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なんでそうなった!? ナゾ過ぎる岩

『鬼滅の刃』のあの岩にそっくり!?真っ二つの岩!

鬼と化した妹を人間に戻すべく、仲間たちと共に鬼たちと闘う姿を描いた大ヒット漫画『鬼滅の刃』。 その中に、主人公・炭治郎が、師匠の鱗うろこ滝から『この岩を切れたら、最終選別に行くのを許可する』と命ぜられるシーンがある。 固い岩を刀で切るという、とてつもない試練を与えられた炭治郎。 厳しい修行を重ねた末、ついに真っ二つに切ることに成功!というものだが、なんと炭治郎が切ったものとそっくりな岩が実在するというのだ!
その名も…割石(われいし)

その割石があるのは、島根県安来市の『天馬山(てんばやま)』。 標高は250メートル。 周囲には他に高い山がないことから、地元では落雷で岩が真っ二つに割れたという噂がある。

その真相を確かめるため、いざ『鬼滅の刃』の世界へ! 案内してくれるのは、地元の学芸員・中村さん。
山頂近くまで、20分ほど登っていくと…あった! 「割石」の看板。 そこから少し谷を降りて…さあ『鬼滅の刃』に出てくる岩とソックリな岩とは?

ターゲット、ロックオン!
まさに、一刀両断! 炭治郎が、刀で真っ二つに切ったかのような綺麗な断面だ。 しかも『鬼滅の刃』に登場する岩は、165センチとされている炭治郎の身長から推測すると、高さはおよそ2メートルだが、この『割石』は高さおよそ4メートル、幅およそ6メートルもある!

なお、この岩は『花崗岩』という、岩の中でもかなり硬い種類だというのだ。 そんな硬い岩が、何故こんなに綺麗に真っ二つに割れたのか?! 案内してくれた中村さんは、こう推理した。
中村「おそらくあの石は、山のもう少し高い所にあって、いつの時代かに(山頂付近から)ゴロンと谷底に落ちたのだと思います。」
その落ちた衝撃でヒビが入り、後に何らかの原因で割れたのではないか? しかし、これはあくまで個人的な推測の域を出ず、正しいのかどうかは分からないという。

そこで我々は、ある方に分析を依頼。
その人物とは…物心ついた時には、すでに岩に夢中! 研究者として岩石を愛し、岩石に愛された、若きエキスパート! 関西学院大学、下岡和也助教、27歳!

早速、割石の映像を見て頂いた。
すると…
下岡「あんなに割れにくそうな固い岩に対して、人の手が加わったように、スパァーンと割れているという、この状態。すごく大きな力を感じるし、ロマンがあるなと思いました。」
すぐに心奪われたご様子! という事で、聞いてみた。 なぜ、花崗岩という硬い岩が、まるで炭治郎がスパッと切ったかのように割れたのか?
下岡「花崗岩には性質上、割れやすい面というものがあります。そこから割れたと考えられます。」

『花崗岩』とは、マグマが地下(深く)で冷えて固まった事で出来た岩で、この割石も元は、およそ6000万年前に形成された。 その固まる際、体積が縮む事によって、圧が掛かり、微かに割れ目が出来るのだという。 その後、地表の浸食などによって、長い年月をかけ隆起し、地上に出てくる。 すると、土の重さなど 周囲からの圧力が減っていくと、元々あった小さい割れ目が広がっていく。

さらに、地上に出てくると、雨に晒される。 その雨水が割れ目に染み込み、風化し削られていく。 同じ理由で、周りも削られ、丸みを帯びる。 そして、花崗岩は縦や横の方向に真っ直ぐ綺麗に割れるという性質がある。

つまり、中村さんが推測したように、この花崗岩は何かのはずみで谷に転がり、その衝撃で元々の割れ目からパッカリ割れた。 あるいは、転がってきた花崗岩のひび割れた部分に、ちょうど別の岩が直撃! それによって割れたのではないかと、下岡先生は推測した。
下岡「花崗岩は先程言ったように、縦とか横に綺麗に割れるという性質はあるんですけど、それが大きな岩の中心からスパッと割れていて、しかもそれが『鬼滅の刃』のあの大岩と同じように綺麗に割れているというのは、すごく奇跡的なんじゃないかなと思います。」

神社を飲み込んだ岩!?

