2月18日 オンエア
「チャンピオン」にはモデルが実在! その知られざる熱い生き様とは?
 
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1970年代に絶大な人気を誇ったバンド「アリス」。 そんな彼らの最大のヒット曲といえば…「チャンピオン」。 オリコンチャート1位を獲得するなど、まさに一世を風靡したヒット曲だ。
実はこの曲には知られざる秘密がある。
曲を作ったご本人に聞いてみた。
「イメージとして、この人っていうモデルがいました。」
そう、名曲チャンピオンにはモデルが実在。 そこにはある男の壮絶な人生が秘められていた。

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それは、アリスのリーダー・谷村新司が雑誌の対談をしていたときのことだった。 対談相手は、ノンフィクション作家の沢木耕太郎。 沢木は今から45年前、とあるプロボクサーの姿を描いたノンフィクション作品を発表、話題を呼んでいた。

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そのボクサーとは…カシアス内藤。 アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれたその少年は、高校時代から将来を嘱望される天才だった。 デビューから無敗のまま20歳で日本ミドル級王者、さらに翌年1月には東洋ミドル級王者となった。
だが世界のベルトが視界に入った矢先、まさかの敗北を喫すると、その後戦績は下降線をたどり、24歳の若さでリングから姿を消した。
谷村が沢木に会ったのは、それから数年後のことだったのだが、「いずれ、世界チャンプになると思ってたんですけどね」という谷村に対して沢木は「まだ過去形にするのは早いですよ…」と言った。

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後日、谷村は沢木の取材に同行。 すると…そこには、ボロボロになりながら復帰に向けて死に物狂いで練習に取り組む、カシアス内藤の姿があった。
その姿を見た谷村は、沢木に「なんで、こんなパンチを持ってるのにチャンピオンになれない?」と聞いたところ…沢木は「カシアスは優しすぎてトドメを刺せない」という。

ボクシングを愛しながら、優しさゆえに苦悩する男。 その姿にインスピレーションを受け、一気に書き上げた曲こそが…このチャンピオンだった。
そして、カシアス自身も曲のリリースと前後するタイミングでリングに復帰。 結局チャンピオンにはなれずに引退したが、その復活劇は多くの人々を勇気づけた。

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彼は現在、ジムを経営しながら、後進の育成に励んでいる。 実は長らく、この歌のモデルが自分であることを知らなかったという。
カシアス内藤はこう話してくれた。
「(ある時)沢木さんとご飯を食べに行ったんですね。カラオケ行って、『俺この歌(チャンピオンが)好きなんですよ。歌おうかな』って言ったら、『馬鹿だな これ君の歌だよ』って、その時初めて知ったんですね。」
だがその生き様は歴史に残る名曲となり、多くの人々の心に響き続けている。