interview

深山健太役松下洸平さん

健太をどのように演じようと思われますか?
「確かに深山家は本当にやんごとない名家でして、しきたりや家の独特なルールなど一般庶民では非常に理解し難いものがあります。でも、そもそも健太はそういったものに反発していて、家を出ています。健太自身は一般の方と同じ価値観や考え方、行動一つをとっても良い意味で普通なんです。ですので、僕は御曹司だからこうしなくてはいけないということにはあまりとらわれず、自然体に演じていけたら良いのかなと思っています。ただ、深山家は400年も続く家系で、健太も家を出ていくまではそこで暮らしていたので、随所に育ちの良さも出ると思うんです。それをどのくらい出せば良いのかは、監督と相談しながら表現していきたいです。先日、健太の衣装合わせをしたのですが、彼の着ているスーツや腕時計など、家を出てから身につけているものは、そんなに高級なものではありません。とはいえ、深山家に戻ってから急に高級なものを身につけるのもおかしいので、彼自身は見た目も普通だと思います。」
健太は佐都(土屋太鳳)と深山家に戻ることになりますが、松下さんご自身だとしたらどうしますか?
「これは究極の選択ですね。深山家にいれば経済的には何も不自由のない生活が出来ますし、きっと仕事も苦労することはないでしょうし。でも、それと引き換えに何かを捨てなければいけないとなった時、その“何か”が深山家の人々には理解出来ない、人として大切なものだったりするんですよね。なので、僕だったら…なんとか(家から)離れる選択と戻る選択の中間ぐらいにいたいと思うのですが(笑)。深山家では無理でしょうし…結局家は出てしまうかもしれません。」
健太は、なぜ佐都を選んだのでしょう?
「健太が佐都のどこに惹かれたか?を考えると、自分にはないものが彼女にあったからではないでしょうか?一番大きなものとして、家族の絆があります。深山家はそういった家族の絆も欠落していますので。佐都の家族を大切にして、自分が住んでいる町の人たちとも絆を深めて幸せに暮らしている姿に、健太はとても憧れ、魅力的だと思ったのだと思います。また、佐都は思い切りの良さから突拍子もない行動をすることもあるのですが、そういうところにも健太は引っ張られ、励まされたり、助けられたり、支えられます。それは健太にとって新鮮で、自分に足りない部分、求めていたものだったのかと思います。健太にも思ったら突っ走ってしまう面があるのですが、そこは“世間知らずのおぼっちゃま”のようにはならないようにしたいです。」
佐都を演じる土屋さんとの共演で楽しみになさっていることは?
「土屋さんはいつも明るくて、あまり人見知りをするような方ではないと感じました。何より誰かと話す時などの接し方がすごく丁寧なんですよ。だから、下町で育った威勢の良い佐都を土屋さんがどう表現されるのか、めちゃくちゃ楽しみです。喋り方や表情、健太と二人きりになった時とか…。あと、もしかしたら、ちょっと天然というか、時々、土屋さんからふわっとした雰囲気を感じるので、僕もふわっとしたところがあるのでもしかしたら似ているところがあるかもしれないです(笑)」
健太と佐都の二人きりのシーンは楽しみです。
「深山家の家族のシーンはギスギスして息苦しく、緊迫したものが多くて、見てくださる方も“何て家なんだ!”と怒りさえ感じられるかもしれません。そういう胸がギュッとなるような感じとは対照的に、健太と佐都二人きりのシーンではホッと出来るように、少し可愛らしくお見せ出来たら良いですね。そこは土屋さんとも相談しつつ作っていきたいと思います。」

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