interview

深山久美役木村多江さん

『やんごとなき一族』への出演オファーを聞いた時の感想は?
「世界中でジェンダーレスの議論が進んでいますが、この作品は男権的な社会構造を描いている作品だと思いました。でもだからこそ何かを変えていこうという勇気をもらえるストーリーだなと。登場人物の泥臭さや滑稽さが、このドラマの面白さになっていくと良いだろうなと思いました。」
では、原作も読まれて?
「はい。登場人物の関係性がある意味分かりやすく、だからこそ、読んでいて勇気をもらえるのだと思います。また、実際にこんな人たちがいたら面白いなと笑ってしまう場面もあるので、それをドラマとして、役者が演じたらより面白く、多面的な描写になるのではないかと感じました。」
久美をどのように演じようと思いますか?
「久美は一見、旦那さんからの理不尽な言動にただ耐え忍んでいるように見えますが、その根底に“自分が耐えることで、愛する子供たちを守る”という信念を感じ、実は強い女性なのではないかと台本から読み取りました。女主人としてのプライドもちゃんと持っているので、佐都(土屋太鳳)との出会いによって変わることができるとも思えます。原作の久美にはとらわれすぎずに、自由にお芝居したいなと思っています。また、久美にはちょっと天然な一面もあるので、そこも面白く見ていただければ嬉しいです。」
佐都を演じる土屋太鳳さんのイメージは?
「太鳳ちゃんはすごく明るくて可愛らしくて、なんて美しい人なんだろうと。そんな太鳳ちゃんが、何かと理不尽な目に遭う佐都を演じるからこそ、皆さんが応援したくなるんだろうなと思います。また、芯がしっかりされた方なので、そこも佐都にピッタリですし、楽しみです。」
久美の夫で深山家の当主、圭一役の石橋凌さんはいかがですか?
「20年以上前になりますが、私が初めて連続ドラマに出演した時、石橋さんとご一緒させていただいたんです。もう、何て素敵な方なんだろう!と思って。ただ、その時は何を話せば良いのかわからなくて、“今日は良い天気ですね”みたいな些細なことを、ものすごく勇気を振り絞って話した記憶があります(笑)。ご一緒するのは久しぶりですが、圭一役が石橋さんだったらすごく素敵!と楽しみにしているので、良い夫婦像を作っていけたらいいなと思っています。」
タイトルの『やんごとなき〜』には高貴、すごい、とんでもないという意味があります。木村さんが経験された“やんごとなき”出来事は?
「実は…おととい(インタビュー時)、転びました(笑)。スカートの裾を踏んで転び、膝を擦りむいてしまって、今も絆創膏を貼っています。私って、どうして私っていつもこうなんだろう?と思ってしまいますが、最近の“やんごとない”出来事です(笑)。」
最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
「とにかく理不尽なことがたくさん起こるのですが、それらを振り払いながら一歩ずつ前へ進んでいく佐都の強さ、そんな彼女の姿を見て、“自分はこういう境遇だ”と決めつけていた深山家の人々にも変化が訪れます。“周りの人を変えるには、自分が変わるしかないんだ”という勇気を与えてくれるようなドラマになると思います。テレビの前で、“おい!それはないだろう!”とつっこみながら、楽しくご覧いただけたら嬉しいです。」

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