10月11日 オンエア
無職青年の夢 資金13万円でハリウッド女優と会う方法
 
 
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 今から15年前、ロサンゼルスに住むブライアンは、大学の映画科を卒業後、映像関係の仕事に就いていたが…数ヶ月前に辞め、失業中。 貯金はゼロ、生活に困り、親に仕送りを頼むほどだった。 そんな彼にも、唯一 人に誇れることが…それは、あるハリウッド女優への情熱だった。
 その女優とは…『チャーリーズ・エンジェル』など、数々のヒット映画に出演。 当時独身だった、ドリュー・バリモア。 きっかけは、ブライアンが6歳の時に公開された、スピルバーグ監督の名作映画『E.T.』。 主人公の妹役で出演していたドリュー・バリモアに心を奪われ、ファンクラブに入会。 以来20年以上、一度でいいから会ってみたいという夢を持ち続けていた。
 
 
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 そんなブライアンが、ある日…友人と一緒にクイズ番組に出演。 連想ゲームの出題者となった。 用意されたお題を、番組が指定した禁止ワードを使わずに、仲間に答えさせなければならないのだが…その最後のお題が何と! ドリュー・バリモアだった。 ファンである彼は巧みにヒントを出し…見事、解答を導くことに成功! 賞金1100ドルを獲得した。
 だが、ブライアンは、この賞金を生活費には使わず、ずっと思い続けていた夢を叶えるために使おうと決意。 その夢とは…ドリュー・バリモアと一度でいいから会って、話をすること!
 たまたま出演したクイズ番組で最後の答えが、ドリュー・バリモアだったことに運命を感じたブライアン。 彼は、獲得した賞金を使って、どうやって彼女と会うつもりなのか!? こんな時、あなたらならどうする?
 
 
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 なんと、ブライアンが考えた方法とは、映画を撮ること! とはいえ、いきなり会いたいと言っても相手にされるはずがない。 そこで映画のゴールを『彼女とのデート』ということにして、その過程をドキュメンタリーにすれば、何か道が開けるのではと考えた。
 ところが肝心のカメラがなかった。 そこで彼が目をつけたのは…30日以内に返品すれば全額が戻って来るという、メーカーの返品保証制度。 良くないこととは知りつつも、これで実質、無料でカメラを入手。
 期限はビデオカメラ返却までの30日。 制作費はたった13万円。 こうして限られた条件の中、夢の実現にむけ無謀な冒険の旅が始まった。
 
 
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 映画製作にあたり、ブライアンは大きく2つの作戦を立てた。 まずひとつ目は…予告編を制作し、それをドリューの事務所に送るというもの。 ストーカーと思われるのを避けるために、まずは正攻法で出演をオファーしたのだ。
 そして2つ目は、ツテ探し。 もちろん彼にツテなどない。 しかし 知り合いの知り合いを辿っていけば、いつかはドリューにたどり着くのではと考え、仲間と手分けして電話をかけまくり、彼女の知人を探した。 すると…あのジュリア・ロバーツの兄で、俳優のエリック・ロバーツ、ドリューのいとこ、チャーリーズ・エンジェルの脚本家、さらに元恋人などとのコンタクトに成功。 だが…いずれも、失敗。 ドリューにたどり着くことはできなかった。
 
 
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 そして、事務所に送った予告編の返事も未だなかったため、友人に協力を頼み、確認を取ってもらうことに… すると、荷物は届いているものの、映画のことは、ドリューに伝わってすらいない事が判明した。
 そんな中、ツテ探しに新たな展開が…これまでで最もドリューに近い、彼女のビジネスパートナーのメールアドレスを入手したのだ! これでようやく映画製作について伝えられる! だが…カメラの返却期限まで残り1週間になっても、メールの返信はなかった。
 
 
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 もう後がない、そう感じたブライアンは、新たな手に打って出る。 インターネットのサイトを立ち上げたのだ。 同時に、マスコミ各社に片っ端から連絡、取材してくれるよう依頼した。
 それだけではない…高速道路に横断幕を掲げ、映画やサイトの宣伝を行った。 すると…地元ラジオ局が彼らの活動を取材、放送してくれたのだ!
 しかし、放送から5分後…インターネットのサーバーがダウン。 ラジオ出演で想定を超えたアクセスが集中してしまったのだ。 これでは何の情報も集まらない…結果、宣伝も すべて水の泡。
 
 
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 そして…ついに最終日。 いまだに返事はもらえていなかった。 しかし、期限切れのため、カメラは店に返さなければならない。 ブライアンは、これまで撮影に付き合ってくれた仲間と一緒にビデオカメラを返却…30日間の映画製作は終了。 彼の夢は、潰えたかに思えた。
 
 
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 だが…返却から数日後、サーバーが回復し、ウェブサイトが復活。 すると活動に興味を示したマスコミから、取材依頼が殺到したのだ。
 そこで、ブライアンはダメ元で、前回と同じ方法でビデオカメラの入手を試みた。 すると彼らの活動を知っていたのか、店員が見て見ぬふりをして再び同様の手続きをしてくれた。 結果、撮影の続行が可能に!
 そして、最初にカメラで撮り始めてから87日目。 一本の電話が…電話の相手は、以前メールを送ったものの返信が来なかった、ドリューのビジネスパートナーだった! 様々なメディアに注目されたことで、ブライアンの活動がドリューの耳まで届き、ついにデートを承諾してくれたのだ!
 
 
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 そして…映画の撮影スタートから95日目。 落ち着かない様子のブライアンの元へ一人の女性が…それは、ドリュー・バリモア本人だ! 6歳の時から憧れ続けていた女優と、夢のデートが実現した!
 彼女にこれまでの経緯を説明すると…ドリューはこう言ってくれた。
「あなたのことは詳しくないけど、偉いと思ったわ。人間性は素晴らしい。自分が本当にしたいことを理解して、一生懸命に打ち込んだわ。夢を持って生きてる人は多いけど、最初の一歩を踏み出すのは怖くて難しい。実現はおろか試してみることすらね。でも、あなたは行動した。」
 こうしてブライアンの夢の様な時間はあっという間に終了。 その後、彼の挑戦の一部始終は、「デート・ウィズ・ドリュー」というタイトルで映画化され、日本円で3000万円以上の興行成績をあげた。
 
 
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 奇跡のデートから15年…ブライアンは何をしているのか? 彼が現在暮らすロサンゼルスの自宅を訪ねた。
 ちょうど、仕事の最中だったという。 何やらパソコンで映像を見ているが…そう、ドリューの映画が話題になったお陰で、彼の名は多くの人に知れ渡り、これまで監督として18本の映画を制作。 あの時、失業中だった青年は今、映画の世界で地位を確立していた。
 最後にブライアンは、こう話してくれた。
「私がやっていることはすべて、『ドリュー・バリモアとデートする』と言って始めた結果です。あの時 行動したからこそ今の自分がある。リスクを恐れてばかりいては何も変わらない。試すことで失うものは何もないじゃないか。」