2019.12.26 thu. Update

interview#01

1年半ぶりの続編となりますが、再びこの作品に取り組むことになったいまの率直なお気持ちからお願いします。
沢村さん
いつ聞きました?
本田さん
結構、早い段階から。
横山さん
そうですね。
沢村さん
前作をやっているときから「続編あるんじゃない?」という話を、なんとなく現場でみんなと話してはいたんですけど、本当に決まったので嬉しかったです。
横山さん
沢村さんが今年の2月くらいに京都で撮影していらっしゃったとき、僕も京都でたまたま撮影していて、その時に「なんか、やるっぽいね」という話を。「やるみたいだね」「そうっすね」みたいな会話がありました。前作では、伊藤淳史くんが出てたんですけど、「俺、出られないよな~」って言ってたのが印象的でした。悪いことしちゃったんで、役で(笑)。
本田さん
続編が作られるっていうことは、支持していただけたということなので、素直に嬉しかったです。でも、続編をやるんだったら、やる意味とか意義をきちんと考えてやらないといけないな、と思いました。
視聴者のみなさんも、よりパワーアップした作品を期待していると思いますが、今回の脚本を読んだ印象は?
沢村さん
キャストが変わっているので……キャリア組には水野美紀さんが入られるので、楽しみです。あと、僕はもう52歳なので、結構ケガとか気をつけなきゃいけないなと(笑)。一応、体をほぐすようにはしているんですけど、準備はそれくらいかなあ。内容は、今回は、ミハンチームに予算がついているので、組織としてちょっとパワーアップしているというところもあるので、みなさんの期待に応えられるようなものをお届けできるんじゃないかなとは思っています。
横山さん
台本を読ませていただいて、やっぱりハラハラドキドキしました。クライマックスにとんでもないことが起きてるなとか。
本田さん
台本の一番最初、ビックリしませんでした?  1話の最初に、もうクライマックスの一部が書いてあったじゃないですか。「えっ?  こういうスタートするんだ!?」と思って。台本の一番最初がクライマックスの一部分から始まっていまして、そこから過去にさかのぼって物語が展開していくんですけど、その始まり方が、個人的にすごくワクワクする始まり方で、「こんなに和気あいあいしているミハンチームがどうなっていってしまうんだろう?」とか、そういうのを期待しながら読んでしまいました。まんまと脚本家さんの手中にハマってしまって(笑)。あと、大体ミステリーとかサスペンスって、「この人が犯人なんじゃないの?」って、ちょっと想像できることがあると思うんですけど、それが一切できないのもすごいと思いました。
ご自身が演じられるキャラクターで、どこを一番大事に演じたいと思っていますか?
沢村さん
ダークな部分。前作もそうだったんですけど、登場人物それぞれに陰の部分があって、今回そこがもっと膨らんでいるというか。しかも、井沢と山内の間に、変な空気が流れるんですよね。なので、暗くなりがちなので、はっきりと緩急つけて、ダークなところはドーンと入り込んでダークにして、そうじゃない普通の捜査の時は……もともと井沢は公安にいて、ミハンに来てからは、おちゃらけてるんですよね(笑)。そこの部分はしっかりと、本当に現場を楽しむようにしようと思っています。その緩急をしっかりつけないと、あんまり暗くなっても面白くないし、リアリティーばっかりを求めずに、ちょっと楽しく見られるところは楽しく、グーッと引き込むところは引き込む、当たり前のことなんですけど、そこはいつもよりもっと意識して、緩急をつけて井沢を演じられたらいいな、と。山内と小田切の関係もどうなるか。
本田さん
第三の男が出てくるんですよ。
沢村さん
ああ、そう。多分それは……。
本田さん
多分、そっちに行っちゃう。
沢村さん
その人が出て来た時は、小田切は、信じていたものが信じられなくなったりするんでしょ、きっと。
本田さん
そうなんですか?
