1月16日 オンエア
顔に大やけどを負った女性の壮絶人生
 
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彼女の美しさに、誰もが魅了された。 アメリカ在住のコートニー・ウォルドン、21才で結婚すると、翌年、愛娘・キャロラインをもうけた。 しかし、結婚3年目で離婚。
やがて、会社の同僚ミッチと恋に落ちた彼女は、離婚から2年後、再婚を果たした。 だが…この2ヶ月後、彼女の運命は一変する。

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それは今から3年半ほど前のある夜の事だった。 その日は、家の裏庭で親子水入らずで、たき火でバーベキューを楽しんでいた。
弱まってきた焚き火の火力をあげようと、夫がガソリンを持ってきた。 夫が投じたガソリンの数滴が、コートニーの顔に飛び散り、勢いを増した火が、あっという間に彼女の体を包み込んだ! 慌てたミッチが何とか炎をもみ消した。

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コートニーは、ドクターヘリで離れた救急病院へ搬送された。 全身のおよそ40%に重い火傷を負ったコートニー。 特にひどかったのが、露出していた手と足、そして顔だった。 顔は変形して黒くただれ、唇は膨張、腕も無残に焼きただれていた。
やけどの治療や、7回に及ぶ皮膚の移植手術で、事故から1ヶ月間は殆ど昏睡状態。 そして、壮絶な痛みとの戦いだった。

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もうろうとした意識の中、頭をよぎるのは…最愛の娘と過ごした日々。 離婚で辛い時も、キャロラインの笑顔が心の支えだった。
コートニーにはとても大切にしていた事があった。 それは…日課の保育園への送り迎え。 シングルマザーとして働いている時から、寂しい思いをしている娘と、2人きりでデートが楽しめる時間だった。 そしてもう1つは、寝る前にキャロラインの大好きな子守唄を歌うこと。 「あの子のために、絶対に死ねない」彼女は、そう誓った。

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一方キャロラインは…コートニーの入院中は、同じジョージア州にある実家で、両親が世話をしてくれていた。 事故直後、病院に付き添った夫のミッチは、搬送された病院が遠く、仕事もあるからと面会には来ず、自宅で過ごしていた。
昏睡状態から覚めたコートニーは、辛い現実と向き合わざるを得なかった。 それまで顔の火傷の深刻さについて、周囲は彼女に伝えていなかった。 自分の顔を初めて見た彼女は、ショックで涙が止まらなかったという。 医師には、顔は、どこまで回復するか わからないと言われた。

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事故から50日後、何とか退院できるまでに体力も回復。 ようやく帰宅を許された。 今の自分の姿を、夫がどう思うのか怖かった。
家に帰ると…ミッチは、明らかに動揺していた。 重い火傷を負ったことは知らされていたが、ここまで深刻とは思ってもみなかったのだ。 なんと夫は、その日のうちに家を出てしまったのだ!

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実家にいる娘、キャロラインと再会すると…娘の態度は、明らかによそよそしかった。
当時のことをキャロラインちゃんに聞いてみた。
「誰だか分からなかったし、怖かったです。」

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夫にも見放され、最愛の娘にも拒否された。 以来、コートニーは、自分の姿を見られることを恐れ、家に引きこもるようになってしまう。
そんなある日…母がキャロラインを寝かしつけていた時、キャロラインは眠れず、駄々をこねていた。 すると…部屋の外でコートニーがある歌を歌った。 それは、いつも歌っていた子守唄だった。 その歌を聞いたキャロラインは、コートニーにかけより「ママ!」とハグをした。

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キャロラインちゃんは、当時のことを、こう話してくれた。
「いつもの歌を唄ってくれて、ママだとわかりました!」

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しかし、コートニーに与えられた試練は、まだ終わらない。 なんと病院から治療費として6000万円というとんでもない金額を請求されたのだ!
いったいナゼ、途方もない額を請求されたのか? 日本の場合は、社会保険や国民健康保険によって、実費の1割から3割負担で済む。 一方、アメリカには、こうした国の保険制度がないため、民間の医療保険に頼るしかない。 しかし、そこに落とし穴があった。