郊外の山の麓にひっそりとたたずむ鳥居。 ここは、福島県只見町(ただみまち)にある、三石神社。 実は、この鳥居の向こうに神社を飲み込んだかのような巨大な岩があるというのだ。
そこはパワースポットとしても大人気。 休日には社殿が見えなくなるほど、人が殺到しているという。

そして、登ること20分。 その岩の場所へ到着! いざ、神社を飲み込んだ岩へ、参ります。
ターゲット、ロックオン!
なんと、社殿の上に巨大な岩が乗っかっているではないか! まるで、岩が神社を飲み込んでいるように見える。 岩の大きさを計測したところ、高さは、およそ6メートル、幅およそ15メートルもある事が判明。

なぜ、こんな大きな岩が社殿の上に乗っかっているのか? その答えは、実に単純明快。 この岩を横から見ると…岩が土の中に埋まっているのがわかる。
社殿の上の岩は、元々このような形だったが、下の部分に割れ目があり、そこから風化、崩れ落ちたと考えられるという。 だが、その大部分は地中奥深くまで埋まっているため、安定。 のちに、その隙間に神社の社殿が建てられたのだ!

平安時代、この地で暮らしていた僧侶が夢枕に立った神霊のお告げに導かれ、巨大な岩を御神体として祀り、その下に社殿を建てたと言われている。
特別に社殿の中を見せてもらうと…屋根と壁の一部に岩を利用している。 地面との隙間の部分だけ、ピッタリと寸法を測り、木造の社殿を建てたのだ。 よって、社殿が重みで潰れることはないという。

だが今後、この岩が崩れ落ちてくる危険性はないのか?
という事で!教えて!下岡先生!
下岡「この岩石、VTRで見る限り、凝灰角礫岩という侵食に強い岩石だと思います。なので、地質学スケールで言いますけど、千年とか万年とかかかって進んでいく過程だと思うので、少なくとも我々が生きているうちは、問題ないのかなと思います。」

400年も宙に浮き続ける岩

雄大な日本海を望む、新潟県・佐渡島。 その海岸に、とんでもなく危なっかしいが、映えスポットに最適と話題の岩があるという。 地元の観光ガイドの方に聞いてみると…
ガイド「それは、相川の弁慶のはさみ岩の事ですね。」

〜まんが佐渡 昔ばなし 弁慶のはさみ岩〜

むかし、佐渡島のあるところに、それはそれは、力持ちで、みんなから弁慶と呼ばれる若者が、おったそうじゃ。 すると…噂が耳に入った地元の鬼が、ある日、弁慶を山で待ち伏せして、こう言ったそうじゃ。
「どうだ俺さまと力比べしようじゃないか!」
弁慶「おう、望むところだ!」
すると弁慶、そばにあった、大~きな岩を、ひょいと担いで力の限り投げ飛ばすと、はるか遠く、10キロ先まで飛んで行き、鬼はビックリ仰天。 舌を巻いて、すたこらさっさと逃げ出したそうじゃ。

ガイド「岩がこう2つあるんですけど、そこにすぽーっと巨岩を挟んだんですね。そういう伝説があります。」
どうやら、江戸時代の初期には、すでにこの伝説はあったと言われているよう。 つまり、少なくともおよそ400年の間、岩はぴったり挟まったまま、宙に浮いているという事になる。 果たして、そんな事がありうるのか?

という事で、調査開始!
だが、我々だけだと心許ないので…
たすけて!下岡先生〜!
研究室を飛び出し、下岡先生 見参!

そして、いざ!伝説の岩と対面! 宙に浮く岩に、一同驚愕!
ターゲット、ロックオン!
絶妙なバランスでその姿を少なくとも江戸時代から約400年以上、保ち続けていると言われるが、一体なぜ、こんな形になったのか!?

岩のためなら恐怖も何のその、先生は挟まっている岩を計測。 これは流紋岩で、幅・奥行は、およそ1.2メートル、長さはおよそ2.5メートル。 切ったケーキのような形である。 さらに、重さは少なくとも4トンはあると判明。

次に先生は、双眼鏡で観察。 すると…
下岡「両端(挟んでいる岩)を見てみると、こんな方向で両方とも、ミルフィーユのような美味しそうな縞模様みたいなのが見えるかなと思います。」
さらに、挟まっている岩にも縞模様がある事を確認。 つまり…
下岡「この両端の岩と挟まっている岩、同じ岩であるというふうに考えられます。」

そして、導き出した先生の結論は?
下岡「大きな岩の中に割れ目ができて、その割れ目から、徐々に徐々に岩石がボロボロに風化していったんじゃないかなと思います。そして、こういう道みたいなのができて、そのどこかの過程でその割れ目に両側から岩石が落っこちてきた。それでちょうど綺麗に挟まったんじゃないかと思います。」
両側のどちらかの巨岩から崩れ落ちた岩が、ちょうど割れ目に引っかかった、という結論であった。 なお、先生曰く、我々が生きている間に落ちてくる事はないそうなので、ご安心を。

反物理!?超絶バランスの岩!

