2018.02.26 Mon. Update Interview #5 広瀬 渉役 眞島 秀和さん

渉役を演じるにあたって、特に意識された点は?
僕自身が意識していたのは、言葉尻ですね。言い方のニュアンスを、なるべく柔らかい感じにしたいと思ったんです。なので、実際に演じながら監督とも相談して……という感じでした。
具体的に、監督から何かリクエストはありましたか?
逆に、僕が柔らかくなり過ぎてしまって、「そこはやり過ぎでは?」と指摘していただくこともありましたね。
今までにあまり見たことがない眞島さん、という感じもします。
そうかもしれないですね(笑)。いまのところ、それぞれ深刻な状況があるんですけど、そこがコメディーになっている部分もたくさんあるので、それがいいんじゃないかな、と思います。シリアスなテーマを扱っているドラマだと思いますけど、作品全体に優しくて柔らかい空気が流れていると思いますし。
恋人の朔を演じている北村匠海さんとのお芝居はいかがですか?
匠海くんとのお芝居はとてもやり易いです。匠海くんも朔としてのキャラクターの作り方がいろいろあると思うんですけど、その居住まいがブレたりしないので。
ラブラブな感じも素敵です。
ホントにラブラブですよね(笑)。最初の方にはキスシーンもありましたしね。最近ないな。もっとあっても良かったのに(笑)。
北村さんも「楽しい」とおっしゃっていました。「もしかしたら、
眞島さんが20歳のとき、僕みたいな人だったんじゃないかと思うくらい
似ているところがあるんです」とも……。
それは、正直に言うと凄く嬉しいんですけど、僕から見ていまの匠海くんって凄く多彩な人だなと思いますし、色んな意味でセンスの良い方だと思うので、似ているなんておこがましくて言えないです(笑)。
俳優さん同士の波長が合う、みたいな感じはあるのでは?
そうですね。それって、実際にやってみないとわからないことだと思うんですけど、その辺は匠海くんに助けられたなと思っています。
眞島さんは、現場に入る前の段階で、
どのくらいまで役をイメージしているのでしょうか?
作品にもよると思うんですけど、例えば今回の場合は、同性愛のキャラクターでしたから、そういうテーマに合った映画を見たりはしました。先ほどの話とも重複しますけど、柔らかい人にしたい、という思いもあって、そこは現場に入ってみないと固められない部分ではあるんですけど、普段現場に入るときに聴いている音楽も柔らかめのものにしてみたり……。そういうトーンで現場に入ることは意識していました。
渉というキャラクター自体も魅力的です。
ストイックな感じもそうですが、
橋本マナミさん演じる留美からも「脇が甘い」と言われてしまったり、
ゲイであることを隠して生きてきた中で、世間との接点を
自分なりに頑張って保ってきたという部分にも惹かれました。
いわゆる脇の甘さというのは、このドラマの中の、わたるんのコメディーでもあるわけですよね。見て下さってる方には、その辺も楽しんでもらえているのかな、という気がしています。
奈々役を演じている深田恭子さんの印象は?
奈々さんって真正面から正論で、普段僕らが考えているような“正しいこと”を言うキャラクターだと思うんですけど、その正論が深田さん演じる奈々というフィルターを通したときに、凄く胸に響くんですよね。現場で聞いていても、「いいなぁ」と思っています。繊細にも見えるし、おっとりさんにも見えるし、不思議な空気感をまとった方だなという印象ですね。
大器役を演じる松山ケンイチさんとのお芝居に関しては?
松山さんともちゃんとお芝居をやらせていただくのは初めてなんですけど、普段から役の雰囲気で前室にいらっしゃったりするんですよね。それは、松山さんご自身の元々の感じなのか、今回の役に合わせているのか、というところに興味がわきました。普通、そういう話は直接質問したりしないですからね。
ドラマは、これから後半戦に突入します。
渉の母親が登場するなど、まだまだ波乱がありそうですね。
どこに着地するのやら、という感じですよね。渉と朔に関しては……役柄で考えれば、上手くいったらいいな、とはもちろん思いますけど、個人的にはふたりが上手くいかないというか、それぞれの人生の選択肢の中で別れを選ぶ、というのを見てみたいですけどね。
お互いを思いやって敢えて……
という展開もドラマとしてはあり得ますよね。
そうですね。人生の中で、一緒にいる時間が必要だったように、離れることも必要だった……ということなら見てみたいと思います。
でも視聴者の方々は、
“わたさく”カップルの幸せを願っていると思います。
それくらい愛されていますので。
それは本当に有難いです。
“わたさく”カップルの副音声も話題になりましたし。
副音声は、プロデューサーから「明るく」ということで意識して挑戦してみましたが、あんなにはしゃいでしまって、とちょっと反省しているところです(笑)。ずっとしゃべらなきゃいけないのも難しかったです。
最後に、ドラマを応援してくれている
視聴者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
渉のことで言えば、母親が登場していて何かが起きそうな感じになっていきます。まだまだ、いろいろなことがありそうですよね。僕自身が、早く台本を読みたい、という作品なので、みなさんにも最後まで応援していただけたら嬉しいです。

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