10月31日 オンエア
外務省官僚が横領!? 事件に潜む巨大な闇
 
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今から20年前、国会議事堂や首相官邸にほど近い、雑居ビルの一室を一人の男が訪れた。 事務所の主人は元代議士で、政界引退後もご意見番となっていた人物だった。 もう一人いた男性は、元外務省の職員で、退職後、外務省の雑務を請け負う会社を立ち上げ、成功していた人物だった。

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翌年に、九州・沖縄サミットを控えていた当時、このサミットでの儲けを狙って、ホテルから文房具、弁当業者に至るまで、各企業が水面下で激しい商戦を繰り広げていた。 そんな中、サミットで使う物品納入の権利を勝ち取るため、外務省の役人に賄賂や接待を行い、競争入札に便宜を図ってもらっている業者があるという。 元外務省の男は義理人情に厚く、古巣の外務省役人の腐敗が許せないようだった。

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実は雑居ビルを訪れた男は、警視庁捜査二課 情報係 主任刑事だった。 警視庁捜査二課は、汚職や詐欺、選挙違反などといった知能犯を摘発する部署である。 情報係は疑惑の噂などから犯罪の匂いを嗅ぎつけ、極秘の内偵捜査を行うのが仕事だった。 まだ汚職とまでは断定できなかったが、調べれば摘発できそうな気配だった。

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情報係の係長は、主任刑事にとっては上司だったが、同じ歳でお互い相棒と認め合う仲だった。 主任刑事は、係長に外務省の役人の癒着について話した。
サミットなど首脳会談の際、キャリア呼ばれる花形職員たちは、重要な議題に関する資料作りなどで手一杯。 そのため、ホテルの手配や文房具の準備といった様々な雑務、つまり裏方業務はノンキャリアの職員が対応していた。 当然、この裏方の場面では様々な費用が動く。 そのため、実質的に現場のお金を握っているのは、ノンキャリアの職員だった。

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主任刑事は、さっそく業者と癒着している疑惑がある外務省役人の内偵捜査を始めた。 そこで主任刑事は、外務省役員が利用する銀行口座を特定したのだが、不審な金の動き、業者との癒着の痕跡は見当たらなかった。
だが、外務省に出入りしている業者からも話を聞いたところ、他に気になる人物がいた。 その人物は、今調査している男の後輩で、その男も業者と癒着しているらしい。 その男は仕事ができ、外務省の影の実力者と言われている人物…外務省でロジステックス、通称ロジと呼ばれる裏方の雑務全般を行う部署の室長だった。

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主任刑事は、ロジの室長の銀行口座を探ると同時に、身辺調査を行なった。 すると、彼は都心にある14階建ての高級マンションに暮らしていた。 その部屋はカスミという女性とロジの室長の共有名義になっていた。
ロジの室長は、3回結婚していた。 さらに3回目の妻と子供達と別居中だった。 そして、元妻にも現在の家族にもカスミという名前は誰もいなかった。 彼は、高級マンションに愛人と二人で住んでいるようだった。

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しかも…その高級マンションを一括で購入していたのだ。 ロジの室長は特に資産家の家に育ったわけでもない。 彼の父親もやはりノンキャリアの公務員。 室長が巨額の金を自由に出来るとは思えなかった。

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外務省のロジの室長の内偵捜査を始めてから、およそ6カ月後、ロジの室長の銀行口座を特定した。 生活口座のようだったが、大きな金の動きがあった。 500万と250万が、最初の妻と別居中の妻に振り込まれていた。 慰謝料と生活費だと思われた。 主任刑事は、この口座以外に隠し講座があり、そこには業者からの賄賂の痕跡もあるはずだと睨んだ。

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当時、大手の銀行は口座情報がオンラインで結ばれていた。 しかし、いきなり本店に乗り込めば、大ごとになり本人に情報が漏れかねない。 極秘に捜査を進めるためには、支店を一店舗ずつ当たる必要があった。 ロジの室長が勤めている外務省の周辺だけでも、100近い銀行の店舗があった。 隠し口座を見つけ出すためには、地道に内偵捜査を続けるしかなかった。

