インタビュー

毎回、悲しくて重いお話が続いていますね。
第1話の放送が終わった後に知り合いの何人かからSNSでメッセージが来たんですけど、「1話から来るねぇ」「攻めてるねぇ」と(笑)。いままでの刑事もの、科捜研ものとはまた違ったドラマですからね。ただ、単純に重くて暗い話ではなくて、どこかに救われる部分も描かれていると思うんです。物語上の事実としては悲しいものかもしれないですけど、そこには人の想いとか、希望の光も見えますから。それは、ちっちゃい光かもしれないですけど……。だから僕も、毎回泣いています。泣かなかった回はないですね(笑)。
内容を知っていても泣いてしまいます。
そうなんですよ!しかも、台本を読んだときに泣けた部分と、オンエアを見たときに泣けた部分が違ったりもするんですよ。
法医研究員の市原というキャラクターを演じるにあたって、特に意識されたこと、あるいは監督のディスカッションなどを通じての決め事は?
市原は、科長の海塚(小雪)さんに想いを寄せている、というのは一番大きいですね。あと、監督と話して決めたわけではないんですけど、テンポを崩さないように演じたい、という風には考えていました。相楽役の山崎樹範さんを中心とした科捜研チームの中でのやり取りとか……さきほど、重い話だというのがありましたけど、相楽と英里(岡崎紗絵)さんと市原は、その中でちょっとホッとできるような部分も担っているじゃないですか。だから、そういう事件と直接関係ないようなシーンではテンポ感に気を付けて演じているつもりです。まあ、僕らはほとんど科捜研としての仕事をしていませんけどね(笑)。言っていいのかわからないですけど……。だから、4話で仕事をさせてもらったときは本当に気持ち良かったです!居酒屋以外のロケでしたからね(笑)。
橋の上から川原に落ちた1万円札を探しに行ったノンナ(新木優子)の応援に駆けつけたシーンですね。あれはステキでした。
僕も「俺たち、働いてるな!」って思いましたから(笑)。
科捜研メンバーは、普段から仲が良いですね。
みなさん、優しい方ばかりですからね。山崎さんは面白いし、新木さん、岡崎さんも気さくで優しくて。
一番盛り上がった共通の話題は?
共通の話題は……ないかな?(笑)。これは使えないかなぁ。5話で、一瞬ラブシーンがあったじゃないですか?放送の後に山崎さんが、「5話、見ました?」って言うから、「ああ、見ましたよ」って返したら、「あのラブシーンのところ……」「ああ、あれね!」ってふたりでちょっと盛り上がってしまって(笑)。今の話につなげるわけじゃないですけど、共通の話題はなくても、オンエアを見て、「あそこのシーン、凄く良かったよね」というような話はよくしていますね。4話の相楽とお兄さんの話も泣けたから、本当はあまり感想とか言いたくないんですけど、山崎さんの顔を見たら「良かったよぉ」ってつい言ってしまって(笑)。
役者さん同士は、あまりそういうことを言わないものですか?
言わないんじゃないですかね?褒め合ったりとかはもちろんしないと思いますし。でも、山崎さんの顔を見たら我慢できなかったんですよ(笑)。
真野役の錦戸 亮さんと実際にお芝居をされてみての印象は?
お若いですけど、僕なんかとは場数も違いますし、本当に頼れる存在だと思います。錦戸さんが現場にスッといらっしゃると、威圧感とかはまったくないんですけど、やっぱり引き締まるんです。年齢的には僕が頼っちゃいけないんでしょうけど、安心してお芝居が出来るんです。ピリッとするけどホッとする、というか。あの佇まいとか、柔らかいトーンとか、お芝居のときの集中力とか、僕には真似できないです。瞬間的に役に入る感じとか、凄いなと思います。この間、たまたまみんなで「セリフをどうやって覚えるか」というような話になったんです。そうしたら、想像できないくらいの短い時間で覚えられるらしいんですよ。その代り、しゃべったらすぐ忘れるそうです(笑)。
セリフの量もそうですけど、普段使わないような言葉も多いですからね。
そうなんですよ。真野さんと虎丸(船越英一郎)さんはセリフ量もハンパないですからね。僕なんて、この間、1行じゃなくて半行のセリフ間違えましたからね(笑)。情けない。
ドラマの今後はどうなっていくんでしょうね?
僕も想像できないんです。真野さんのお姉さんの件もショッキングでしたし。千原ジュニアさんが演じる壇さんも……真野さんの写真に指で血を、というのも台本にはなかった演出でしたからね。これからどう展開していくのか、僕も楽しみにしています。

BACK NUMBER