する活動を行なっている。それは汪楠の過去の罪への償いでもあるのだ。非道の限りを尽くした末に逮捕され、13年を刑務所で過ごした汪楠を救ったのは、1冊の本をめぐる裁判官の言葉と塀の外から届く手紙。汪楠は過去の罪を悔い、更生を誓う。
出所した汪楠は、全国の受刑者に本を送る活動を始め、出所者の「第二の人生」を支援する活動を続けている。しかし、日本国籍を持たない汪楠は、就労することが許されず、受刑者支援の活動資金は、常に足りない状況だ。
そんなある日、汪楠が面倒をみていた出所者が、活動資金を持ち逃げしてしまう“事件”が起きる…それは、汪楠の婚約者が工面し、寄付してくれた大切な「50万円」だった。活動資金を失い、窮地に陥った汪楠の前に、持ち逃げした男が意外な形で姿を現すのだが…