interview

篠原佐都役土屋太鳳さん

『やんごとなき一族』の原作は読まれましたか?また、台本を読まれていかがでしたか?
「はい。もちろん読みました。パワフルであると同時に、とても繊細な作品でもあると感じました。家族の話って、どんなに自分たちの環境と離れているようでも、突き詰めると心の動きなどはそんなに差がないと言いますか、すごく共感出来るようなストーリーだと思いました。結局、どんなにお金を持っていても家族に裏切られたら悲しいし、寂しいし、信じることが出来なくなったら苦しいですよね。原作だと“こんなことあり得ないよ”というようなシーンもあるのですが、そんな場面ほど普遍的な切なさを感じながら引き込まれました。ドラマの台本からは、すごく愛に溢れている作品だと感じました。原作に対するリスペクトやキャラクター、ドラマを見てくださる方々への愛も詰まっていると思います。私も脚本から感じられた愛を損なわないように、見てくださる皆さまに伝えたいと思っています。」
ドラマでは衝撃的なシーンも用意されていますよね?
「“えっ?(佐都は)そんなことされるの?”というシーンは確かにありますね(笑)。でも、もしかしたらどんな世界にもあり得ることじゃないかな?と思うんです。そういう感覚があるから、見てくださる方も、驚きながらも楽しんでいただけるんじゃないかな?と思います。(深山家の)ルール的な話は、わりと共感出来る気がしますし。普通の家庭や職場、学校の部活でも“謎なルール”があったり、強烈な上下関係があったりするじゃないですか?ですから、意外と“こういうこともあるな”とか“こういう人っているよね”と思っていただけそうだと思います。作品にはいろいろな夫婦の関係性も描かれますが、もしかしたら“やんごとなき一族”には“人間らしさ”が詰まっているのではないでしょうか。」
演じられる佐都に共感できる部分はありますか?
「まず家族を大事にする気持ちには共感できます。ただ、佐都は天真爛漫なのですが、私は天真爛漫というよりは幼稚なのかな?(笑)。また、佐都は“前向きな性格”なのですが、私は“前のめり”になってしまいがちかも(笑)。私と佐都は似ているようで違います。ですから、私にとって佐都は憧れの存在で、少しでも近づけたらと思うような存在なので、友人にいたら良いなと思います。佐都を描いた原作のこやまゆかり先生が、実写化するなら私にしたいと思ってくださっていたと伺って嬉しいですし、その思いに恥じないように愛情を込めて作品に向き合って、戦っていきたいと思っています。」
もし、土屋さんが佐都と同じ立場になったら深山家に入りますか?
「私も一度戦うというよりは、深山家と向き合ってみると思います。人生は一度しかないので、経験出来ることはしてみたいと思うんです。なぜ佐都が深山家に向き合おうとしたのか?ですが、多分、佐都が辛い時にも健太(松下洸平)が向き合ってくれたからだと思うんです。ドラマは二人が結婚しますというところから始まるのですが、それ以前の二人の関係性を考えています。きちんと向き合ってくれるパートナーがいたら、その方の家族ともきちんと向き合いたいですね。」
健太はどのような人物だと思いますか?
「凜としているイメージですね。健太は庶民的な雰囲気で描かれていますが、やはり育った環境から、挨拶の仕方や、物の渡し方といったちょっとした仕草がしっかりと出来ているのではないでしょうか?そして、交際相手は自分の鏡になると言われますが、健太の鏡である佐都もどこかに凛としたものを持っていると思います。お互いがそういう似た部分に惹かれあったのではないでしょうか。そんな二人が深山家で、どんな生活を送るのか?ぜひ楽しみにご覧ください。」

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