4月1日 オンエア
独身OLの人生を変えたWebページ
 
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今から8年前の4月1日。
OLの幸子は、この日も残業して帰宅。 いつもと変わらぬ平凡な一日を終えようとしていた時…ふと、あるブログに目が留まった。
そして…たった一つのブログが彼女の人生を大きく変える事となる。

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4月1日、WEB業界では毎年この日に、「ネコでもプレイできるネコ用コントローラー!」や「宿題をぜんぶやってくれるパソコン!」など、ウソネタで話題を作る慣わしがある。 そしてここ、東京のWEB制作会社『LIG(リグ)』でも、エイプリルフール用のネタを考えていた。 いままでと同じようなことをやってもつまらないと…「マジだけど、ウソっぽい企画」を立ち上げることにした。
その企画の中心人物は、中堅社員の竹内紳也、当時30歳。 通称、紳さん。

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竹内はIT業界での経験は全くなかった。 しかし、彼には突拍子もない発想力があった。
「水中で麻雀をやったらどうなる?」と、実際に水中麻雀の動画を撮影。 注目を集めたところで、「でも圧倒的に快適なのはこちら」と、オンライン麻雀のCMに繋げる企画などを発案。

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ユニークな発想の持ち主だが…プライベートではうだつの上がらない男だった。 唯一の趣味といえるのは、高校の頃からはまったオンラインゲーム。 半ばひきこもりのような生活を送っていた。
そんな彼が考えたのが、「会社のブログでお嫁さんを募集すること」だった。 恒例のウソ企画だと思わせておいて、実はマジだったと読者をダマす企画。

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マジだけどウソっぽいエイプリルフール企画、「お嫁さん募集」のサイト制作が始まった。
写真はプロのカメラマンを雇い、気合を入れて撮影。

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文面はエイプリルフール企画ではあるが、今回は本当のことを書くのがキモ! なので、素直に本心を綴った。
「独身女性の皆様、この記事をご覧になって頂きましてありがとうございます。皆様に伝えたいことはたくさんありますが、シンプルにまとめると『愛する人と結婚がしたい』ということであります。」
「多くの人を驚かせたいし、『嘘をついても良い日』にあえて本気で嫁を募集する僕のユーモアさを表現しようと考えました。こんな僕のキャラクターを受け入れてくれる、そんな方と出会いたいという思いを込めて。」

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自己紹介とともに「未来の奥さん」に対し、素直な願望も記していた。
「長男として、いつかは実家に帰って両親のケアをする責任があると感じています。もし結婚して家庭を作るとなった場合、一緒に長野県の田舎で暮らして欲しいと思います。」
しかも、最後にはこんな要望も。
「下記の条件に当てはまる方、歓迎します。『会社の広報担当の方』」
あわよくば、ビジネスパートナーにもなってほしいという本心も!

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こうして「ブログでお嫁さん募集」のページが完成!
エイプリルフール企画であることを演出するため、4月1日 午前0時 丁度にアップ! それを見たのが、幸子だった。

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そして…なんと、女性からの応募が来ていたのだ!
合計14通の応募の中に、1通、他とは一線を画すものがあった。 何やらパワーポイントで作られた「提案書」付き。 幸子が書いたものである。

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写真を添えて丁寧に書かれた自己紹介の後、一見ハードルが高そうな竹内の要望に対し…
「元々田舎出身なので、むしろいつかは田舎で暮らしたいです。」
と、見事にマッチング!

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さらに、ビジネスパートナーになって欲しいという条件には…
「広報担当ではないですが、PR会社のプランナーです。プレスリリースは年に100本くらい書いています。」
業界も同じで、話題に事欠かないであろう。 これまたマッチング!
しかも、「もともとLIGのワークのファン」。 竹内の存在は知らなかったが、彼の会社が制作するページが好きだった。

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そして、提案書のタイトルは…「結婚のご提案!」
「私が好きなタイプ、自分の仕事に誇りを持って全力で打ち込んでいる人、ユーモアのある人、心から尊敬できる人。まさに…竹内さん!」
「私は本気です。エイプリルフールネタでないことを信じています。」

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だが、それから1週間経っても、竹内からの返信はなく、竹内のブログにも続報はなかった。 幸子は、やっぱりエイプリルフールのネタだったのかと思った。
一方、竹内はこんなメールを書いていた。
『誠に申し訳ございませんが、今回はお断りさせていただきます。』
果たして、竹内の真意は?

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お嫁さん募集がアップされてから11日後。 幸子がいつものように会社へ向かうと…とある商談に同席してくれと言われ、会議室へ。 そこには、ブログで奥さんを募集したあの竹内がいたのだ!
やがて、竹内の進行でプレゼンが始まった! そう、実はこれ、プレゼンの形を取ったサプライズプロポーズだった!
そして…プロポーズは見事成功!

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今回、幸子さんご本人にも取材を申し込んだが、カメラの前にでるのは恥ずかしいということで、メッセージをいただいた。
今回のサプライズに対して…
「もちろん驚きましたが、もういつでも竹内さんと結婚する覚悟は決めていましたので、喜んでお受けしました。」

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エイプリルフールにちなんだ、マジだけどウソのような企画には、まだ続きがあった。
竹内さんは、持参した婚約指輪をその場でプレゼント。 さらに、記入済みの婚姻届を差し出すと、幸子さんはみんなの前でサイン。
こうして竹内さんは、4月1日の募集から11日後、実際に出会ってから3時間弱で正式に結婚したのだ!

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ウソのようなアンビリバボーな出会い、結婚から8年、気になる現在は…?
竹内さんは、フリーライターとして独立。
奥さんとも夫婦円満だ。

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最後に竹内さんは、こう話してくれた。
「女性と接したことがなかったので、そもそもあの企画をやっていなければ、結婚とかまずしてないと思いますし、女性とうまく話すこともできないままだったんじゃないかなと思いますね。エイプリルフールに感謝。勢いをつけてくれた4月1日に感謝ですね。」