- 今回の企画のオファーを聞いたときの率直な感想は?
- 警察のお話に関わらせていただくのは3度目なのですが、演じさせていただく役が“科捜研刑事”(科捜研なのに刑事)みたいな捜査もやってしまうような情熱的な役だったのでどんな作品になるのかな、と楽しみでした。
- 『SUITS/スーツ』に続いて、『月9』連投ですね。
- 10年前の自分に聞かせたいです。その頃の自分だったら想像できていなかったと思います。(月9は)『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRDSEASON』から始まり、今回が3回目になりましたが、出させていただくことは貴重なことですので、大切に作品と向き合いたいと思います。
- ノンナ役を演じるにあたって考えたことは?
- 原作の古賀慶先生が元々科捜研にいらっしゃった方で、科捜研のリアルというものを作品に反映させているという情熱というか、そういうところを大切にされているというのを聞いてから、原作のノンナも大切にしながら演じていきたいと思ったので、原作をちゃんと読み込むようにしました。
- 台本を読んでリアルだなと思ったことは?
- 科捜研は現場に行くイメージがあまりなく、もっと研究所で淡々とやっているというイメージがあったのですが、この作品での私の役は、現場に行ったり被害者の方と対面したりして、問題を解決していくんですね。年間たくさんの事件が起きているのに、それに対しての科捜研の人たちの人数が少なくて、そういう問題などもあることを知りました。私の役は、被害者の方に寄り添いすぎてのめり込んでしまうというキャラクター。それがリアリティーがあっていいな、と思って。ルミノール反応みたいなわかりやすい、科捜研の実態もあるのですが、アクションだけではなくて、科捜研の人がどうやってひとりの人間として被害者と向き合っているか、そういうところも見ていただければと思います。
- 先ほど10年前、という話が出ましたが、演技に対する思いに変化はありましたか?
- 年々難しくなるなと思います。年を重ねることにできて当たり前なことが増えてきますし、求められるものも自然と増えるし、そしてできなきゃいけないという意識や焦りも。でも人と比べないようにしています。できることもできないことも個性として受け止めながら、自分のペースで…自分の基準をもうけるようにしてからは、昔に比べて焦りを感じなくなってきました。年々いただける役も広がりましたし、もちろん学生役ができなくなるなど狭まる部分もあるのですが、そのはかなさも素敵だなと思います。でもあの頃は楽しかったな、と思える自分も成長しているな、と思います。今いただいている役にちゃんと向き合っていきたいです。
- できるものとできないものとは?
- 台本見ただけで一回で覚える方もいらっしゃいますし、そういう方を見るとせっぱつまっちゃうこともあります。どれだけ前に頭に入れていても、現場で急にセリフが飛んでしまうことも。緊張感はないよりある方がいいのですが、変な緊張をしてしまう自分もいて、そういうところはもうちょっと堂々とできるようになりたいな、と思っています。『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』 で共演した小栗旬さんに「緊張することはありますか?」と聞いたら「俺はないね!」と。自信を持って「ない」と言えるのはかっこいいな、と思いました。だからこそ現場でも自然体でいれるし、素敵だなと。まだまだ余裕がない自分に頑張れって思います。そんな焦る必要はないのかな、と。超人じゃないし(笑)。
- ノンナは新人でどうやって仕事をやったらいいか悩んでいる女性です。新木さんご自身はそういう経験はありますか?
- 演技を始めた時、演技レッスンの先生が怖くて、その頃の自分を思い出しますね。必死にやっていたな、と。演技レッスンに行く電車の中でどうやったら面白いだろう、とか、その場にいる誰よりも違ったことしたいという思いがあったので、必死に頑張っていた自分や失敗していた自分を思い出しますね。
- ノンナに感情移入してしまうところもあるのでは?
- 作品を見ていて感情移入しますね。私も人の相談に乗る時、一緒に辛くなってしまうところもあり似ている部分もあります。ノンナも何とかしてあげたいという気持ちを大切にしているので、そこは素敵だなと思っています。最近の私は、相談に対して少しは核心的なアドバイスができるようになったからか、「私はこう思う」って25年生きてきた中で自分の答えを押しつけていたかもしれません。ノンナは本当に被害者の方に寄り添ってるなって思うので、その気持ちを忘れちゃいけないなとちょっと反省しました。
- ノンナと錦戸亮さん演じる真野礼二はどんな関係性だととらえていますか?
- 最初は、真野さんの性格が全く読み取れないというか、感情が見えないので、最初は疲れる相手だと思います。本当は情熱的で真実のために動いているのに感情が見えない、というのがミステリアスで素敵なのですが、ノンナにとっては振り回されているだけなんです。ただ、一緒にいるにつれて真野さんの情熱や、被害者の気持ちに寄り添っていることがわかってきて、ついて行こうという尊敬という気持ちが生まれていくんです。なくてはならない存在になるのではないでしょうか。真野さんも同じ熱量で真実をつきつめる後輩が入ってきて救われている部分もあると思います。
- 錦戸亮さん、船越英一郎さんと実際にお芝居をされて印象に残っていることは?
- 錦戸さんはセリフが全部標準語なのに、普段はずっと関西弁で話されていてそのスイッチの切り替えがすごいな、って。こんなにずっと関西弁で話していたら、セリフも関西弁にならないのかな、って思うくらい。私に関西弁が移ってしまいそうで、笑。本当に大阪のお兄ちゃんという感じです!船越さんは、大先輩なのですが、おちゃめな部分もあり……スタッフさんたちも若いのですが、船越さんが自ら盛り上げて現場を回してくださっているんです。現場はもちろん締まるし、私も勉強になっています。