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コートニーが契約していた医療保険は、提携している病院以外は、保険の適用外となってしまう。 入院していたのは、不運にも保険適用外の病院。 緊急のため、確認する間もなく、搬送したためだった。 結果、まったく保険が適用されず、実費の6000万円が請求されたのだ!
父は、火傷の原因を作ったミッチが支払うべきだと考えた。 だが、何度電話をかけても、着信を拒否しているのか、ミッチが出ることはなかった。

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そこで一家は裁判所に掛け合った。 すると医療費の支払い義務は、原因を作った夫のミッチにあるとのことだった。 コートニーは書面でミッチに、支払いを要求したが、一向に返事はなかった。 ミッチは家を出てから全く連絡を寄こさず、医療費の支払いに応じる気配すらない。
そこで、せめて生活費をと民事裁判に訴えた。 裁判所はミッチに支払うべきとの裁定を下したが、それでもなお彼は財産がないことを理由に一銭たりとも払うことはなかった。

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そして事故から3ヶ月、2017年を迎えた頃、収入もなく、ローンも払えないと悟った彼女は、ミッチと暮らした家を手放すことを決意。 保険が適用される病院へと転院した。 保険が適用されるとはいえ、1回の皮膚の移植に250万円、レーザー治療に70万円と多額の費用がかかり、そのすべてを賄うことはできない。 治療を受けなければ、日常生活もままならず、費用はかさむ一方。 前の病院の借金も含め、返済のメドは一切立っていなかった。

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他人に顔を見られる恐怖から外出もできなくなってしまった。 それだけではない、指を満足に動かす事が出来ない状態では、在宅での仕事も出来なかった。
食事中、ふとキャロラインのジュースにストローをさしてあげようとしたのだが…娘にしてあげていた当たり前のことが、できなくなっていた。 母親失格だと落ち込むコートニーを慰めたのは…キャロラインだった。 そしてコートニーは、娘のために ある行動に出ることを決断する。

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彼女はありのままの姿で外に出た。 訪れたのは、保育園。 自分にできること、それは、娘を迎えに行くことだった!
指が思うように動かないため、運転は父親に頼んだが、毎日、好奇の視線に晒されながらも…保育園への送迎を続けた。 すると…コートニーの勇気に、徐々に周囲の人たちの見る目も変わり…親子を受け入れてくれるようになった。 そしてこのことが、コートニーの運命に大きな変化をもたらす。

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キャロラインの教師が、教会に通っていたこともあり、地域の人との交流を始めたコートニー。 街では、2人が堂々と歩く姿が普通に見かけられるようになっていた。
いつしか、大火傷を負いながら健気に娘を育てるコートニーの姿を見て、彼女に優しく手を差し伸べる人たちが現れた。 コートニーたちが家を失って困っていたことから、街の人たちが協力して建ててくれることになったのだ! この話題がニュースとなり、リハビリや子育ての様子も紹介され、多くの人の共感を呼ぶと、思わぬ効果があった。

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両親は、娘がより効果的な治療を受けられるようにと、医療費に関するクラウドファンディングを立ち上げていたのだが…コートニーの頑張りが話題になると、寄付金の額が急増。 日本円で約4600万円にも上った!
しかしながら、これまでかかった費用には及ばない。 そんな時だった…病院側が残っていた借金のほとんどを、帳消しにしてくれたのだ! 大きな火傷を負っても前向きに生き、子育てに励むコートニーの生き方に感銘を受けたからにほかならない。

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今彼女は、車の運転も出来るようになった。 キャロラインを育てながら顔を隠すような人生ではなく、意識して人前に出ていき、自身の体験を堂々と話すようにしている。

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コートニーさんは、こう話してくれた。
「私は、全てを失って、絶望的になっていましたが、周囲の人々の心温まる気持ちに救われました。それに、なんと言っても娘と両親には、本当に感謝しています。全ての出来事には理由があるのだと思います。今回の出来事は、私に何が本当の美なのかを教えてくれたのだと思います」