絶対零度 未然犯罪潜入捜査 7月9日スタート 毎週月曜よる9時
2018.8.2 thu. Update

インタビュー #3 田村 薫役 平田  満さん

刑事ドラマはロケも多いので撮影はかなりハードですね。
そうかもしれません。特に第1話は大変でしたね。いろいろな要素が詰め込まれているので。このドラマは、全員が揃うシーンが少ないんですよ。普段はそれぞれが潜入捜査をしていたりしますし、骨伝導の通信手段で話はしていても会ってはいないんです。みんなが揃うのはセット撮影の時だけですから、できれば最初にみんなが会うところから撮影が始まってくれればいいのに、なんて思っていました(笑)。
台本を読んで最初に感じたことは?
「こんな捜査があるのか!?」と驚きました。表向きは違う部署なんですけど裏では秘密の捜査をしていて、しかもそれが、事件の起きる前、ということで、犯人を捕まえるのは他の刑事の役目だったりして……。そういう意味では、普通の刑事っぽくもないですし、他の方はアクションシーンも多いですけど、僕なんかはただ単に盗聴とかピッキングとか、いけないことばかりやっているので(笑)。
犯罪者的な動きですね。
そうそう。ちょっと悪いことをしているだけ(笑)。
その田村というキャラクターですが、何でもできる不思議な存在ですね。
僕自身は手も不器用だし、何もできないんですけど、いろいろな部署をたらい回しにされていて何でもできる、という田村は面白いキャラではありますね。いかにもできそう、という人ではないというところがまた面白いなと思います。
表立って捜査できないミハンチームには欠かせない存在ですね。
便利屋ですね(笑)。
撮影が始まる前に井沢範人を演じる沢村一樹さんにお話をうかがったら
「田村さんの謎が気になる」とおっしゃっていました。
何でしょうね?  得体が知れない、ということでもないと思うんです。「馴染んでいるけど何でそこにいるんだろう?」みたいな感じですかね(笑)。沢村さんとか、本田翼さんの役柄は、いろいろな過去は見え隠れしますけど、実際デキる感じがしますよね。柄本時生くんが演じる南は、嫌々やっていて、ちょっとオタクっぽいところもあるじゃないですか。まあ、吹き溜まりの部署、ちょっとやらかしちゃった人たちの集まり、という意味ではわかりますけどね(笑)。
演じるにあたって、制作サイドから何かリクエストは
あったのでしょうか?
演じながら少しずつ、という感じではあるんですけど……。これから、それぞれの過去とか関わった事件なども出てくるので、そういうのを通して、ミハンチームに呼ばれた人たちの共通性も出てくると思うんです。でもいまは、とにかく「すいません」というのがキーワードみたいな感じで、謝るのが似合っている人、みたいな感じです。だから最初のころは、撮影をしていても立ち位置がよくわかっていなかったんです(笑)。一応捜査はちゃんとやっているんですけど、急にワーッとなるようなところもないですし。横山裕くんが演じる山内は、背景が最初からわかっていて、やる気がなかったり、突っかかったりするようなところも描かれていましたけど、田村は「やって!」と言われれば動いて、「何だ出来るじゃん!」みたいな感じですから。
ミハンチームは、もともとバラバラなチームでもありますしね。
最初からまとまっているわけでもなければ、常にやり合っているわけでもない。何となくやってはいても、どの辺で結びついているのか、わからないですよね。みんな、ちょっとずつ隠しているところもあるし、ミハンに対する考え方も違うというのも面白いところではありますね。
沢村さんとのお芝居はいかがですか?
沢村さんはとても魅力的な方です。今回は、ちょっと調子がいいところと、少しマジなところがあるので、その辺のバランスをいつも監督と話しながら演じられているんです。いい加減そうに見えるところも本当にきめ細やかに作られているので、それを見ているだけで楽しいです。
ミハンシステムは、国民の個人データと、
過去の犯罪データを照らし合わせて事件が起きる前に
危険人物をリストアップするものです。
いまは誰もが携帯電話やスマートフォンを所有していて便利さを
享受していますけど、そういう中で疑問に思ったこと、
あるいは怖い経験などはありましたか?
僕自身は、みなさんほど便利に使いこなせていないと思いますし、だから怖さもよく分からない、というのが正直なところです。一応、スマホは使っていますけど、具体的なところは……。「便利だな」とは思いますよ。ただ、ビックデータというんですか?  知らないところで管理されている、みたいなことは、20世紀ではSFの話だったものが、もう現実としてある。犯罪捜査に利用されるというのは良いことのように思えるけど、100%信頼できるものなのか、というのは、僕らのようなアナログ人間には計り知れない部分です。いま、防犯カメラとかも凄いでしょ。日本にも1000万台くらいあるんじゃないですか?  中国には1億台あるっていいますからね。GPS機能も、誰でも利用していますよね。僕の行動なんて誰も興味を持たないでしょうけど、もしそういうものが悪用されたらえらいことになるな、ということはおぼろげながらわかります。便利さも必要だけど、人間に対する信頼も大事にしないといけないと思います。
最後に、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
刑事ドラマはたくさんありますけど、今回は「ミハン」という新たなものにチャレンジしていますので、その世界を一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

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