沢村さん
多分、キスシーンとかもあるかもしれない。
本田さん
えーっ、緊張しちゃう(笑)。
横山さん
(笑)そうですね。僕、前回はミハンチームに新入りとして入ったんですけど、今回は時間が経過してて、逆に新入りが入ってきたりしていて。だから、潜入捜査なんかももう結構やってるという設定なので、「上手いことやってください」と。この前さっそく呼び込みの潜入捜査をやったんですけど、凄いリアルな場所で撮影したので、そういった部分も楽しみつつ、井沢さんがどんどん闇の部分に引き込まれそうになるのを全力で止めないといけないので、そこのパワーをしっかり持って、やっていかないといけないなと思っています。
本田さん
引き続き、潜入捜査が多いので、いろんな格好をします。あとは、アクションですかね。アクションもたくさんあるので、体は結構鍛えてます。週4でジム行ってます。
沢村さん
横山さん
へえ~、凄い!
本田さん
今週の話ですけどね、週4って(笑)。最近までドラマをやってて、それが終わったので。
沢村さん
配信は?
本田さん
時間がないからできないです(笑)。結構、小田切は男性恐怖症っていう闇というか、ダークな部分があって、そこのメンタルのケアをする施設に行くんですけど、そこである男性と出会って、どうなっていくのかとか、小田切自身も前回よりもいろんな面を見せられると思います。
前作からチームワークも出来上がっていると思いますが、改めてお互いのステキだなと思うところを教えてください。
沢村さん
全然気を遣わせないというか、いつもの部屋にいるみたいな感じで前室にいられるので、楽なんですよね。でもお芝居が始まったらみんな一生懸命やるし。そういう空気をそれぞれが普通にだして、そこにいてくれるので。翼ちゃんは、前回は柄本時生くんと結構仲良くしてたけど、今回いないから。
本田さん
前回私は、沢村さんとめちゃくちゃしゃべってたと思うんですけど(笑)。
沢村さん
でも、俺のイメージだと、時生くんとしゃべってるイメージだったんだけど。今回、(柄本)明さんと(笑)。
横山さん
同じ家族ですけど(笑)。
本田さん
まさかお父様とご一緒できるとはビックリです。
沢村さん
前回とは、だいぶ違った空気にはなると思うんですけど。きっとそういう風になっても、ふたりはマイペースに過ごすと思います(笑)。横山くんは、ずっとトランペットにミュートをつけて練習とかしてて。今回もライブあるので、きっと前回と同じような過ごし方をしてくれると思うんで、そういう風にあまり気を遣わせないでいてくれるところが素敵だと思います。
横山さん
でも、それは沢村さんが座長で、その空気感を作ってくれているからなので。本当にありがたいですし、沢村さんなんか「俺、台本憶えてきてないよ」って言って、本番ビシッとやってて、ホンマ夏休みとか勉強やってないとかいって、めちゃくちゃテストの点数がいいヤツみたいな(笑)。
沢村さん
一応、本は読んでるんですけど、『絶対零度』のセリフはまだ憶えられていないんですよね。
横山さん
そんなこと言って、やるんですよ、本番は。
本田さん
そうなんですよ。
横山さん
でも、(前作の)最終回のラストの日だけ、めちゃくちゃ噛んでたなって。そんな沢村さんが愛おしいというか。そういう沢村さんが真ん中にいてくれるから、僕らも伸び伸びやらせてもらってるというか。翼ちゃんは、僕もマイペースですけど、「こんなにマイペースな人おんのや」ってくらいの人ですし、本当にいい空気感でやれてるなと感謝してます。
本田さん
本当に沢村さんも横山さんも優しくて……ご飯も2回くらい行きましたよね?
沢村さん
うん、横山くんが率先して連れて行ってくれて。
本田さん
ある種ファミリーな空気感がある大好きな現場ですね。
公式サイトにも、続編を待ってくれていたファンのみなさんからのメッセージが寄せられています。みなさんにとってこの作品は、どういう存在ですか?
