4月30日 オンエア
「今 自分にできること」で全米絶賛
少年が起こした奇跡の実話
 
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今から3年前、アメリカ・テキサス州を襲ったハリケーン・ハービー。 甚大な被害が発生し、多くの人が家を失う中で、飼われていたペットたちも行き場を失い、動物保護施設には、犬や猫が押し寄せていた。
そんな中で、当時10歳だった少年のある心温まる行動が、やがて多くの命を救うきっかけとなったことで、その少年は一躍、全米から賞賛される英雄になったという。

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アメリカ、ニュージャージー州で暮らすジョイさん一家。 シングルマザーとして二人の子供を育てるジョイさんだったが、長男のダリウス君はある障がいを抱えていた。

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それは…言語能力や理解力の発達に遅れがあること。 そして、手を使った細かな作業、いわゆる『微細運動能力』に著しい遅れがあることだった。 周囲からいじめられることなどはなかったというが、それでも、みんなと同じことができないという事実にダリウスはいつもふさぎこんでいたという。

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そんなある日のことだった。 この日、姉のダージャイが、学校の課題で、髪留めを作っていたのだが…ダリウスはその様子を目を輝かして見ていた。 一枚の布からリボンが作られていくさまは、ダリウスにとってまるで魔法のようだった。

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そしてそんなダリウスの様子を見て、母のジョイは、姉のダージャイにダリウスを助手にしてくれないかと提案した。 手先を使う練習になれば…そんな軽い思いからだった。
だが…布に線を引き、裁断する、たったそれだけのことがダリウスにとってはとても難しい。 それでも ジョイによれば、なぜかこの時、ダリウスは全く投げ出そうとしなかったという。 姉に手助けしてもらいながら、一つのリボンをゆっくりと作っていった。

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そして…リボンが完成!
この時、姉のダージャイは、このリボンを蝶ネクタイにすることを思いついた。 蝶ネクタイにすれば、ダリウスも使える。

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ダリウスは、その日から すっかり蝶ネクタイづくりに夢中になった。 最初は、姉に手伝ってもらっていた工程も、少しづつ、自分でできることが増えていった。 いつしか、時間はかかるものの、すべての工程を自分一人でやり遂げられるまでになっていったのだ。

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それから2年ほどがたったある日のこと、ダリウスの運命を変える出来事が起こった。
その年、アメリカテキサス州をハリケーン・ハービーが襲い、死者100名以上、30万戸の人々が住む家を失うという大惨事となった。

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この時、被災地への寄付活動をテレビで呼びかけていた。 ダリウスも寄付をしたがったのだが…ジョイはシングルマザー、一人で家計を支えなくてはならず、とても寄付ができる状況ではなかった。 さらにジョイたちが住むニュージャージーからテキサスは、2500キロ以上離れており、ボランティアなどに出向くことも難しい。

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そんな中、ニュースはハリケーンによる二次被害の様子も伝えていた。 家を失った人々が飼えなくなったペットが大量に発生、テキサスからダリウスの住むニュージャージーの保護施設にも多くの犬や猫が運ばれてきているというのだ。 だが、そうそう貰い手が現れるはずもなく、ある期間が過ぎれば殺処分されることになっているという。

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その時だった! ダリウスは立ち上がって走り出すと、生地を持ち出し、なぜかいきなり蝶ネクタイ作りを始めたのだ。 蝶ネクタイを作り、それを動物の保護施設に送るという。
なぜ、保護施設に蝶ネクタイを送るのかと聞くと、ダリウスはこう答えた。 「だって犬や猫が着けたら、可愛くて小ざっぱりして見えるでしょ?そしたら、もっともらわれやすくなるんじゃないかと思ってさ。」

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その後、ジョイが動物保護施設に、ダリウスのアイディアを告げると、施設もその申し出を快諾。 楽しみにしていると言ってくれた。
こうして、その日からダリウスは、何かに取り憑かれたように毎晩遅くまで蝶ネクタイを作り続けた。

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もちろん、本当に蝶ネクタイで犬や猫たちの命を救えるかどうかはわからない…それでも、自分にできる限りのことはしたい。 おぼつかない手つきでは、蝶ネクタイ1つ作るのにも長い時間がかかるが、自分ができるただひとつのことで何かの役に立てるかもしれない。 そんな期待に、小さな胸を膨らませ…ダリウスはおよそ3ヶ月もの間蝶ネクタイを作り続けた。

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その結果、その数は、合計200本を超えた。
ダリウスが作った蝶ネクタイは、全て保護施設に送られて、新たな飼い主を待つ犬や猫たちに結ばれた。

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もちろん最初はそれだけで劇的に貰い手の数が増えるということはなかったのだが…やがて、施設を訪れた人々が蝶ネクタイをしている動物たちの姿を不思議がり、きっかけとなったダリウスのエピソードを知ると感動して、エピソードとともにその写真を次々とSNSにアップ。

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すると、それまで、見つかっても月に1組から2組だった貰い手が、どんどん増えていき、たった数ヶ月でダリウスが送った蝶ネクタイを結んだ、およそ200匹の動物すべてに貰い手が見つかったのだ!

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そして、さらに奇跡は続く。 ダリウスの活動を知り共感した多くの著名人が次々に支援を表明。 それを受けダリウスは、このプロジェクトを継続していくための会社を興すことになったのだ。 ほんの数年前まで、障がいに苦しみ、いつもふさぎ込んでいた少年は、わずか10歳にして社長に! 今や、アメリカのみならず世界中から注文を受け、蝶ネクタイを送り続けている。

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自分にできることを形にすることで、全米の英雄となったダリウス君だが、会社を起こした翌年の2018年、驚くべき人物から、感謝状を受け取ったという。 送り主の名は…バラク・オバマ。
そう、ダリウス君の活動がニュージャージー州に地域貢献したとして、ついに前アメリカ合衆国大統領からも表彰されたのだ。

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ダリウス君に将来の夢を聞いてみると…
「もちろん、大人になっても今の活動は続けていきたいと思っていますが、僕は偶然この歳で会社を興すビジネスの世界を経験できたので、将来は弁護士になって、僕のように初めて起業する人の手助けができたらいいなと夢見ています。」

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蝶ネクタイがきっかけで、大きな夢をその胸に広げるダリウス君。
そんなダリウス君だが、現在は外出規制がかかり、ずっと家にいるにもかかわらず、蝶ネクタイ作りのペースが落ちているという。 実は蝶ネクタイの代わりに別のあるものを作っているというのだ。

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一体何を作っているのか、それは…そう、マスク!
しかも、作ったマスクは、地元の病院に寄付するという。 さらに、、州や場所を問わず、必要としている所にマスクを送る予定だという。 なんと世界中でマスク不足が叫ばれる中、彼はまたしても人のためにできることを自分なりにやっていたのだ。

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最後にダリウス君が今世界を取り巻く困難と戦うためのメッセージを送ってくれた。
「日本の皆さんへ。もしあなたが本当に好きなものがあるのなら、後回しにしないで、すぐに始めるのがいいと思います。それから僕がみなさんに言いたいのは、外へ出ないで安全な場所にいてください、そして元気で過ごしてください。ガンバロー!」