2018.01.11 Thu. Update Interview #2 川村 亮司役 平山 浩行さん

台本をお読みになっての印象からお願いします。
実は今回の企画で『コーポラティブハウス』というのを初めて知りました。今、こういうスタイルが流行っているんですかね?  例えば、ご近所付き合いはどうなのか、プライバシーは守られているのか、といろいろ気になりました。単なる“お隣さん”という関係性とも違うような気がしたので、「もし自分が住むことになったらどうやって付き合っていくんだろうな?」と考えました。過剰に干渉し合うような関係になってもダメでしょうし……。
都会では、隣に誰が住んでいるのかもわからない、
ということもよくありますから。
ただ、そういう部分をクリアしていければ、困ったときには助け合える……例えば、お子さんや高齢者の方が住んでいて何かがあっても誰かがいるから、というメリットもありますよね。密な関係性だからこそいい、と考える方もいらっしゃるでしょうし。部屋だけでなく、共有スペースも自分たちで考えたりできるという良さもあると思いました。
川村亮司というキャラクターを演じるにあたって、
特に意識されていることは?
亮司はバツイチという設定で……。だから、恋人がいても、ちょっとした瞬間に相手との間に壁が生じてしまうような瞬間もあると思うんです。この先の人生を生きていくときに、どうやって相手との関係性を作っていくのか、というのが難しい部分なんだと思います。高橋メアリージュンさん演じる恋人の杉崎ちひろは、「子どもはいらない」とはっきり言っているわけです。亮司は、それを了承した上で付き合ってきたわけですけど、彼自身は子どもが嫌いなわけじゃないし……。この先、どのように展開していくのかはわかりませんけど、いろいろと複雑な状況ですね。
高橋さんとのツーショットはとても素敵だと思いました。
実際にお芝居をされてみての印象は?
高橋さんとは初めて共演させていただいたんですけど、撮影初日からベタベタするようなシーンだったんです。「大丈夫かな?」とも思ったんですけど、スッと自然に出来て、今では当たり前のように寄り添っているような感じです(笑)。それくらい、お互いに分かり合っていて、安心してお芝居ができる方なので、助かっています。
亮司とちひろの関係性も素敵ですよね。
カッコいい生き方をしている大人なふたり、という感じで…。
スタイリストとネイリストという職業柄もあるのかもしれませんけど…。
スタイリストということで、亮司の衣装はグレードも高い感じですか?
いや、ハイブランドということではなく、彼なりのこだわりを表現できたらいいな、という感じです。スタイリストさんが提案してくれたもの、僕から提案させてもらったものをミックスしながら選んでいる感じですね。洋服で遊べる、というのは役作り的にも助けになりますから楽しいです。
よくご存知の職業でもありますからね。
普段から接する機会が多いので(笑)。スタイリストらしい感じを出しつつも、いろいろと表現できたらいいなと思っています。
ドラマは、さまざまな家族の姿を優しい目線で見つめながらも、
妊活などのシビアな問題も描かれていきます。
亮司も、元妻の実家から連絡が入ることで、
ちひろとの関係に大きな変化が起きるわけですが…。
そうですね。このドラマでは色々な立場の家族が描かれていくので、その分、多くの方に共感してもらえるんじゃないかなと思うんです。実際に同じような境遇の方もいらっしゃると思いますし。そういう中でとても現代的な題材を扱っている作品でもありますので、登場人物それぞれ、家族それぞれがどういう結論を出すのか、興味深いですね。
深田恭子さん、松山ケンイチさんとの共演に関しては?
おふたりとも、今回が初めての共演なんです。松山くんとは、映画で一緒だったことがあるんですけど、同じシーンがなかったんですよ。深田さんも松山くんも、自然に現場に溶け込んでいる感じが良いんですよね。そのおかげで、みんなも普通にいられるというか。今回の現場で面白いなと思ったのは、撮影が始まるとそれぞれが演じる役のキャラクターのように見えたんですよね。だから、撮影にもごく自然な感じで入っていけるんです。溶け込んでいくのが早かったと思います。それは、深田さんや松山さんが持っている雰囲気のおかげもあるんじゃないかと思います。
コーポラティブハウスの共有スペースのシーンも多いので、
そういう関係性は大事なのでは?
そうだと思います。そういう意味でも、とても心地良い現場ですね。
2018年はこのドラマからスタートされるわけですが、
どういう年にしたいと思われていますか?
40歳になったので、ちょうどいい節目だと思っているんです。40歳になって最初の連続ドラマですし。なので、気持ちを新たにして臨むことができればいいな、と。今まで僕は、年の初めに目標を立ててやってきたわけではないんですが、今年ばかりは、「40歳を生きていこう」と。目標を作るにはちょうどいいタイミングだと思ったんです。ただ、お芝居の部分に関して言うと、どんどんわからなくなっているんです(笑)。自分の芝居が合っているのか間違っているのか……。いろんな方のお芝居があって、自分の芝居がある。そのキャッチボールの中で、自分が思っていること、監督が思っていること、相手が自分に対して思っていること……なんて考え始めるとキリがなくて(笑)。追求し過ぎるのも良くないですし、結局、自分らしくということになるのかもしれないですけど、そういう中で30代とは違う表現を模索していけたらいいと思っています。

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