2月18日 オンエア
世界的スーパースターの大ピンチを救った意外すぎる人物とは!?
 
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誰もが一度は聴いた事のある、数々の世界的ヒット曲を生み出したスーパースター、スティービー・ワンダー。 生まれてすぐ、両目の視力を失うという視覚障害を抱えながらも、自ら作詞作曲もこなすシンガーとして、次々とヒットナンバーをリリース。 そんな、スティービー・ワンダーに、かつて、全ての名声を失う大ピンチが訪れたことがあった。
事の始まりは…1984年、映画の主題歌としてリリースされた「I Just Called to Say I Love You」。 全米1位、アカデミー歌曲賞、ゴールデングローブ賞にも輝いたこの曲だが、リリースの翌年…なんと、盗作であると訴えられたのだ!

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訴えを起こしたのは、かつて共に音楽を制作した事もある、2人のシンガーソングライターだった。 彼らの主張によると、それは曲の発売から遡ること7年。 スティービーに2人が制作した曲を聴かせた事があったという。 その曲と後にスティービーが発表した「I Just Called to Say I Love You」のサビ部分がそっくりだと言うのだ。

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スティービーと原告側、それぞれのサビ部分の歌詞を見比べてみると…確かにタイトルにもなっている部分の歌詞が同じ。 また原告側からは、制作時に録音されたというテープまで証拠として提出された。

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その一方でスティービー側の主張は…この曲のメロディが浮かんだのは、2人が曲を聴かせたと主張している年よりもさらに1年前、車で移動中の時だったという。 だが、目の見えないスティービーには、その曲を譜面に起こしたりすることは出来ないため、証拠を提出することができなかった。
原告側の証拠はスティーヴィーが楽曲をリリースする7年前、1977年に録音したデモテープ。 このままでは裁判に負けてしまう。 もし敗訴すれば、これまで築き上げてきたもの名声を全て失うだけでなく、多くのファンを悲しませることになってしまう。

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そこで、スティービーはある人物に電話をかけた。 その相手は…なんと、日本人だった!
兄弟で結成されたポップデュオ・ブレッド&バターの岩沢幸矢(さつや)と、二弓(ふゆみ)だ‼︎ 彼らは、同じ湘南出身の人気バンド・サチモスもリスペクトを公言するなど、若い世代からも尊敬を集めている。 森山良子、BEGIN、など、多くの有名アーティストにも楽曲を提供、その活動は多岐に渡っている。
果たして、スティービーが幸矢に電話をしたわけとは? そこには、あるアンビリバボーな事実が!

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それは、ブレッド&バターが活動を一時休止していた時のこと。 幸矢は当時、数年前から友人関係になっていた、スティービーの個人スタジオがあるロサンゼルスに滞在していた。
その時、スティービーにスタジオに呼ばれて、聴かされた曲こそが「I Just Called to Say I Love You」だった。 そして、その曲は彼らのために作った曲だと言う。 そう、スティービーは、車の中で閃いた曲をフルコーラス完成させ、幸矢にサプライズでプレゼントしたのだ!

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こうして幸矢は、スティービーからの曲を手に帰国。 その後、サビ以外はできていなかった詞を、親交のある松任谷由実、編曲をYMOのーダーでもあった細野晴臣に依頼。
ブレッド&バターの復活シングルとしてリリースする計画だったのだが…その後、スティービーは映画の主題歌を依頼され、新曲を制作。 だが、映画関係者に納得してもらえずにいた。 困った彼が思い出したのが…幸矢にプレゼントした、あの曲だった。 それを映画関係者に聴かせたところ、なんと、映画の主題歌にしたいという話になったのだ。

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こうして、ブレッド&バターから返却されたこの曲は、1984年にリリースされ、世界的な大ヒットナンバーとなったが、翌年、それが盗作だとして、訴訟を起こされたのだった。 そして…実は、スティービーに新曲が出来たから来て欲しいと言われたとき、幸矢はラジカセを持参し、スティービーが演奏したあの曲をテープに録音していたのだ!

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実は、このテープが録音されたのは、原告側がスティービーに曲を聴かせたと主張する1977年より、1年早い1976年だった! 幸矢がこのテープをすぐにスティービーに送ると、テープは証拠として裁判に提出された。 これにより、見事スティービーは勝訴!
ちなみに原告側には、特に悪意があったわけではなく、偶然、サビ部分が似てしまっただけとの判断が下った。

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しかし、物語はこれで終わりではない!
テープを返却した年、スティービーは来日公演のため日本へ。 その時…日本のスタジオで、ある新曲を完成させていた。 曲のタイトルは…『Remember My Love』。 実はこれ、「I Just Called to Say I Love You」の代わりにと、ブレッド&バターのために作られた曲だったのだ!

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幸矢さんさんは、この曲について、こう話してくれた。
「『この曲は君たちにあげる曲だ』と言われたんです。その時は、また驚いちゃったんですよね。『Remember My Love』、『僕の友情を覚えてくれているか』、そういう感じで書いてくれた曲だったので、とても嬉しかったです。」

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スティービー・ワンダーがブレッド&バターのために作った、「I Just Called to Say I Love You」と「Remember My Love」。 2人にとって、この2曲はどんな存在なのだろうか?
二弓さん「僕たちの遺産だなと。スティービーからもらった。これは一生大事に子供・孫の代まで大事に遺産になってくれればいいなと思います。」
幸矢さん「いつまでも残る普遍的な音楽だと思う。こういう時代にもスティービーの音楽は受け入れられるというか、決して希望を捨てないでくれ、というテーマがある気がしますね。」