2017.9.22 Fri. Update

インタビュー #1 スペシャル対談 弓神 適当役 浅野 忠信さん 羽生 虎夫役 神木隆之介さん

今回の企画を聞いた時の率直なお気持ちは?
民放の連続ドラマ初主演となりますが。
  • 浅野僕は、『3年B組金八先生』がデビュー作でしたし、木村拓哉さん主演のドラマ『A LIFE~愛しき人~』で久しぶりにドラマの世界に帰ってきて、それをきっかけに味をしめてしまったというか。もっともっとテレビに出て、おもしろいことができないかな、と思っていた矢先に、フジテレビさんから誘っていただけたので、もうこれはぶっ飛ばしていこう、と。メチャクチャやっていこうと、そういうつもりで頑張りたいと思っています。
今回は刑事役ですが、どのように演じていこうと思っていますか?
  • 浅野大体僕は犯人の役ばっかりだったので、犯人の気持ちはよくわかっています(笑)。そういう意味では、僕ほど刑事に向いている人間はいないんじゃないかと思っているので、大丈夫だと思います。
弓神適当(ゆがみ・ゆきまさ)はどんな刑事だと思っていますか?
  • 浅野「『適当』と書いて、なんて読むんでしたっけ?」っていうくらい適当なんですね、僕自身が(笑)。自分の役名もわかってないくらい適当なので、これはまさに自分にぴったりだなと思って。僕は、かなり適当な人間なので、ピッタリな役をいただいたと思っています。
神木隆之介さんとは初共演ですね。
  • 浅野先ほど、ティザースポットを撮影したんですけど、神木くんがいてくれて良かったな、と思いました。僕はもうすっとぼけていればいいだけで、そこに神木くんの鋭いツッコミが入ったりとか、「神木くんも結構ボケてない?」っていうようなツッコミが入ったりとかすると、この二人には捕まりたくないな、と思いましたけど(笑)。もう最初から最高のバディなので、もう全部お任せしようと思っています。
神木さんは初めての刑事役ですね。
  • 神木初めて刑事役を演じさせていただくのですが、ずっと前から取材では「スーツを着てみたい」ということを言っていたんです。学生服を着ている役を演じていたときに、「次はどんな役をやりたい?」と聞かれたので、「是非ともスーツを着て、何かに携われたらいいな」と言った矢先に、刑事という役をいただいたので、嬉しい気持ちでいっぱいです。
  • 浅野なるほどね。
  • 神木でも、刑事さんって、僕達の普段の生活の中では見えない存在ですし、どういう生活をされているのかとか、どういう風に捜査があったりするのかとかは、本当にドラマの中でしか知らないことが多いので…。もちろんドラマの中にも王道の刑事というものがありますけど、でも、ある種ドラマじゃないような、リアルな刑事さんたちが話す内容や態度など、そういう部分もしっかりと研究して、教えていただきながら演じていかなければならないなと思います。浅野さんとは、前に映画(『SURVIVE STYLE5+』)でご一緒させていただいたのですが同じシーンがなくて…その時にお会いしたのと、道端で偶然お会いしたことがあるんです。今回、初めて一緒に仕事をさせていただくのですが、本当に嬉しいです。一緒にカフェ巡りをしようかっていう話をして…。
カフェがお好きなんですか?
  • 浅野僕らからカフェを取ったら何もないくらい(笑)。
  • 神木本当に優しい方です。でも、これからは優しい浅野さんに鋭いツッコミを入れていかないといけないので。今日も少しだけお芝居をさせていただいたのですが、この先も鋭く容赦なく演じたいと思っています。
お互いに役者として、どんな印象を持っていましたか?
  • 浅野繊細でピュアな役っていうのが、神木くんから受ける印象はやっぱり強かったですね。『SURVIVE STYLE5+』でも、とてもピュアな息子を演じていましたから、そういうような印象はどこかにあったんですけど、今回会って、ちょっと一緒に演じただけで、神木くんの秘めていた鋭さだったり、ちょっとやんちゃな部分だったり、強い部分が見えて、「これは俺、ラッキーだな!」と思いましたね。こういう神木くんと一緒に出られるっていうのは、新しいなと思いましたね。僕の中では、新しさがちょっと見えた感じがしました。
  • 神木嬉しいです。僕が言うのはおこがましいですけど、前の映画でもそうですし、少し怖い役のイメージというか…血と雨が似合うというイメージだったんです(笑)。立っているだけで、背景の天気が変わっていくような、迫力とか威圧感とか、そういうイメージを持っていたんです、正直。でも、実際お会いすると、柔らかくて優しい方で、僕の中では浅野さんのイメージにはない「適当さ」やゆるい感じを間近で見られたので、僕は本当に幸せ者だなと思っています。そして、本当に怖いイメージだったのが、怖くないというのがわかったので嬉しいです(笑)。
バディとしてやっていく点でも安心感がある?