滋賀県と三重県の県境にある、御在所岳。 ここに、ハラハラドキドキ出来る岩があると聞いて、やって来たのは…
お願い!下岡先生〜!
ウキウキワクワクしている下岡先生、再び見参! という事で、いざ入山。

ここにあるのは、『地蔵岩』と呼ばれる岩。 『地蔵岩』というくらいだから、神秘的な力によって作られた岩なのか?

どんどんと登っていくと…個性的な岩に、先生、テンション爆上がり! さらに…目的とは違うが、先生のハートを射抜いた岩、発見!
ターゲット・ロックオン!
2つの大きな岩が、斜めの状態で止まっている! まるで、岩が岩をおぶっているかのよう。 なんと、江戸時代からこの体制を保っているのだという。

この岩に胸キュン状態の先生、勝手に調査開始。 スタッフも巻き込み、計測すると、高さはおよそ8メートルある事が判明。 重さは…150トン以上!

さらに、一見、倒れてしまいそうに見えるこの岩。 専門家によると、岩の重心はこの位置にあると考えられる。 重力により、この支点を中心に、回転しようとする力が生まれるのだが、小さな岩が大きな岩を押し返す力が、回転しようとする力以上に働いているため、奇跡的なバランスを保ち、倒れないのだという。

本来の目標、『地蔵岩』目指して、再び出発! そして、山の五合目付近、標高887メートルに差し掛かった時だった。
ターゲット、ロックオン!
一辺がおよそ1メートルの立方体型の岩が、高さ2.5メートルの2つの岩の隙間に、超絶バランスで挟まっているではないか! 全体のフォルムがお地蔵様に似ていることから、『地蔵岩』と呼ばれるように。 だが、一体なぜこんな不可思議な状態が出来上がったのか!?

テンションMAXの下岡先生、調査開始! 果たして、この超絶バランスの岩、誕生の真相は!?
巨大な2つの岩の隙間に超絶バランスで別の岩が挟まっている。 ミステリアスにも程がある『地蔵岩』。 近くに岩が落ちてくるような斜面はないため、落下した岩が偶然挟まったとは考えづらい。

まず、下岡先生は、挟まっている岩の重さを測定。
下岡「出ました。何となく4トンいかないくらい。」
この険しい崖に、重機や車は上がれるはずもなく、人為的に岩を乗せることは不可能。 先生は一目で『花崗岩』だと特定したが、念の為、本当にこの山で出来た岩なのか、近くにある岩を砕き、見比べて確認。 その結果、ここで誕生した事は間違いないと判定。

そして!先生が出した結論とは!?
下岡「上にのっかってるやつも、両端のやつも、元々1つの大きな岩だったと考えられます。」
『花崗岩』は『割石』で説明したように、真っ直ぐ綺麗に割れる性質がある。 つまり、地蔵岩は、元々このような形だったが…縦と横にそれぞれ割れ目があり、風化と共に広がっていった。 そして、柱になっている岩が縦に割れ、分断。 次に上部が完全に割れる。 その際、ちょうど縦の割れ目に挟まり、地面に落下せず、このバランスになったと結論付けた。

元々1つだった岩が、自然の力によって、この絶妙なバランスを保つ形に出来上がったのも奇跡。 現在も落ちていないのは、さらに奇跡なのだと言う下岡先生。
下岡「あの岩は、昔、地下10キロくらいのところにあった岩石なんですね。その時代は、ティラサウルスの仲間などが地上を歩いていた時代です。そんな時代に作られた岩が(地上に)上がってきて、それでもまだ飽き足らずに、今あんな感じで『見てくれよ』と言っているような感じなので、我々に素敵なメッセージを残そうとしてくれているような、花崗岩のメッセージが聞こえるようなバランスだと思います。」