北川景子さん&山田裕貴さん
Wインタビュー
柊木雫役&藍井仁役
こちらでは、北川さん山田さんにあらためて収録中の本作への印象を伺いました!
- 収録も進んでいますが、収録前と比べていかがですか?
- 北川さん「オリジナルの作品でもありますし、クランクインする前は台本上のキャラクターがガチガチに決まっていたわけではなく、それぞれを演じる役者にわりと幅を持たせて下さっているような設定でした。でも、実際に現場に入って衣装合わせで眼鏡をかけることが決まったり、学生役の方々と一緒にお芝居をしていく中で、徐々に柊木というキャラクターの方向性がつかめてきました。柊木は基本的に明るくて前向きで、学生たちからは熱血でうっとおしく思われがちなのですが、とにかく真っ直ぐに作っていけたらと思っています」
- 山田さん「衣装合わせをするまで台本を読んで藍井がどんなキャラクターなのかを想像して…どうなれば、この作品が面白くなるのかと、それしか考えていませんでした。柊木や学生たちにどう関わっていけば、藍井のキャラクターがリアルさを保ちつつ、東大卒の変わり者の天才という設定を表現すれば良いのかと。衣装合わせでは、ビシッとしたスーツから和物の服まで幅広く並んでいて、“どうします?”から始まりました(笑)。まず、見た目で面白い方が良いかな?と、思って、その当時は金髪だったんですけど、金髪を活かして“どこの金持ち?”みたいな方向性も考えたり、スタッフの皆さんといろいろ話し合った結果、ボサボサの黒髪に和服。雪駄は僕が普段履いているんですけど“それいいね!”となって(笑)。そして、やっぱり撮影しながらつかんできた感じで、柊木といつ目を合わせるのか?とか?北川さんは目を合わせないのでやりづらいかもしれませんけど(笑)。藍井のようなキャラクターは“こんなヤツいねぇよ”と思われつつも、リアルさがなくてはいけません。お芝居くさいと嫌われそうなので、そう思われないように演じていくのが大事と思っています。キャラクターとしては周囲の状況を一瞬で把握してしまうような、とにかく頭の回転が速い人で、かつ基準が“オレ”なので、学生たちを自分レベルまで引き上げたら司法試験に絶対に合格できるというロジックを持っている。単に嫌な感じではなくて、ロースクールに来ている以上は合格させないと意味がないと思っているような人物です」
- (以下、敬称略)
- 演じているキャラクターに共感出来ることは?
- 北川「私は食べることが大好き。何かに悩んだ時や落ち込んだ時は食べないと元気にならないし、良い考えも浮かばないと思うんです。柊木もよく食べる設定で、がっつりとトンカツを食べたり、甘いものも食べたりするので、食べるシーンは楽しみで嬉しいですね(笑)。また、柊木は嘘をつかない、真っ直ぐに人と向き合うキャラクターだと思います。私も、しっかりと人に向き合いたいタイプなので、その辺は似ているかもしれません。その点では、あまり計算をしないで演じられるので楽しいです」
- 山田「僕も物事を深く考えたり、先の事を考えるのが好きなんです。役者は“人がどうなるのか?”を考える職業でもあるので、そういった点では藍井に似ているのかもしれません。でも、藍井ほど冷酷ではありません(笑)。あと、人の基準はそれぞれだと思うので、自分基準の藍井とは違うと思います」
- お互いの印象は?
- 北川「大河ドラマの撮影でご一緒していて、乗馬シーンがあって練習に通っていたんですけど、そこでも何度かご一緒していました」
- 山田「はい」
- 北川「その時、私の方が月9でまたご一緒することを多分先に知っていたんですけど、山田さんがご存じなかったらどうしよう?いつ言えばいいんだろう?と、ずっと探っていたんです。でも、すごく楽しみでしかなくて。山田さんの作品もたくさん拝見しているし、バラエティーで活躍なさっている姿を見て、本当に頭の良い方なんだと思っていたので、共演するのは嬉しいです。撮影は学生たちとのシーンから先に始まって、途中から山田さんが入って来られたんですけど、大人の役者さんが加わったことで、ぐっと現場が引き締まったと言いますか…。学生たちとの時は、私が引っ張っていかないととガチガチだったのですが、山田さんとは年齢も結構近いので頼りになるし楽しく演じています」
- 山田「ありがとうございます。本当に未だにこんな感覚でいてはダメだと思うんですけど、北川さんは“以前からテレビで見ている人だ”と(笑)。ずっと一線で活躍されている方は、どんなことを考えて、思っているのだろう?と、今でも気になっています。“女優といえば誰?”という問いの答えには絶対に入ってくる方なので、僕はどう思われるんだろう?とか、ちゃんと力になれるようにしなくちゃとか、そういう事を考えてしまって…。緊張というよりか、北川さんがそうさせない雰囲気を持っていらっしゃることにも戸惑いを覚えて…」
