interview

深山圭一役石橋凌さん

『やんごとなき一族』への出演オファーを聞いた時の感想は?
「漫画が原作ということで早速読ませていただきまして、これは面白い作品だと思いました。台本も読んだのですが、このドラマには近年世界的にも問題とされている格差や偏見といったテーマにも通ずる部分があると感じ、すごくタイムリーな作品になるのではないかと捉えています。」
演じられるのは、深山家当主の圭一役です。
「圭一は一見すると悪役かのように見えるのですが、単なる悪役ではなく、400年続いている家を守るという強い覚悟があるように感じます。なので、圭一自身の思いに寄り添って、役を演じていこうと思います。今まで私が演じてきた悪役たちは、精神的、物理的に貧しい環境に置かれるなど、生い立ちが不幸なことが多かったのですが、そういった意味で言えば、圭一は真逆の人物です。圭一の家族に対する厳しさ、怖さをどのように表現するかは監督と話し合っていきたいですね。」
深山家のような家系についてはいかがでしょう?
「私自身はこれまで、伝統や格式に縛られるようなことがあまりなかったので、率直に“このような世界もあるんだな”と思いました。深山家は町中の土地を所有しているという設定ですが、そのような町があったら行ってみたいですね。居酒屋へ飲みに行って、店の大将に“実はこの辺りの土地は全部俺のものなんだ”なんて言ってみたいものです(笑)。」
佐都役の土屋太鳳さんの印象はいかがですか?
「太鳳さんとは『哀愁しんでれら』(2021年公開)という映画で、父娘役で共演したのですが、今回は役どころが全く違いますから(笑)。太鳳さん演じる佐都の義理の父として対峙することになるので、どんな芝居が出来るのかを楽しみにしています。」
タイトルの『やんごとなき〜』にちなんで、石橋さんが感じられた“やんごとなき”出来事を教えてください。
「コロナ禍前のことですが、2019年にスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭に映画『ダンシング・マリー』(2021年公開)で参加しました。その時、バルセロナのホテルに宿泊したのですが、ホテルの屋上にバーがあると聞いて一人で行ってみたら、目の前にドーンとサグラダファミリアがそびえたっていました。普段はあまりスマホで写真を撮らないのですが、その時は思わず、写真だけでなく動画まで撮影してしまいました。以前、サグラダファミリアの中に入ったことはあるのですが、外からあれだけ大きく見ることができたのは本当に“やんごとなき”出来事で、素晴らしい一夜となりました。」
最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
「『やんごとなき一族』は非日常感を味わえるエンターテインメント作品ですので、皆さんにぜひ楽しんでいただきたいと思います。その上で、この作品を通して“格差や偏見といった不条理がいかにつまらないことか”というメッセージを伝えられたら嬉しいです。」

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