母と二人で大衆食堂・まんぷく屋を営む下町育ちの女性。芯が強く、明るい性格で、食堂の看板娘として常連客からかわいがられている。交際中の深山健太(松下洸平)からプロポーズされ、それを受け入れるが、身分の格差を理由に深山家の親族からは結婚を猛反対される。それでも純朴で庶民的な健太を信じ、駆け落ち同然に入籍。はじめは深山家の旧態依然ともいえる上流社会ならではのしきたりの数々に納得できずにいたが、健太の心中に“深山家を普通の家族にしたい”という願いがあることを知り、深山家に入って健太とともに戦うことを決意する。
佐都の夫。400年以上続く由緒正しき名家の次男でありながら、明るく気さくな性格で、教養もあるジェントルマン。独裁的な父・圭一や深山家の慣習に対して幼い頃から嫌悪感を抱いていたため、学生時代に家を出て一人暮らしを始める。佐都と出会い、人情味あふれる彼女の家庭に憧れを抱いており、深山家のことも“家のために誰かが傷つき、犠牲になるようなしきたりや、親族同士の争いごとのない、普通の家族になりたい”と願っている。佐都との結婚後、圭一の策略によって再び深山家での生活を始めることになる。
深山家の長男。引っ込み思案な性格で目立つことを嫌っている。父・圭一が経営する不動産会社で働き、跡取りとして次期社長候補と言われるも、その出世欲のなさと気の弱さが災いし、圭一からは冷ややかな目で見られている。そんな中、弟の健太が深山家に戻ってきたことで、自身の跡取りとしての立場はさらに危ういものに。佐都たちが深山家を変えようとしていることを内心うらやむ一方で、気を強く持てない自分に対して嫌気がさしている。
明人の妻。老舗和菓子店の娘であり、長男の妻として深山家に尽くしてきた。深山家の理不尽なしきたりに対しても理解があり、親族からの評価も高い。夫の明人を深山家の跡取りにすることで自分の地位を高めようともくろむ一方、誰にも言えないある大きな秘密を抱えている。庶民の家庭から嫁いできて、次期女主人の立場になった佐都のことを目の敵にしている。
深山家の三男。奔放かつ楽天家な性格で、父・圭一に与えられた美容クリニックのオーナーとして働いている。妻のリツコとともに一流の品々に囲まれる煌びやかな生活を送っており、一見誰もが憧れるような、仲むつまじい理想の夫婦だと思われている。しかし実際は、圭一が深山家の利益のために強引に進めた政略結婚であり、その夫婦仲は冷え切っている。
大介の妻。日本一のホテルチェーン「ザラスホテルグループ」の一人娘であり、日頃から派手な生活をしている。政略結婚した夫・大介のことで大きな悩みを抱えながらも、その心中には秘めた思いを抱えている。お互いを支え合う佐都と健太の姿を見て、徐々に心を揺り動かされていく。
深山家の末っ子。大学生で、きょうだいの中では唯一の独身。天真爛漫さゆえの歯に衣着せぬ物言いと、末娘ならではのわがままで周囲を困らせることもしばしば。家族の在り方を変えようと奮闘する佐都たちのことを冷めた様子で見つつも、深山家の時代錯誤ともいえるしきたりの数々にうんざりしている。
健太の秘書。健太の学生時代からの友人であり、憧れの存在でもあった。父親は大物政治家。容姿端麗で、上流階級としての教養も兼ね備えており、深山家の人々からの信頼も厚い。かつて恋人と共にフランスへと渡ったが、とある理由で帰国。深山家当主・圭一が経営する不動産会社で、健太の秘書として働くことになる。
佐都の母。数年前に夫が他界してから、地元で愛されている大衆食堂「まんぷく屋」を佐都と二人で切り盛りしてきた。店の常連でもある健太のことをとてもかわいがっており、二人の結婚を心の底から祝福している。大切な娘が名家・深山家に嫁ぐことになり、心配しながらも佐都の背中を押す。
圭一の母であり、先代の女主人。上流社会で誰もが頭を下げるほどの地位にあり、その雰囲気は威厳に満ちている。深山家のしきたりを重んじており、“深山家の跡取りの嫁は、一族の発展のために人生の全てを捧げるべき”という考え方の持ち主。腰を痛めて静養していたが、佐都と健太の結婚後、再び深山家で暮らすことになる。