1月21日 オンエア
読者が涙する絵本★ナスビを売らされた少年
 
 
photo  今、ある一冊の絵本が、幼い子供を持つ親たちの間で大きな話題を呼んでいる。 その絵本の名は…「小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました」。 衝撃的なタイトルに、絵本とは思えないホラータッチの挿絵。 実はこの絵本は、現在43歳となった作者の男性の10歳だった頃の実際の体験を元に作られている。
 そんな絵本を、初めてという親子に読んでもらうと…突然の涙。 果たして、彼女たちが涙した理由とは?
 
 
photo  主人公の剛は、母が40歳、父が50歳の時に生まれた。 母は厳しく、怒ると納屋に閉じ込められる…その時の母はまるで鬼のようだった。
 父と母はナスビ農家だったが、家は貧しく、食卓にはいつも売り物にならないナスビを使った、ナスビ料理ばかりが並んだ。 剛は、ナスビを見るのもイヤで、ナスビの鬼に追いかけられる夢までみた。
 
 
photo  そして、剛が10歳の時。 母は突然、市場で売れないナスビを剛に渡し、近くの団地に売りに行かせた。 その時の母の顔は、本当に鬼ようだった。
 結局、その日は1つも売れなかった。 すると母は、厳しく叱責。 「何しとんで剛!ちゃんと声出したんか!明日は絶対 売ってこなアカンでよ!」と怒鳴った。 それはまさに、鬼そのものだった。
 
 
photo  それからも、剛は知らない団地に売りに行かされた。 剛は、また売れなかったら母親に怒られると思い、必死に声をあげ、ナスビを売った。 すると…だんだんとナスビが売れるようになり、剛も楽しくなってきた。
 
 
photo  ところが、ナスビ売りが1ヶ月ほど続いた頃…突然団地に行くことはなくなった。 農作業中に母が倒れ、入院したからだった。 母はそれから4年間、入退院を繰り返した。
 そして、剛が14歳になった時。 母は息を引き取った。 白血病だった。
 
 
photo  剛は父に、なぜ母はナスビを売りに行かせたのかを尋ねた。 すると…実はあの時、剛がナスビを売りに行っている間、母は車でいつも泣いていたという。 母はあの時、自分が近いうちに死ぬことを知り、心を鬼にして、剛に生きる方法を教えようとしていたのだ。
 怒ると剛を納屋に閉じ込めた母。 鬼のような顔でナスビを売りに行かせた母。 全部、剛のためだったのだ。
 
 
photo  そして、絵本はこんな言葉で締めくくられている。
「今、大人になったボクは、まだまだ駄目な所もありますが、子供のころにナスビを売った事があるので、どんなしんどい事も平気です。お母さんが天国から見ていてくれるから、どんな苦しいことも平気です。そして今ボクは…ナスビが大好きです。」
 
 
photo  現在、作者の原田剛さんは…地元徳島県で、育児情報誌を発行する出版社を経営している。
「仕事柄、育児雑誌を10年以上作ってきたんですが、最近特に“子供を叱れない親”が多いなって感じていたんです。そこで、ナスビを母ちゃんに売らされた、この厳しさ・親の愛情を、今の親の世代の皆さんに知って欲しいなと思い、誰でもが読める絵本という形で出版しました」と、話してくれた。
 
 
photo  絵本が発売されて以来、原田さんの元には、全国の子を持つ親から、数多くの手紙が送られて来ているという。 最後に原田さんはこう話してくれた。
「天国で見ている母ちゃんに伝えたいのは、ちゃんと生きとるで。母ちゃんの教え通り生き抜いてるで、と。ボロボロな時も苦しい時もありますけど、ナスビの教えを守って、ちゃんと毎日生き抜いとるで、安心してくれ!と伝えたいです」