ザ・ノンフィクション
人力車に魅せられて 3 ~浅草 女たちの迷い道~ 前編
人力車に夢を乗せ、浅草の町を駆ける女性たちがいる。
東京・浅草観光の名物とも言える「人力車」。10社以上がしのぎを削る中で、赤いはんてんがトレードマークの「東京力車」は、SNSを駆使した発信を続けるなど、注目を集め、中でも女性俥夫の人数は浅草一。
2022年12月…この日も、20歳の研修生が初めての「卒業試験」に挑んでいた。2人の乗客を乗せ坂道を駆け上がらなくてはいけない人力車。操縦技術はもちろん、町の情報などを覚える必要があり、研修生の約7割が俥夫になれず脱落してしまう厳しい世界。彼女も緊張のあまり結果が残せず、「合格」することはできなかった。
そんな研修生の指導担当を務めるのが、大学4年生の俥夫・ミイ(23)。今でこそ指導する側だが、かつては卒業試験に落ち続けた“問題児”だった。「すぐに諦めてしまう自分を変えたい」と、歴代最長となる10カ月も研修生を続け、念願の俥夫となったのだ。
自分のように失敗ばかりの研修生を導くことにやりがいを感じる日々…大学卒業を間近に控え、ミイは卒業後の進路に迷っていた。元々は、アナウンサーになることを夢見て就職活動をしてきたが「このまま東京力車で働きたい」と考え始めていた。しかし、実家の母親からは猛反対。「あなたは何がしたいのか?」と娘を問い詰める。
一度切りの人生をどのように生きていくのか…浅草の町で夢を載せて人力車を引く女性たちの汗と涙の日々を見つめた…
東京・浅草観光の名物とも言える「人力車」。10社以上がしのぎを削る中で、赤いはんてんがトレードマークの「東京力車」は、SNSを駆使した発信を続けるなど、注目を集め、中でも女性俥夫の人数は浅草一。
2022年12月…この日も、20歳の研修生が初めての「卒業試験」に挑んでいた。2人の乗客を乗せ坂道を駆け上がらなくてはいけない人力車。操縦技術はもちろん、町の情報などを覚える必要があり、研修生の約7割が俥夫になれず脱落してしまう厳しい世界。彼女も緊張のあまり結果が残せず、「合格」することはできなかった。
そんな研修生の指導担当を務めるのが、大学4年生の俥夫・ミイ(23)。今でこそ指導する側だが、かつては卒業試験に落ち続けた“問題児”だった。「すぐに諦めてしまう自分を変えたい」と、歴代最長となる10カ月も研修生を続け、念願の俥夫となったのだ。
自分のように失敗ばかりの研修生を導くことにやりがいを感じる日々…大学卒業を間近に控え、ミイは卒業後の進路に迷っていた。元々は、アナウンサーになることを夢見て就職活動をしてきたが「このまま東京力車で働きたい」と考え始めていた。しかし、実家の母親からは猛反対。「あなたは何がしたいのか?」と娘を問い詰める。
一度切りの人生をどのように生きていくのか…浅草の町で夢を載せて人力車を引く女性たちの汗と涙の日々を見つめた…