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だが、ある日のこと…係長がロジの室長の税務申告の内容を記した書類を手に入れたのだ。 なんと、彼は12頭の競走馬を資産として申告していた。 これは、表沙汰にできない裏の捜査手法だったという。 国税庁は、確定申告や税務調査の情報を漏らしてはならないことになっている。 だが、警視庁捜査二課と東京国税局、税務署の間では情報のやりとりが行われていたという。

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そして、12頭の競走馬を購入した合計金額は…およそ1億。 しかも その後の調べで、12頭の馬を維持するには、エサ代などで年間約5000万円の費用がかかることが判明。 また室長の馬は、レースでほとんど勝ったことがなく、年に何千万もの赤字が出ていた。
外務省での室長の年収は、およそ1200万円。 それを捻出できるはずなどなかったのだ。 主任刑事は、業者からの賄賂を管理する口座が必ずあるはずだと確信した。 以来、靴の底を減らし、地道に銀行回りを続けた。

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そこは、ある銀行の虎ノ門支店だった。 行内にある読み取り機で、室長の口座記録のマイクロフィルムを確認すると…口座の残高は、およそ1億7000万円! 口座の入金記録を確認すると、度々数千万単位の金が入金されていることが判明した。
しかも、それは全て現金で入金されていたのだ! あまりにも不可解な入金だった。 これほど高額の賄賂をロジの室長に渡す業者とは、何者なのか?

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主任刑事は、ロジの室長の口座の出入金伝票を1枚ずつチェックした。 当時、現金の出し入れをする際の伝票は、手で書く必要があった。 すると…額の大小こそあれ、数字の上では不審な点は見当たらなかった。 だが、あるとんでもない事実に気づいた。

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間もなく主任刑事は、静かなベットタウンにあるマンションの一室を訪ねた。 相手が思いがけない行動をとる可能性もあると考え、念のため、若手の刑事を内偵に同行させた。
実は、室長が書いた伝票の中に、筆跡が違うものが混じっていた。 その伝票によって、室長の口座から400万円が引き出されていた。 さらなる調査により、同じ日に同じ筆跡の伝票で、ある人物の口座に400万円が入金されていたことが判明。 その口座の持ち主こそ、この女性だった。

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彼女は室長の元愛人だった。 そして問題の伝票を書いたのも彼女だった。
実は、彼女は室長の隠し口座のあった支店の銀行員で、窓口担当だった。 彼女によると、支店のお得意様である室長に指名されて、専用の窓口担当になり、その後、誘われるままに愛人になった。 だが、1年ほどで別れ、他の男性との結婚を機に退職したという。

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彼女は、ロジの室長が入金していた金の出どころは知らないという。 そして、彼女の証言によれば、ロジの室長が持ち込んだ現金には帯封がされていなかったという。 100万円の札束には、通常 帯封が巻かれ、銀行の本支店名と巻かれた日付が印字されている。 帯封があれば、そのお金の出所を辿ることができた可能性もあったが、それはできなかったのだ。

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400万円は、ロジの室長から愛人へのプレゼントだった。 彼の資金源はわからなかったが、愛人に大判振る舞いをしていた実態を、はっきり確認することが出来た。
そして、この銀行員のあと付き合い始めたのが、カスミのようだった。 その後の捜査で、ロジの室長の女性関係のすべてが明らかになるのだが…彼は三度の結婚に加えて、8人も愛人がいた。 さらに、彼は、マンションや競走馬の他にも、関東近辺に3つのゴルフ会員権を購入していたことが判明。

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係長は主任刑事が8カ月の内偵捜査で掴んだ情報をまとめ、捜査二課長に提出した。 捜査二課では、情報係が情報を拾い集め、一定の内偵捜査を終えると、ナンバーと呼ばれる摘発部隊に引き渡すことになっている。 ナンバーが本格的な捜査や取り調べを行い、立件していくのだ。
だが…ナンバーに引き継いでから2カ月が過ぎても、本格的な捜査が始まる様子はなかった。 ターゲットは、外務省の重要なポストについている男。 万が一、間違いでしたでは許されないのも事実だった。

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そんな中…ロジの室長が不穏な動きをしていた。 彼は、別居中の妻との離婚届を出していたのだが…二人の子供たちの口座に養育費という名目で、3000万ずつ振り込んでいた。 捜査の手が伸びていることに気づかれた可能性があった。
だが、事態はさらに急変する。 ロジの室長がフランス大使館に異動することになったのだ。 突然の人事異動だった。 外務省が室長の不祥事を隠蔽しようとしている可能性があった。