- 北川「逆に怖い、みたいな?(笑)」
- 山田「いえいえ、ものすごく親近感があって。ゲームもお好きなようですし」
- 北川「ゲーム好きです!」
- 山田「気さくに話しかけてくださるので楽になっています。だから、変な心配は無くなりました。信頼しきってお芝居できるので、柊木先生とのお芝居は安心しきって、自分のキャラクターも思い切り出せるので、ありがとうございます」
- 北川「本当に藍井は面白くて。よく柊木は藍井先生に“はっ!”と鼻で笑われるんですけど、あれが本当に好きで(笑)。お芝居じゃなかったら笑っちゃいます」
- 山田「心配なのは、北川さんは笑ってくださるんですけど、お客さんがハマってくださらなかったらどうしましょうみたいな?」
- 北川「台本に書いてないんですけど藍井先生はグミやゼリーを食べていたり、椅子の上にしゃがんでいたり。“今日は山田さんがどんなお芝居をするのかな?”というのが楽しみですし、柊木もどんどん無視して欲しいです。今も全然目線を送ってくれないんですけど。どうやったら目を合わせてくれるのかも楽しみです」
- 山田「目が合うのは、藍井が柊木先生に心を開いた時でしょうね」
- 北川「そうそう。いつかはあると思うんですけど。とにかく、藍井先生いるのかな?と毎日スケジュールを見るのも楽しみです」
- 山田「へぇ〜。柊木先生はめっちゃ藍井を意識しちゃってますね(笑)」
- もし、お二人がロースクールで学ぶとしたら柊木?藍井?
- 北川「藍井先生です!」
- 山田「えーっ!僕は絶対に嫌です!」
- 北川「何回も考えたんですけど、私が学生の立場だったら絶対に藍井先生のクラスをとります。成績上がるじゃないですか?司法試験受からないと学生はその先がないんですよ?」
- 山田「確かに。先日、父親が藍井と同じように東大卒で司法試験に大学2年で受かったという方と一緒にお仕事したらしいんです。でもその方、当時本当に勉強しすぎて大変だったみたいで…」
- 北川「えーっ!」
- 山田「そのぐらい必死なんでしょうね。そう考えると、藍井と柊木先生のどっちが良いんでしょう?」
- 北川「柊木の教え方では司法試験には受からないな(笑)」
- 山田「いやいや。“柊木先生が来たことで青南ローが変わっていく”というお話ですからね(笑)」
- 北川「確かに、司法試験に受かって法曹三者(裁判官、検事、弁護士)に進んだ後には、判例を覚えているだけでは乗り越えられないこともあるでしょうから、柊木の授業も必要だとは思います。だけど、私は藍井先生の授業でとにかく司法試験に受かりたいんです。的確にこれだけ勉強しなさいと範囲を示してくれるし、出来てる出来てないをハッキリ言ってくれるのは藍井先生の優しさだと思うんです。一緒にお芝居していても、藍井先生の頭が変だとも思わないんです。山田さんが演じる藍井先生は、結局は司法試験に受かるためには孤独で自分自身の戦いになるから馴れ合っていても仕方ないと早い時期から教えてくれている感じなんですよ。これは台本で読んだ時よりも人間らしくなっています。そりゃ、“メシア”って言われるよねって」
- 山田「僕は完全に柊木先生です。僕は人に教えられるより、自分で気づいて覚えていくタイプなんですよ。きっかけをもらって、“こうなのかな?”とならないとやる気が起きないんです。柊木先生は、その意欲を沸かせてくれると思うんです。例えば、成績が悪くても諦めずに勉強出来るというか、楽しくなってくると人って絶対に関心や興味が芽生えて吸収する力も大きくなるのでは?だから、藍井は本当にこんなヤツいたら絶対イヤだと思って演じているんです」
- お二人がもし司法試験に受かったら裁判官、検事、弁護士のうちどの職業に進みますか?
- 山田「僕は弁護士です。僕は有罪か無罪かを決めることが出来ないんです。その人にしかわからない真実があると思うので。ですので、“もしかしたら?”巻き込まれただけの方とかを弁護したいです。ただ、逆にその方が自分に対してもウソをついているかもしれないという考えも持ちつつ…。人が本当の意味で救われる弁護が出来れば良いですね。とても難しいとは思いますが」
- 北川「どれも難しいですね。強いていえば検事かなぁ?大きな刑事事件に関わることもあっても、怯まないで強く事件と向き合っている姿は格好良いと思います。完全に『HERO』の影響もあるんですけど(笑)。やっぱり久利生検事(木村拓哉)って格好よかったじゃないですか?私も何かを判断するときに、いろいろな方向から照らしていくことが大事だと今回のドラマで教わっています。それは法曹三者どれも大変さは同じだと思うんですけど、その中でも興味があるのは検事ということです」
お互いに相容れない柊木と藍井を演じる北川さん&山田さんですが、二人の息は合ってきているようです。2023年最初の月9『女神(テミス)の教室〜リーガル青春白書〜』をお楽しみに!