  • 神木そうですね。浅野さんにもお話させていただいたのですが、僕も意識的には、役だけではなくて、日常から少しずつ色々なところを拾ってツッコむということをやっていかないといけないな、と思っています。やっぱり、いくら本番だけやっても、呼吸とかリズムがあると思うので、普段からやっていきたいと思います。
年齢的には年下ですけど、神木さんにはキャリアがあります。
  • 浅野そうです。僕も同じような、10年だったり20年だったりを過ごしてきたけど、僕はある種、おじさんになってその年月を過ごしてきたわけで、神木くんはもっと若い時から同じ時間を過ごしてるから、受け取っているものが全然違うと思うんですね。本当に、現場での勘とか反応とかっていうのは、おじさんはついて行けないというか(笑)。できれば、このインタビューも全部神木くんに答えてほしいくらい(笑)。さっきも現場で、「神木くんについていかないとヤバいかも…」と思うくらいわかってないことが結構多くて。だから、とても頼もしいです。
今回の原作、脚本を読んで、ここら辺が面白くできそうだな、
といま思っていることは?
  • 浅野最初に原作マンガを読ませていただいて、いい意味で緩いというか…。「このマンガなんだ?」と思ったんですね。でも、そこが一番重要だと思ったんです。ということは、我々は遊んでいいんだ、みたいな。そこで結構、みんなで話が盛り上がったというのがあったので、原作の持つ緩さというのが、我々の楽しみのひとつなのかもしれないなと思います。もちろん脚本もとても面白いので、そういう意味では、あとは現場に行って、ああでもないこうでもないっていじくればいいのかなって思っているので、いろんなことがすんなり上手くいったなと思ってます。
  • 神木台本を読んで、こんなに人の腹黒さとかを描いていいんだと思いましたし、あとはプロデューサーや監督に説明していただく中で、「本当に自由にやってもらいたい」とおっしゃっていただいて。それこそ現場でも、セリフは書いてありますけど、もしかしたらセリフ以上のことも言っても平気かもしれないですし、全然違うことを言っても、もしかしたら許されるような環境になるかもしれないですし。どうなるかわからないですけど、僕らに自由な選択肢を与えてくださっている台本でもありますし、現場でもありますし、そういう方たちが今回はサポートしてくださっているので、安心して思い切りいろんなことを試せるような作品になるのではないかなと、今からすごくワクワクしています。やり過ぎて止められたとしても、それはそれで良いと思います。だけど、やり過ぎというのを1回やれる現場だという認識なので、これからすごく楽しみで仕方ないです。
羽生は、すごく真面目で、弓神とは対照的ですが、
そういう枠を飛び越えていくくらい?
  • 神木そうですね。弓神さんに振り回されているだけでは…。それもバディだと思うのですが、もう少し羽生も弓神さんを振り回してもいいのではないかなと思いますし、それがすごく人間臭くなればいいなというのもありますし、その二人が上手いこと交わって、面白くなったらいいなと思っているので、振り回されるだけじゃなく、時にはちょっと振り回してやろう、くらいの心意気でやってみたいという思いはあります。
  • 浅野僕も、羽生を振り回しちゃっているところは面白いなと思っているんですよね。「明日8時にな」って言って、行かないとか(笑)。本当に自分勝手に進めて、それに付き合わせている、というのがやりがいなあるなと思いました。
  • 神木もちろん捜査のときの会話もそうなのですが、たわいない会話も結構あって、お互いポンポンしゃべるようなシーンも短い文章であるんです。そういうところが、ドラマ全体の速度を速めたり遅めたりして、緩急が作り出されるような作品になるのかなと思っているので、そういうところも楽しみながら演じてみたいなと思いました。
改めて、キャラクターとして面白いと思っているところは?
  • 浅野やっぱり、適当なところですかね。もうそこが一番。例えば、この時計(と言って、腕につけている時計を見せる)なんてぶっ壊れてるんです。じゃあ、なんでつけてるんだって話なんですけど(笑)。そういうことって普通やっちゃいけないじゃないですか。でも、そのやっちゃいけないことをたくさんやっていいっていうのが、弓神のキャラクターだと思っているので、そこは現場でもいろんなアイデアが生まれそうだなと思って。
  • 神木羽生も真面目だけではないというか。思いっきり上司に媚びますし、相手をはめようともします。特に弓神さんをはめていかないと対抗できないシーンもありますし(笑)。今までの作品とかドラマは、正の部分というか表の部分という作品も多かったと思うのですが、今回は表と裏が交互に見えますし、しかも、天使の自分と悪魔の自分という、多分誰もが持っているような部分とかも羽生は表現していけると思うので、そこはギャップを作ろうと思っています。是非、楽しんでいただきたいです。

BACK NUMBER