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係長は捜査二課長に、自分たちに事情聴取をさせほしいと直訴した。 内偵調査が専門の情報係が取り調べまで行うのは異例のこと。 ましてや、一度 ナンバーに引き渡している。 ありえない直訴だった。
だが、捜査二課長はこれを許可した。 キャリアのエリート組である捜査二課長は、二人より8歳年下だったが、正義感の強い、芯の通った男だった。

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そしてついに警察上層部は、情報係が事情聴取を行う許可を出した。 許された時間は2日。 たった2日間で、外務省の影の実力者と言われる男から疑惑の金について自供を引き出し、落とさなければならなかった。
取調官は係長、立ち会いを主任刑事が務めることになった。 普通なら、部下の主任刑事が取り調べを行うところなのだが、相手が外務省の室長なので、階級が上の係長の方が妥当だろうという判断だった。

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ロジの室長は、金は父の遺産だと供述。 彼の父は、かつて厚生省の役人で結構な額の現金を遺していたという。 さらに、この金は、他の兄弟には内緒で渡された隠し遺産だったという。
確かに彼の父親は、この20年前、1980年に他界していた。 遺産だという返答は、予想外だった。 多額の遺産を相続すると、国税局に申告する義務があり、申告しなければ脱税の罪に問われる。 ところがその時効は7年。 今さら、ロジの室長が罪に問われることはない。

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ロジの室長はノンキャリアの切れ者だった。 このままでは、彼の不可解な資金は、父親からの隠し遺産ということで切り抜けられてしまう。
さらに、父親の遺産は現金で残してあり、仏壇の裏に隠しておいたという。 税金対策が終わったら銀行に入金しようと思っていたと供述。

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だが、主任刑事はロジの室長の供述に重大なウソがあることに気がついた。
ロジの室長が銀行に入金していたお金は、福沢諭吉の肖像画が刷り込まれた新しい1万円札だった。 だが実は、室長の父親が亡くなった1980年当時、1万円札はまだ聖徳太子の肖像画だったのだ。 福沢諭吉に切り替わったのは、その4年後、1984年だった。

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ウソを指摘されたロジの室長は…総理の外遊時の経費を着服したと自供した。
ロジの室長はサミットの仕切り役だったが、実は総理が外国を訪問する際、様々な裏方業務を行い、サポートするポストにもついていた。 その地位を悪用して、外遊時の経費である機密費を着服したというのだ。 機密費…それは、ほとんどの国民にとって、知られざる秘密の資金だった。

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機密費とは、表向きは『報償費』という名称で、国が国の仕事を円滑に実施するために、状況に応じて使用する経費と説明されていた。 しかし実際の使い道は、政治家や外務省職員などが知るのみで、公開されることは一切なかった。 なぜなら、総理官邸が国家の安全や利益に関わる仕事をスムーズに行うためには、海外での情報収集活動といったことも含め、様々な出来事に迅速に対応する必要がある。 こうしたお金の使い道をオープンにするのは、適切ではないとされたからだ。 だからこそ、機密費の使い道はブラックボックスになっており、中央省庁などのお金の使い方をチェックする会計検査院に領収書を提出することも免除されていた。

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ロジの室長は、1993年からおよそ6年、細川首相から小渕首相までの外国訪問に携わり、様々なサポートを行なっていた。 通常、こうした首相の外遊では、迅速な対応が必要な様々なこと出てくるといい、その経費は機密費から支払われることになっている。
ロジの室長は、この機密費の内部監査が甘いところに目をつけたのだ。

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事前に大幅に水増しした見積書を総理官邸に提出。 そして外遊後に見積書と帳尻を合わせるように、領収書などを部下や現地の大使館員に指示し、偽造させたという。 というのも、機密費の支出に関する領収書は、会計検査院の検査は免れたが、政府の内部では一応 提出することになっていたからだ。 ところが、ロジの室長の領収書はノーチェックだったという。