沢村さん
僕は、アクション映画を見るのが好きなんですけど、実際やってみたら大変だなと思う事が多いんです。でも、前回同様今回も藤井祐伍さんという方がアクション指導してくださるので。彼とは気が合いまして、すごく楽しみなんです、どういう動きをつけてくるのかっていうのが。「映画のあのシーンのこのアクションが好き」っていうと、すぐにつかんでくれて、その映画よりもかっこいい殺陣をつけてくれたりするので、そういうのをまず楽しみたいということと、前回と同じメンバーで、多分こういう感じでフワ~っとやってるんですけど、きっと撮影に入ると前回とはちょっと違う空気でみんな演じなきゃいけない部分が多いと思うんです。前回の空気ももちろん大事にしながら、でも、同じものじゃなくて、前回よりももっと面白いものを作りたいと思っているので、引きずっていい部分と切り離していい部分は、常に、現場に入った時に忘れないようにしながらやっていけたらいいなと思ってます。実際に僕が今まで演じていた役とは違うリアクションが視聴者の方たちからも多くて、「ああ、こういう役も楽しんでくれるんだな」ということを知ったと同時に、「こういう役もできるんだな」って自分でもちょっと驚いた部分があったりしたんですね。でも、そこに胡坐をかくんじゃなくて、もうちょっと新しいものを作っていけたらなって。あんまり気を張らないように。そこは、現場で作られていくと思うので、それを楽しみながら、同じように視聴者の方も番組を楽しんでいただけたらいいなと思っています。あとは、年取った自分も楽しめたらいいなって。「山内くん、よろしく!」って平気で言えるオジサン(笑)。「強そうだからヨロシク」とか。そういうチームワークみたいなものも見せられたらいいなと思います。
横山さん
居心地いい現場ではあるんですけど、それぞれみなさんプロの仕事をしてるというか、すごく学ぶこともたくさんあるし、緊張感もあるし、吸収できる現場ですね。自分が勉強させてもらえる現場やなと思います。沢村さんしかり、いろんなプロの方がいらっしゃるので、今回も何かひとつでも吸収できたらいいなと思います。
本田さん
私は、前回の『絶対零度』で初めてアクションをやらせていただいて、クールな役も初めてだったんです。だから、このドラマは、自分にとって新しい可能性を見つけさせてくれる存在です。
前作のラストは、ミハンメンバーそれぞれの正義感のあり方を問いかけられるような終わり方でした。今回は、さらにそれぞれの正義感が強く出ているように感じますが、演じる時意識したことや感じたことはありますか?
沢村さん
この1年半の間に、AIという言葉がものすごく生活の中に浸透して、去年これをやったときよりももっといろいろなことが起こるんじゃないかなって、多分視聴者の方も感じながら見てくださると思うんです。でも、機械が決めることではなくて、やっぱりそこには人の感情だったりがあるというのが番組のひとつのテーマでもあるので、僕は前回演じている時もそうだし、今回はそれよりももっと強く、「許す」っていう行為の尊さとかというものを感じながらやっていこうかなと思っています。井沢は、あるものをきっかけに、終わっていたと思ったことが、まだ全然プスプスくすぶっていて、それにポンと火がついちゃったりするので、許せてないんですよね、いろんなことを。なので、許せるのか許せないのかっていうのがテーマになっています。個人的にはですけど。理想は、許せるのが一番尊いと思っているんですけど、人間なので、相手が誰かによっても許せる許せないが変わってくるだろうし、それを大きなテーマとしてやっていけたらいいなと思っています。なんか世の中自体が全部許さない世界になりつつあるので、
横山さん
弱者を叩く。
沢村さん
うん。だから、AIっていう、本当に最新のものと、人の本当に大事な感情の部分とが一緒になったらいいなと思いながらやっていけたらいいなと思っています。
横山さん
前回の前半の方は、井沢に対して嫌悪感というか、自分の中の考えとは違ったことを考えていると思ったと思うんですけれども、だんだん井沢さんがやってることを「正しいんじゃないかな?」「正しいんだ」「これが正義なんだ」と思えてきて、それで今回になって、やっぱり井沢さんの人間性に惹かれている分、間違った方向に行かせてはいけないという思いがひとつあるので、山内の信念でどうにかして向こうの世界に行かないように頑張らないといけないんだなと思ってます。
本田さん
小田切はそうでもなかったです。前回と同じくらいですよ(笑)。
沢村さん
今回はもっと出てくるよ、きっと。
本田さん
アクションが増えてるっていうことは、それだけ正義感が増えているということかもしれないですね。
沢村さん
ラブもあるからね。ホント。
本田さん
どうしよう、緊張する(笑)。