6月4日 オンエア
50日の新婚生活★夫の死を覚悟した妻…奇跡の夫婦愛
 
 
photo  一番大切な人の命が あとわずかだとしたら、あなたは笑顔でいることができますか? 道化師として活躍していた望月美由紀さん、施設やイベントを回り、多くの人に笑顔を届けてきた。 そんな彼女が恋した相手は…杉山一衛さん、人を喜ばせ 笑顔にすることが大好きな青年だ。
 友人だった期間を経て、出会いから7年が経った2月、2人は結婚。
笑顔が絶えない家庭を夢見ていた。
 
 
photo  結婚式の翌日。
夫・一衛さんが突然倒れてしまった! 美由紀さんは、すぐに一衛さんを病院に運んだ。
 実は、一衛さんには腎不全の持病があった。 しかし、定期的に治療を受けており、突然倒れる様なことは一度もなかった。 だが…倒れたきり、意識も戻らない。 原因が掴めないまま、予断を許さない状態が続いた。
 
 
photo  倒れてから2週間後のこと…一衛さんは意識を取り戻した。 しかし…一衛さんは、倒れる数日前からの記憶を全て失っていた。 一番笑っていて欲しい最愛の人から笑顔が消えた。
 さらに追い打ちをかけるように突きつけられたのは…成人スティル病という難病に冒されているという事実だった。 成人スティル病とは、原因不明の難病で、全身に炎症ができ、熱や関節の痛み、発疹などの症状を引き起こす。 一衛さんの場合、成人スティル病の併発で持病の腎不全がさらに悪化。 このままの状況が続くと、明日の命も危うい状況だと告げられた。
 
 
photo  美由紀さんは最愛の人の死を覚悟した。 そして美由紀さんは考えた。 こうなった今だからこそ、大切なことは何なのか? …夫に笑顔を取り戻して欲しい。 道化師として人を笑顔にしてきた自分なら、きっと夫のことも笑顔に出来る。 彼の前では絶対に涙は見せない、そう決めたのだ。
 
 
photo  そして、美由紀さんは一衛さんの前で明るく振るまい、笑顔を引き出そうとした。 だが…起き上がることすら出来ない一衛さんから 笑顔を引き出すことは出来なかった。
 
 
photo  そんなある日、車イスで散歩している時だった。 一衛さんがポツリと「ごめん」とつぶやいた。 美由紀さんは「約束したんだから、あやまらないで」と言った。 その約束とは、結婚前…「みゆの面倒は僕が見るから、僕の面倒をみゆが見てくれますか?」というプロポーズの言葉だった。
 その時の一衛さんの言葉をマネ、美由紀さんが笑うと…一衛さんが笑顔を見せてくれたのだ。 その時、美由紀さんは『私が笑えば かずくんも笑ってくれる』、そう気づいた。
 
 
photo  それから、美由紀さんは明るく看病を続けた。 すると、一衛さんに笑顔が戻って来た。
 「病状を良くすることは私にはできないので、気持ちは上向きにしてあげようって。」
「彼の前では笑顔でいようと決めました。」
当時のことを振り返り、そう語ってくれた美由紀さん。
 
 
photo  だが、美由紀さんの気持ちとは裏腹に、病状は日に日に悪化していった。 倒れてから6週間…病魔は容赦なく、一衛さんの体を蝕んでいた。 ある時、携帯電話を操作しようとしたのだが、血流障害を起こしていた一衛さんの指は、もはや細かいボタンの操作はできなくなっていた。 それは、残された時間がわずかであることを示していた。
 美由紀さんは、たまらず トイレで号泣した。 先月挙げたばかりの結婚式が遠い昔のことのように思えた。
 
 
photo  実は結婚前、美由紀さんには人間関係で悩んでいた時期があった。 その時、一衛さんから一通の手紙が届いたのだ。 そこには「泣きたくなったら 思いっきり泣いてごらん!つらくなったら 迷わず叫んでごらん! その全てを受け止めてあげるから…」と書かれていた。 その手紙で美由紀さんは笑顔になれたのだ。
 
 
photo  そして…「今度は私が支えるんだ。かずくんには 最後の瞬間まで笑っていて欲しい」、美由紀さんはそう思った。 それからも美由紀さんは一衛さんを笑わせ続けた。 道化師を演じきった…一番笑っていて欲しい人のために。
 
 
photo  だが、倒れてから1か月半。 病状はますます悪化。 一衛さんの命は風前の灯火だった。
 それでも、美由紀さんは涙をこらえ、一衛さんを笑わせようとしていた。 そして…一衛さんは最後に笑顔を見せ、旅立った。 わずか、50日の新婚生活だった。 美由紀さんは最後まで、夫の前で涙を見せることはなかった。
 
 
photo  ある日、家に荷物が届いた。 それは…美由紀さんが欲しいと言っていた婚約指輪だった。 実は、一衛さんは美由紀さんに内緒で指輪を手配していた。 人を喜ばせることが大好だった 一衛さんからのプレゼントが最後に笑顔をくれた。
 
 
photo  絶望的な状況の中、互いに笑顔を贈り続けた2人。
笑顔の記憶が、わずか50日の新婚生活を愛に溢れた日々に変えてくれた。
 
 
photo  夫・一衛さんの死から4年。 美由紀さんは道化師として、今も全国を駆け回っている。 その胸には、2人の結婚指輪が。 美由紀さんはこれからも、道化師として笑顔を届けてる。 一衛さんが残してくれた笑顔を支えに。