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ロジの室長は、外遊に同行した時、機密費を使って、ブランド物や高級ワインなど、大量のお土産を買い込んできていた。 それを、官邸や上司、同僚たちに渡していた。 つまり、上層部のキャリア幹部なども、室長を通して甘い汁を吸っていたのだ。 そして事実、彼らはロジの室長の行動を見過ごし、チェックしなかった。 だからこそ、彼は機密費を思うままにできたのだという。

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ロジの室長が着服していた機密費は、首相官邸の金庫に政府が管理していたもので、帯封で結束された真新しい札束で常備されていた。 それを受け取った室長は、金の出所がわからないように帯封を取り、自分の個人口座に入金していたのだ。
機密費の使い道について、国民は知る由もなかった。 しかし、それは純然たる税金。 着服が発覚すれば、国家を揺るがす一大スキャンダルに発展するのは必至。 主任刑事は、まさに国民に隠されていた秘密を暴いたのだ!

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室長の自供を受け、警視庁捜査二課はナンバー班を中心に総力をあげて動き出した。 ロジの室長は、機密費を不正流用した詐欺容疑で逮捕されたが、なんと5億円も着服していたことが判明した。 この事件によって、機密費という使い道の問われない資金が存在しただけでなく、その管理があまりにズサンであったことが広く世間に知られることになった。 多くの国民は衝撃を受け、政府や外務省へ非難の声を上げた。 その結果、機密費の管理責任を問う形で、外務大臣は厳重注意処分となり、また、ロジの室長が不正を行なっていた期間の事務次官など合計16人の関係者も管理責任を問われ、減給処分などを受けた。

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その一方で政府は、機密費を従来通り維持することにしたのだが、事件の余波はこれにとどまらなかった。 その後、外務省内部で職員の不正に関する調査が行われた。 すると、複数の職員が業者と癒着して、ハイヤー代やホテル代の水増し請求など、不正を行っていたことが発覚したのだ。 こうした不祥事の結果、最終的に外務省ではおよそ5000人の職員のうち、7人が懲戒免職処分、実に387人が懲戒減給などの処分を受けた。 そして懲戒免職になった者の中には、元代議士の事務所で最初に名前の上がった役人も含まれていたのである。

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最終的に室長には懲役7年半の有罪判決が下った。 彼は控訴することなく、刑は確定。
警視庁捜査二課、情報係の主任刑事が事件を掘り起こしてから、およそ2年半。 機密費流用事件の捜査は、大きな波紋を残しつつ、終結した。

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ノンフィクション作家の清武英利氏は、今回の事件における捜査二課の刑事たちの活躍を掘り起こし…『石つぶて』というタイトルの本にまとめた。

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かつて外務省を舞台に起きた機密費流用事件。 それが明るみに出た背景には、警視庁捜査二課の活躍があった。
しかし、彼らはこの結末に満足していなかった。 なぜなら、チェックが甘かった機密費の一部が、室長を通じて外務省のキャリア幹部などに不正に渡った可能性を疑問視していたからだ。 しかし、最終的に捜査の手がそこまで及ぶことはなかった。 キャリア幹部の関与については、ロジの室長は頑なに口をつぐんでいたのだ。

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だがその一方で、清武氏には気になることもあるという。
2002年、警視庁捜査二課が摘発した汚職の件数は、30件を超えていた。 だが、それ以降は激減。 2014年には摘発がゼロになったのだ。

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そんな中、捜査二課に希望の光もあった。 機密費流用事件を追及した主任刑事は、すでに定年退職をして現場を離れている。 しかし実は、彼が捜査のノウハウを教え込んだ女性の新米刑事がいたという。
そして主任刑事が定年を迎えた、今から3年前…彼の教えがついに実を結ぶ。 その女性刑事は、埼玉県の浄水場工事の入札をめぐる汚職事件を掘り起こし、摘発に繋げたのだ。

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このことを主任刑事は清武氏に、こんな風に伝えてきたという。
「自分が越えられたと、乗り越えられてしまったと。それが、さわやなか感じなんで、非常に晴れ晴れとしたメールだったり、(電話の)声だったりしたので、こうやって世代は変わっていきながらも、志というか、(捜査)技術の一部が伝承されていくのだなと。あるいはそうあってもらいたいと思います。そういう人たちの存在が正義を全うしているのだろうなと思いますけど。」